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マックで食べてる女子高生
この世の真理を突き止めるのは、教師や学者ではない。歴史家でも小説家でもない。哲学者ですらない。深淵を覗き、真理を得るのは女子高生。マックで食べてる女子高生だ。
以下、マックでの女子高生発言記録である。
2020年10月14日。
――歯ブラシでさ、自分も磨けたらいいのにな。
同月21日。
――嫌なことはポテトと一緒にお口にぽいしよ。
同月23日。
――月って太陽のこと眩しくないのかな。
11月1日
――数を数える時、1、2、3って数えるけど、無視されちゃう0.5とかって寂しくないのかな。
11月4日
――眼鏡かけたら私が私じゃなくなったりして。
この言葉のほとんどには意味がない。私にはそう思えてしまう。だがこれは、私が真理を見ていないからだ。世界を理解したゆえに発せられる彼女らの言葉は、理解していない者には意味が分からない。だが分かろうとすることはできる。分かろうとする姿勢が大事なのだ。なので私は今日も、マックで女子高生を観察している。




