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第1話 プロローグ

かつて、こう呼ばれていた存在がいた『裏切りの英雄』と……。


魔王城断罪の間。光の勇者処分の命令を全うする事が出来ず、更には極秘情報(魔王城の場所)を勇者に教えてしまった者への罰が下っていた。

「元魔王軍幹部ルミナス。このような大罪は流石に許す事が出来ん。こいつを牢屋に閉じ込めておけぇぇ!!」

「「はっ!!」」

「魔王様、待ってくださいっ。今回の失態は……」

自分の姿を隠すように大きな布を羽織るその姿はまるで闇の指揮官のようだったがその者から出てきた声はとても透き通っていて断罪の間に響く。だが、この場の最高権力者の魔王の前では一切の声を発することは出来なかった。

「お前の弁明など聞く気はないわっ!!頭でも冷やしておれっ!!」

「分かりました……」

ルミナスは横に控えていた兵士に連れられて牢屋へ入れられた。



「はぁ……私、どうなるんだろう」

魔王城地下にある牢獄。床は虫がカサカサッと通り、光は廊下に間隔ごとにある小さな松明のみ。普通のものが入れられれば僅か1日で精神を壊す魔王城の最高傑作監獄プリズンである。

「キャッハハハ、まさかあのお高いルミナス様が勇者に負けるなんて」

「魔王様がいってたぜ俺ら、なにしてもいいんだとよ」

「いや、それは待て、これから拷問の日々が始まるんだ。俺らもなにかしさせてもらえるように魔王様に頼んどこうぜ」

「それもそうだな」

「ルミナスちゃんまた、今度楽しませてくれよ」

「「キャッハハハ」」

牢獄の前を通る門番たちは魔王軍へ入ったがろくに仕事をしないクズばかり。監獄プリズンは俗に言う島流し先なのだ。ただ、ルミナスのような女が入れば看守という立場を使い拷問をする最低最悪の人格破綻者共だ。

「もう最悪……」

ルミナスはどうしてこのような事になったのかと過去を振り返る。

………………………………………………………………

同時刻


「あーやっと終わった、てかエンディングくそだったな」

俺は、新作アニメの勇者の孫を見ていた。

なんだよ、アイーンって……しっかり振り付け考えろよ。

まぁ、歌はよかったと思うけど演技がなぁ……。


「ヴォイド様ー魔王様から、勇者一行を倒せと命令が下りました」


チッ、あのくそ魔王俺に仕事をさせるってか?俺は散々働いたから引きこもるって言って休暇中だろうが!!

「適当に流しといてー」

俺は魔王からの伝言を伝えに来たメイドにそう返す。

「それが出来ないから、お伝えにまいったのです」

出来ない?What?休暇中たが?引きこもりライフさいっこう!!ってしてるんだが?

「引きこもりライフって最高よね。無理って言っといて」

するとメイドの琴線に触れたのか逆ギレしてきた。

「どこの魔王軍に引きこもりライフを許可する所があるんですか!!、今までは副官である私がなんとか軍を指揮して勇者を攻撃していたんです!!」

俺はメイドの方を見る。するとそこに居たのは我が魔王軍第4部隊副隊長ラ・ムーだった。


「ムーさんや……まだ行ける」


「まだ行ける!?もう貴方が前線から逃げて2年ですよ?2年!!もう私には勇者が手に終えませんっ」


「えー……じゃあ、ルミナスにでも頼め、一応魔王軍幹部だし俺の名前出せば多分なんとかしてくれる」


「そこまでヴォイド様の名前って強くないと思うんですけど……ただ、ルミナス様は勇者に負け、魔王軍幹部の職を剥奪され拷問の日々を送ろうとしています」

ルミナス負けた?あの魔法ヤバすぎ性格悪すぎ女が?

てか、拷問?

ルミナスさん今からあんなことや、こんなこと、はては、あれなことまでされるの!?

え?ルミナスの拷問なら喜んで引き受け……いや、落ち着け。ルミナスって虚勢をはって頑張るタイプの人だから裏ではいつも泣き虫だったし、拷問とかするものならすぐ自殺するのでは?更には顔もいいしスタイルもいいからやばいのでは?

……そして、多分拷問ってあのくそゴブどもでしょ?ヤバすぎないかな?

そうして俺は一つの決心をした。

魔王軍抜けるついでにルミナス助けるか。

そう、俺は昔からルミナスの事が大好きだったのだ。出会いは魔界幼稚園。いつも俺に話しかけてくれた小さな天使ルミナス。昼寝の時間も一緒の布団で寝たりして、初等部では毎日のように遊んで、高等部に入ってからは弁当を作ってくれたりして……これでよく付き合わなかったな。俺ヘタレすぎやな。今考えたら何やってんだろって思ったわ。よし、何か知らんけどテンション上がってきた。ルミナスに告って魔王城壊して逃げよう。

「よし。ムー俺、決めた。魔王軍やめるわ」

「えっ、あのヴォイド様考え直していただきませんか」

「無理だ。ルミナス助けてどっかいく。おまえ新しい魔王軍幹部ね」

「あの私そんな……」

「大丈夫、大丈夫、君ならやれる」

俺はムーに喋らせないように勢いだけで黙らせる。

「えっとじゃあどうします?魔王様に軍を抜ける事を言って……」

魔王と謁見?面倒くさい以外の感情わかないんだが。

「手っ取り早く魔王殺してくるわ」

「えっ、いやそれ」

「なんか問題が?」

「いや、問題だらけだと……」

「大丈夫、反乱ってことにして俺が牢屋に行くだけだから」

「それは駄目なのでは?」

「ああ、大丈夫。あのくそ魔王に一発いれてきてやるよ」

「え?えぇっと。考え直すのは……」

「Let'sGo!!」

「えぇ……」

そして俺はある事に気づく。そういえばムーって魔王軍やんけと。そんな相手にお前の将軍ぶっ飛ばしに行くわとか言うのは流石にヤバ過ぎると。

「じゃっ、俺は魔王ぶん殴りにいくからお前は眠っといてくれ。スリープ」

「えっ、ヴォイドさぁZzz・・・・」

俺はムーに魔法をかけて部屋の片付けをする。部屋の片付けと言っても部屋のものを空間魔法で仕舞うだけなのだが。

「以外と広かったんだなーー」

今までエナドリの空き缶やらポテチのゴミやら漫画が散らかっていた部屋はまるで新築のように綺麗になる。いや、この頃ずっとベッドから動いてなかったからわからなかったな。


そうして俺は、大魔法を発動した。


ドカーン、ドカーン


「て、敵襲ぅぅ!!」

「なんだ、何が起こっているんだ」

「ヴォイド様が裏切りましたっ!!」

「ヴォイドだって!?あいつは引きこもってるんじゃなかったのかっ」

「ルミナス様が牢屋に入れられたときいて裏切ったとのことです!!」

「はぁ!?」

一瞬にして臨戦態勢となる魔王城。警報が鳴り響き怒号が飛び交う。俺はその様子を空から見てまた魔法を放つ。

「おめーら全員ぶっ殺す(^-^)」

「ギャーーー、悪魔だーー、悪魔が来たぞーー」

「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ」

「それ、死亡フラグーー」

「はい、死んで(^-^)」

「ギャーーー、あぶねぇーー」

「なんであの人裏切ってんだよ!!」

「俺にもわからねぇぇよ!!」

こんな攻撃を怖がるなんて……魔王軍も変わったな。

「お前ら、たるんでるぞ」

「今まで一番たるんでたやつに言われたくねーよ!!ひきこもりニート!!」

ひきこもりニート??お前何言ってるんだ?俺はただ単に魔王城警備最後の砦ヴォイドとして毎日夜遅くまで起きてたんだぞ?

「毎日夜遅くまで起きて、オールの日だって何日もあったんだぞ!!」

「ネットで見聞を広めてただけだろうがっ!!」

「それで働かないやつをニートって言うんだよ!!」

……コイツラには何を話しても通じないようだ。

「知らねぇ、魔王、ぶっころ(^-^)」

「魔王様ーー逃げてくださいー、グハ」

「テンプラーー」

「最初に死んだ奴の名前テンプラだった…wwwwww」

「お前よくもテンプ、プッ、プラの勇姿をーー」

「君、めちゃくちゃ笑ってたよね、テンプラ、って」

……天ぷらさん嫌われ過ぎでは?

「あの、ほしいならすがりつけとかいつもカッコつけてたテンプッラをーー」

「何、今、アレンジ加えたテンプラ地味に嫌われてた説」

「いつも俺が弱いのは神によって制限されてるからだとか言ってたイタプラをーー」

「おい、やめろって、イタプラさんそこで自分の出番終わったからツッコメなくて燃え苦しんでるから!!」

すると死んだはずのイタプラさんは体を起こして叫んでくる。

「イタプラじゃねぇぇーーよ!!、何なの、君たち何なの、いや、俺言ったよ、ほしいならすがりつけとかイケボで言ったよ」

「あれでイケボとかwwww」

「草を生やすなーー」

「二十代で中二って、wwwww」

「だから草を生やすなって!!」

「あの……イタプラさん出番終わってるんで」

「イタプラじゃねーっていってるだろーー」

「お前のこと、忘れないぜ、イタプラ」

「あの、くそ、いや、かっこよかった、ブゥフォフォ、テンプラさんを忘れないぜ」

「よかったなイタプラさん」

「テンプラ、お前が初めて告った時に基本姿勢が土下座だったの忘れないぜ」

「テンプラ、イタプラって言ってごめんな、俺はあのリレーのときゴール手前で三回転ずっこけストリームバーストしたのを忘れないぜ」

ちょっと気になる言葉が……。

「三回転ずっこけストリームバーストとは?」

「ゴール手前でずっこけて三回転したあとに泥がたまった水溜まりに突っ込んでおいてあった花火に何故か火がついて爆発して近くにいた人、クラスメイト、先生から殴られて魔法でお前も花火にしてやるよーーとか言われて飛んでいった話」

「……飛ばしたの俺だわ」

「えっ……」

「えっ!?」

「いや、自分に火をつけて走ったら早くなるとか言ったバカだったから」

「あっ……それで花火が」

「あー、言ってた俺には神の加護がついてるんだ火なんて熱くねーよとか言ってた」

「暑くて水溜まりに突っ込んだんじゃ……」

「いや、あそこ普通に泥しかなかったから」

「じゃあこけたのはガチ?」

「いや、あのイタプラさんだぞ?」

「だよな。あのイタプラさんだもんな」

「風俗に行ったらいつも生理的に無理ですって風俗の定員に言われるイタプラさんだぞ」

「……ん?ってことはまだ童貞?」

「待て、イタプラさんだぞ、まだ中二を抜けださてないんだぞ、30才まで守ったら魔法使いに為れるの信じてるだけだって」

「さすがに風俗の定員には断れないよな」

「めちゃくちゃ気持ち悪い感じを出してただけだよな」

「う、嘘だよな?」

「もう俺の話はやめてくれよ、俺はもう死ぬからさ」

「死ぬを死ぬからさにしたイタプラさんがいつも以上にイタイ件について」

「イタプラさんのイケボ、ゲスボに謝るレベル」

「同期の女子がイタプラがいつも目で犯してくるって言ってたぞ」

「あと、声でも」

「なんか、いいじゃん、遊ぼうよ、ってイケメン(笑)ふうに言ったくるんだって 」

「イタプラさんって……」

「もう行けよー、なんでヴォイド様がそんなに知ってるんだよー」

「お前投げやりすぎだろ……まぁ、ネットで見聞を広めてたから」

「イコール俺の悪口が書かれてたってことですか?」

「いや、イタプラ伝説っていうサイトが出来てた」

「えっ……」

「俺がこのサイト知ったのはヴォイド様めちゃくちゃカッコイイ、イタプラとの差がやばすぎる!!ヴォイド様とイタプラを比べるのはヴォイド様に失礼だってという書き込みを見たからだけど……」

「あっ、イタプラさんが死んでる」

「ただのしかばねのようだ」

「ツンツン」

「ツンツン」

「ツンツン」

『ただのしかばねのようだ』

「お前らそれ言いたいだけだろうがーー、ツンツンやめろ」

「あっ、『動いた』」

「えっ、何なの、動いちゃ駄目なの?」

「そりゃあ死んだし」

「最初の犠牲者だし」

『ねーー』

「ねーー、じゃねーよ!!なにちゃっかりハモってんだよ!!もう関わんなよ。なんでツンツンしてくるんだよ」

「イタプラさんだし」

「てか、お前ら最初テンプラでもつぼってたよな」

「あれは、イタイテンプラ伝説、主人公イタプラのせいで、プッ」

「ブゥフォフォ………」

「笑いすぎだーーねぇ、何なの、俺の名前もうテンプラじゃないの、イタイテン、プラなの」

この人は何言ってるんだろうか?

「ちょっとなに言ってるかわからないです」

「なんで、ここだけ素が出てくるんだよ」

「まぁ、元気出せって」

「そうだぞ。ガチで全ての人から生理的に無理認定されてるテンプラ」

「強く生きろよ」

「あっ、またイタプラさんが……」

もう少しこの魔王軍第3部隊の隊員たちと遊びたかったが他の隊の奴らが近づいてくるのが見えた。

「あー俺もう行ってもいい?」

「あっ、ヴォイド様コイツの処理俺らがしてくんで」

「おっ、ありがとな」

「やっぱ、イケメンは違いますね」

「ありがと」

「いえいえ、では〜」

俺は感謝の言葉だけを残してその場を立ち去る。

「イタプラ、ドンマイ」

「そんなに笑顔で言われても……」

「お前じゃ無理だったんだよ、伝説のイタプラ」

「伝説のイタプラww」

「もうそれ、なんなんだよーーー」

「ヴォイド様いい感じに魔王様殴ってくれないかな?」

「あの人ひきこもりって言うか普通に城の中から出なかっただけで城で見かけたよな。てか、自宅警備員してたし」

「元がくそ優しいし、俺らの隊長だったし。たぶん一番人気あるもんな」

「ああ、前嫌いな人ランキング第一位のイタプラさんが言うと重みが違うな」

「カッコイイ人第一位、結婚したい人第一位、抱かれたい男第一位だもんな」

「すごいよな……」

「ああ」

「あれ?あの居なくなって魔王軍大丈夫かな?」

「この頃はホントに自宅警備員してたしヴォイド様の後がまっていうか副隊長のムー様がいるし大丈夫だろ」

「あーヴォイド様がやってなかったとき一人で頑張ってたもんな」

「ああ、あの唯一イタプラとしっかり話してくれる天使か」

「ムー様ラブムー様ラブ」

「イタプラさんいたいです」

「イタプラさん、ヤバイです」

「あっ、ムー副隊長」

「死にたいの?」

「あっ、いや……」

「唐突にイタプラが殺害予告された件について」

「もう俺の話はいいだろな、な」

そっとイタプラは三万円を差し出した。

「金の力に頼る、悪い大人だな。貰うけど」

「貰うのかよ……」

ドカーン、ドカーン

「あっ、始まったな」

「そうだな」

「魔王様大丈夫かな」

「まぁ、大丈夫だろ」

「イタプラが言うとなー」

「言葉の重さがね……」

「ねぇ、何なの、お前ら何なの、俺になにかしないと気がすまないの」

「ほら、もう始まってなるから」

「あっ、ちょ、ま……ギャァァァーー」


………………………………………………………………


「ヴォイド?一旦落ち着こうか。訳があったんだって」

「知るか、くそ魔王、死にやがれーー」

「ちょっと待って、ギャー、死ぬって我死ぬってぇぇ」

「黙れくそロリ魔王が!!」

俺は我が魔王軍総司令。魔王様と対峙していた。

「考えればわかるじゃろ?ルミナスは私の娘だぞ?」

「じゃあなんで監獄プリズンとか送ってんだよ!!あそこやばすぎるだろうが!!なんで一部屋に30匹屋根にGを飼ってんだよ!!」

監獄プリズン。俺が軽く提案した物なのだがこの魔王。ガチで完成させやがったのだ。その凄さは折り紙付きで今の今まであそこで2日過ごせたものはいない。

「いや、お主に話があっての、お主ルミナスと結婚せんか」

「えっ」

それはあまりにも唐突な話だった。ルミナスと結婚?この魔王様は何を言っているんだろうか。話を聞くことにした。

「私ももう年じゃし、誰か新しい魔王候補を探してるところでお主が入って来たからお主に継がすために仕事を押し付けて功績を出してもらおうとしたところでお主がえっとニートとか言う奴になって仕舞っての、最終手段としてルミナスを失敗させて牢屋にいれたのじゃ」

「じゃあ俺は何をすれば……」

「かっこよくルミナスを救って惚れさせろ、さすれば簡単に結婚して魔王とするかとができる」

「(ΦωΦ)ホウホウ。よし、じゃあ俺はルミナスを助けに行ってきます」

俺がすぐに行こうとすると未来のお母様が止めてくる。

「待て待て、お主、ルミナスにお仕置きしたくないか」

お仕置き?……俺はまた聞くことにした。

「詳しく」

「おお、早いの、私がお主に」

「ルミナスを拷問してこいと言えば合法的にヤれるということですね」

「私はそこまで言うとは思わんかったがそーいうことじゃな」

「では、行ってきます」

俺は魔王様、いや、神様と話を終えて監獄プリズンへも向かおうとする。

「まだ言ってないないじゃろ、というかお主今大恥をかいたぞ」

「は?恥なんていつもかいてますけど?」

ガチャ。扉が開く。するとそこには今までの話を聞いていたのか顔を赤くしたルミナスがいた。

監獄プリズンに入れられたと聞いたんですが?

「あっ……ひ、久しぶりルミナス」

「ヴォイドは私をかっこよく助けてくれると思ってたのにな〜てか、お母様監獄プリズンに本当に入れるなんて聞いてませんでしたよ!!」

「いや、すまんな。ゴブ共が調子に乗りおってのぉ〜」

魔王は申し訳無さそうに言う。

「まぁ、すぐ解放されたからいいんですけど。ヴォイドぉぉ?」

ルミナスはさっきまで赤くなっていたのが嘘のように俺に詰め寄ってくる。

「いや、助けようとしてたんだよ?」

いや、ホントに。マジで監禁の話聞いてから早かったから。怒涛の展開を乗り越えてきたんだから。

「イタプラさんをいじってたじゃないっ」

「いたプラ?いや、あれは……」

「私よりイタプラさんがいいんだァァァーーー」

「イタプラと比べるなよ、あいつに失礼だろ、せめて自分の親と比べろ、あいつはただのしかばねだぞ」

「あつ、イタプラさんすいません、でも遅すぎるよ」

「すいません……ごめんな、ルミナス」

「えっ」

俺はルミナスのおでこにキスをした。こちとら何年待ったと思っとんねん!!意外と好印象だと分かったら押すだけよ!!お母様からの許可があるんだから何も恐れることはない。これがさっき見たアニメであった話を有耶無耶にするテクニックじゃ!!やばい恥ずかしいタヒぬ。マジでタヒぬ。

「えーーと自分の娘が誰かとおっパジメそうになるところを見る親の気持ちを考えてくれんか」

「あっ、すいませんお義母さん」

「もう、ヴォイドったら〜」

ルミナスさんデレデレ過ぎませんかね?あれ、昔からこうだったか?俺さっき正確ゴミ野郎的なこと言ってた気が……考えるのやめるか。

「やめてくれ、あーと、ルミナス、ヴォイドと結婚しろ、いいか?」

「はい、お母さんそう言ってくださるのを長年お待ちしておりました」

「ホントにいいのか?」

俺はルミナスに尋ねる。反応を見る限り大丈夫なんだろうけど心配なのよ。

「はい」

「よっしやーーー、かわいすぎる嫁さんだーー」

「もう、旦那様ったら」

「旦那様とかマジヤバイわ」

「もうやめてくれんかの、私も疲れたわい……で、ヴォイドよ」

「あっ、なんか御用でしょうか、お義母様」

「今回の魔王城破壊の罪どうしてくれようか」

「ふぅ……今すぐに逃げるのは……」

「離しませんよ?」

嫁ぇぇぇ……あれ、俺嵌められた気が。

「なぁ、ヴォイドよ。我はお主が裏切ったとか聞いたのだが……」

「そ、そんなことあるわけ無いじゃないですかお母様。忠誠誓いまくってますよ!!マジで魔王様バンザイっ!!」

「(ΦωΦ)ホウホウ。(ΦωΦ)ホウホウホウ。じゃあ、ヴォイドに命ずる。ルミナスと一緒に勇者パーティに潜入し勇者を暗殺せよ」

「はっ、我が命に変えまして……も?」

「頑張ろうね。ヴォイド!!」

「期待しておるぞ。次期魔王ヴォイドよ」

……やばいな。情報量多すぎて意味わからん。

勇者暗殺?パーティに潜入して?無理じゃね?

「じゃあ、行こうか。旦那様」

「一気に声が冷めてるぞ……ルミナス。やっぱり今までのは演技かよ。てか、結婚は確実なのね」

「私からの願いだからね。早く勇者殺して隠居生活しよう」

「ルミナスさんめちゃくちゃ気が合うじゃないですか。了解。早く終わらせて二人で隠居生活をしよう」

俺はルミナスと話しながら魔王の間を出ていく。

「……ルミナスの変わりぐわいには驚いたがやはりあの二人お似合いじゃな。それにしても隠居生活。我のほうがしたいのじゃが」

「魔王様っ。ヴォイドが暴れまくり魔王城一部が大破しております。どういたしましょうか」

「ヴォイドには話をつけて任務を与えた。その任務は大変危険を伴うためその弁償はチャラじゃ。我の貯金から引いとけ」

「はっ」

第98代魔王ナナツメはこれからの未来を見る。すると口からクスクスっと笑いが出る。

「やはりヴォイドは逸材じゃな。2年前もそうじゃがルミナスが昔からの幼馴染というのが大きいな。神の子を魔王軍に引き入れるなど到底無理なのじゃなからな」


〜〜〜〜〜〜

始めましてさくらかるかんです!!

場合によっては続編も書いていくので応援よろしくお願いします。

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