表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
浸喰のヴェリタス -破滅の未来ー  作者: フィンブル
第7話:闇夜と制裁「N」
131/266

22:世界の仮説(2)

 まっすぐ手を挙げたのは華。

知っている事は、得意気に頷いていた彼女であったが、未知な情報になると途端に表情が曇り出す。

とは言え、彼女の理解力が低い事を差し置いても、全員の表情は険しかった。

名護自身、仮説は済んでいるがまだ検証段階との事だが、どうやら九割は検証済みらしい。

冬真でさえ息を呑む事実。


 ――鏡世界(ヴェリタス)混鏡世界(テスカポリカ)と現況世界、これらと殺人の関連性についてである。


 それは、「誰」が「どこの世界」で「殺した」かにより、「認識出来る人」が限定される、と言うもの。

ここで言う「認識出来る人」とは、第三者《観測者》の事を指している。

例を挙げて説明するならば――こうなるだろう。

「現況世界」で一般人が一般人を殺害すると、第三者(一般人・稀人(まれびと))は犯人が相手を殺害した・殺された相手は死亡していると、認識出来る。


 それは消える事のない事実。

飽くまでこれが一般的な認識である。

とは言え、人を殺害する事は常軌を逸していると言う事を、JP's(ジプス)メンバーは名護から強く念押された。

これに倣って、名護は次の仮説を立てた。

日々起こる事件により、実証済みだそうだ。


・仮説一

 現実世界(ヴァニティ)で「一般人」が「一般人」を殺害すると、「第三者(一般人・稀人(まれびと))」は犯人が相手を殺害した・殺された相手は死亡していると、認識出来る。


・仮説二

 現実世界(ヴァニティ)で「一般人」が「稀人」を殺害すると、「第三者(一般人・稀人(まれびと))」は犯人が相手を殺害した・殺された相手は死亡していると、認識出来る。


・仮説三

 現実世界(ヴァニティ)で「稀人(まれびと)」が「一般人」を殺害すると、「第三者(一般人・稀人(まれびと))」は犯人が相手を殺害した・殺された相手は死亡していると、認識出来る。


・仮説四

 現実世界(ヴァニティ)で「稀人(まれびと)」が「稀人(まれびと)」を殺害すると――これは実証無し。

 仮定として、一般人・稀人(まれびと)共に認識可。


・仮説五

 鏡世界(ヴェリタス)で「稀人(まれびと)」が「一般人」を殺害すると、「稀人(まれびと)」は犯人が相手を殺害した・殺された相手は死亡していると、認識出来る。

 一般人は出来ない。


・仮説六

 鏡世界(ヴェリタス)で「稀人(まれびと)」が「稀人(まれびと)」を殺害すると――これは実証無し。

 仮定として、稀人(まれびと)は認識可。一般人は不可。


・仮説七

 混鏡世界(テスカポリカ)で「一般人」が「一般人」を殺害すると、「稀人(まれびと)」は犯人が相手を殺害した・殺された相手は死亡していると、認識出来る。一般人は出来ない。

 また、加害者には意識混濁の症状が見られ、最悪の場合は植物人間のようになる。


・仮説八

 混鏡世界(テスカポリカ)で「一般人」が「稀人(まれびと)」を殺害すると、「稀人(まれびと)」は犯人が相手を殺害した・殺された相手は死亡していると、認識出来る。一般人は出来ない。


 また仮説七同様に、加害者には意識混濁の症状が見られ、最悪の場合は植物人間のようになる。


・実証九

 混鏡世界(テスカポリカ)で「稀人(まれびと)」が「一般人」を殺害すると、「稀人(まれびと)」は犯人が相手を殺害した・殺された相手は死亡していると、認識出来る。

 一般者は出来ない。


・実証十

 混鏡世界(テスカポリカ)で「稀人(まれびと)」が「稀人(まれびと)」を殺害すると、「稀人(まれびと)」は犯人が相手を殺害した・殺された相手は死亡していると、認識出来る。

 一般者は出来ない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ