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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

悪役令嬢がやってくる

もうダメですわね ~追放された令嬢の苛烈な一手~

作者: まい

 前知識?


 剣と魔法の中世風ファンタジー世界で、お約束の婚約破棄ネタ。


 それで転生ものではない。 それくらい覚えていて下されば、問題ないです。


 付け加えて注意するなら、婚約破棄の報復手段が地形的にえげつないので、そこを覚悟するか流せるなら問題ございません。

「ムスキア・ラパピロ公爵令嬢! 貴様がしでかしたパズリカ・スラッグ男爵令嬢への、度重なる悪行! もう見逃せん!!」




 ご機嫌様(きげんよう)みなさま、(わたくし)はムスキア・ラピパロと申します。


 ここは南以外の三方(さんぽう)急峻(きゅうしゅん)な高い山で囲まれ、魔法で街道となる大きなトンネルを掘れば察知されて、策を使われ逆に痛い目を遭わされる。


 だからと正面から攻め入るならば、籠城ろうじょうされ、近隣の街にいる兵から挟撃される。


 そんな攻めるのが難しく、守るのにとても向いた王都を持つゴンドア王国。



 現状を端的に申し上げますと、婚約者である王太子殿下との挙式を執り行う日時の発表、それを主としたパーティー会場。


「僕が愛するパズリカ(パズィー)の命までもを狙った罪! このシイテル・ウル・ゴンドアが! 僕の言葉を持って、この場で断罪するっ!」


 理不尽な理由でもって、陛下のお言葉すら待たずに断罪されている所でございます。


 参加者が全員が見守る会場のほぼ真ん中。 5・6歩ほどの距離でしょうか、その辺りで対峙(たいじ)しております。



 お顔が真っ赤になり、右腕にパズリカと呼ばれた小娘を絡ませた様子ですが、恐らく殿下の単独暴走。


 殿下の後ろ盾となっておられる他家のご当主方が混乱している様子を見るに、現在国外へ出ている陛下から、許可する文を頂いていないと思われます。




 ああ。 こんなのが婚約者だなんて、(なげ)くしか出来ない、このあわれな私。


 こんなのの王妃となるなど、不幸以外なんだと言うのでしょうか。


 それだったら一層のこと、未来の王妃として地方視察で出向いた際に1度だけ言葉を交わした、白い狼の獣人だったあの紳士な殿方と……。



「ムスキア、よそ見をするんじゃない!」


 ……目だけ動かして周囲を観察してから、ひっそり物思いにふけっていたのに、良く気付きましたわね?


 注意を殿下……いえ、もう良いですわよね? こいつなんてガキ呼ばわりで。 そのガキへ戻します。


「聴いているのか? 貴様はしてはならない事をしたんだ!」


 は? とか思ってしまいますわね。


 だってそうでしょう? 国の代表となる未来の王が、()()()()()()()と親しくなる不貞を平気で行い、こんな(おおやけ)の場で唾を飛ばして叫ぶ(品位の下がる行い)


 魔法でスマートに自分の声を会場中へ届けるなど、魔法が使える貴族ならだれでも出来るでしょうに、それすら忘れておられます。


 こんな醜態(しゅうたい)を部下・臣下となる貴族達の前で見せる。 これほど軽挙な振る舞いを、平気で見せる。


 これが国内有数の、魔力量と魔法技能持ちたる私の婚約者。 情けないにも程がありますわ。



 広げた扇子で顔と口を隠して内心呆れ返っていると、ガキがまた(わめ)き出しました。


「ムスキアが起こした罪をこれから列挙する! 反論があるなら、声を上げよ!」


 そうですか、こんなガキに負けるのはシャクですわね。 反論を存分にして差し上げましょうか。




「まずパズィーへの暴言! 王妃に相応しくないと説教をし、他の令嬢を使い人格すら否定する罵声を浴びせ、悪い噂も流させた!」


 ガキの主張は、ただの言いがかりですわね。


 ぱちん! 閉じる扇子の音で、私に注目させます。


「いくら調査しても男爵との血縁が見つからない、養女として拾われたただの平民を王妃になさる暴挙をお止めしようとした、私の献身をそう受け止めますか」


 これは事実。 いくら特別な(聖女の)力を持とうとも、怪しすぎる小娘など王妃に出来る訳がない。


 下手をすれば、ハニートラップの諜報員とか。


 そんなのを王妃にしたとなれば、国の恥……ですら生ぬるいですわね。 滅亡の危機ですわよ。



 言い返されてぐぬぅと(うな)っておられますが、反論はこれだけでは有りませんよ?


「公爵家の娘が、他家の令嬢をそんな使い方などしたら恥以外の何物でもありませんわ。

 そして噂などわざわざ()かずとも、日頃の殿下を知っている者なら皆様ご存知でしょうに」



 ばっ!



 ……今凄い音が会場中から鳴りましたわね。


 これは……全員ですね。 会場に居るお父様含め、目を逸らしました。


 ってお父様……なぜお父様まで。 普段からガキとパズリカ嬢の所業に(いきどお)っていたじゃないですか。


「嘘だっ!! パズィーから教わった事こそ正しい! 貴様ら全員、ムスキアを否定しろ!!」


 変な事を喚くガキですね。


 この会場が、ことの真実を如実(にょじつ)に表しているでしょうに。




 それ以降もお馬鹿なガキが喚き続けました。



「他家の令嬢を使って、スラッグ男爵家へ嫌がらせした!」


「具体的には?」


「お抱え商人との取り引き停止! 男爵領の運営妨害! 領内で魔物集団大暴走(スタンピード)扇動(せんどう)!」


「ああ、男爵家を調べた時にそんなの有りましたわね。

 商人は殿下とパズリカ嬢との噂で破滅を予見し逃亡、運営妨害はスタンピードが原因、そもそものスタンピードを扇動するなどどうやれば?

 それにそのスタンピードでパズリカ嬢が聖女として取り立てられたのでしょう? 時系列がおかしいのではなくて?」



「パズィーがその深い慈悲を見せようと城下町へ出ても、誰も寄ってこさせない様にしただろ!!」


「婚約者のいる相手と恥知らずにも、睦言(むつごと)()る女が慈悲ですか? その辺の噂を知れば、ただの厄介者ではありませんか」



「僕がパズィーと仲良くなってから、数々の組織から誘拐された! 全部貴様が嫉妬から仕組んだ、事件だろうっ!」


「周辺各国、教会、犯罪ギルド、衝動的に誘拐した変態。 それらを私が? それなら他者等頼らず、万全を期して手の者を使いますわ」



 等とガキはパズリカ嬢から聞いたとされる、根拠薄弱(こんきょはくじゃく)な世迷い言を繰っては反論されていましたが、この反論でガキの口元が醜くゆがみました。



「それだ! 暗殺未遂事件っ! それはお前だな!?」


 指摘された事に、私は覚えがあります。


「それは指示しましたわ。 国の為、余計な混乱を招かぬ為に」


 そう。 先程から挙げられている、あまりにもあんまりな状況。


 こんな聖女に国を乱されてはならないと決断し、決行しました。


「やはり貴様は悪ではないか! 断罪してやる!!」


 ガキがそれこそ楽しそうに。 鬼の首を取ったように騒ぎますが、これで断罪するならそれは、


「……長年受けた王妃教育で(さず)かった、国が安らかでいる為に必要なら手を汚す覚悟。 それを実行したまでの事ですが、悪と断じますか?」


 陛下を軽視する行い。 後ろ暗い面もしっかり教わりましたので。



 しかしこのバカはそれでも黙りません。


「バレてしまっては、何の意味もなさない!」


 それは反論できません。


 そしてそれを私は、


「その通りでございます」


 認め、


「私は王弟(三男)の娘、陛下の姪にあたります。

 前述した王妃となる練習などと回りくどいことをせず、婚約者を無恥にも掠め取ろうとする不敬者として、殿下へ配慮(はいりょ)せず処分してしまえば良かったわ」


 トラブル対応に失敗したと、責任を取る発言としました。



 これに喜ぶのは、ガキ。


「ははっ、ついに言ったな? 僕の愛しい愛しいパズィーを、害する気でいたと認めたな? よし!

 貴様……いや、お前を正式に婚約破棄の上で貴族(せき)から除名し、王都からの追放処分とする!!」


 それはもう憎たらしい顔で、こいつが宣言しました。



 私は異論を唱えず、堂々と、淑女の礼をして会場から出ます。


 その際ちらりと見えた心配そうなお父様の顔が、なぜだか微笑ましいものとして思えたのです。



 ~~~~



 自宅で荷物をまとめ、旅支度を整えた私は、胸を張って王都から出ます。 私は元王太子の婚約者として、何も悪くなかったと見せ付けるために。


 王都の門番をしていた兵の、気後れしてたじろぐ様子は傑作だったわ。




 正直な所公爵令嬢なんて堅苦しいし、あの殿下のアレっぷりに疲れ、うんざりして逃げたくなっただけなのです。


 それに丁度良く私を追放する計画も知って、渡りに船とその計画に乗っただけなのが、追放を受け入れた真相なのですわ。




 道を南下中、ふと山の裏側へ回り込んでやろうと思い立ち、街道沿いに東回りですすむ。


 今は東にある山のふもとまで来ていました。


 そこには町があり、休憩がてら広場のベンチへ腰かけひと息。



 すると途端に襲ってくる、追放以降捨てられぬ悔恨。


「私はなぜ、殿下をあんなバカに育ててしまったのでしょうか」


 王妃たるもの影から王を支え、時には厳しくあたり、より良き国を目指す王へと(しつけ)るべし。


 これが代々王妃へと受け継がれる訓辞(くんじ)だそうです。


 どうにもゴンドア王国の国王と言う者は、総じて怠け者かつ短絡思考だとか。


 それを巧く操縦し、働かせるのが良い王妃。


「そこを私は失敗してしまった……」


 言われた事は何でもできた私が、自身に課せられた義務をこなせなかった、ただひとつの失敗。



 運が無かったと言ってしまえば良かった。


 でもそうじゃない。 あのパズリカ嬢の運が良すぎたのだ。



 住んでいた土地でスタンピード、その際世にも珍しい治療の魔法に目覚め活躍、領主の男爵に見出だされ養女として取り立てられる。


 スタンピード対応の応援でガキ率いる国の援軍が到着し、ふたりが邂逅(かいこう)


 そこでガキがおだてられ()めそやされて、良い気になり不貞な振る舞いをやらかした。



 私もガキの婚約者(おもり)として、応援の一員に来ておりましたから、誤魔化しようもありません。


 その時の軽挙を慰謝料で解決しようと決めたのに、側妃とするーなどと喚き始め、引き離そうとガキを馬車で帰還させたら、馬車にこっそりパズリカ嬢を連れ込んでいて……。


「はぁ……」


 気が付いたら王妃……正妃気取りのパズリカ嬢(バカ)と、一緒になって我が物顔で気ままに振る舞う王太子殿下(バカガキ)へ。



 どうすれば良かったのか。


 あそこまでふたりがどうしようもない人物だったなんて、考えた事もない。


「それでも」


 それでも。


「国を支え、より良き国とするべく努力した……はずなのよねぇ」


 私は努力していたのだ。 必死に、次代を担う者として。


 まあダメだったけど。


 パズリカ嬢が出てきてから、何をしても空回り。 全て不発。 笑えるほどに失敗続き。


「この国、もうダメかもしれないわね」


 もう一度ため息をつこうとしたその時。




「ベンチに座るお嬢さん、暗い顔をしていると悪い人に狙われますよ?」


 私へ声をかけてきた者を確かめようと、首を巡らせたらそこには――――。



 ~~~~



 追放されてはや8年。 季節は冬。


「ついにここまで来た」


 王都を囲む急峻な山の中腹。 その王都を見下ろせる場所に暖かい格好でアタシはいた。


 ……()()()が気になる?


 今までと環境がガラッと変われば、口調なんて変わるって。 しかも年齢的で言えば、既にオバさん。


「これだけ待って、なに一つ更正しないバカ王太子と矯正(きょうせい)を促せない国。 そんなのに未来は無い」


 白い狼の獣人である殿方の側に。



 あの町で話しかけてきたのが、その殿方でした。


 名をドウラム。


 どうやらこのお方、昔にアタシと少しお話しした。 その日身に覚えの無い罪に問われ、山の北側……王都から見れば山の裏に流れ着いて隠れ住んでいたらしい。


 再会した時はあの町に買い出しで来ていたそうだ。



 それでそんな場所に隠れ住んで、何をするのか訊ねれば熱い回答が。


「全くよく解らねぇ罪にいきなり問われ、理不尽な目に()った同じ境遇の仲間達と共に、この国を変えるんだ!」


 ……うん。 王妃教育を受けていた身としては、ほぼ無理と断言できるけどね。


 国は綺麗事ばかりで回らない。 人間が沢山集まれば、嫌でも不幸は湧いて出るし、不幸を撒き散らす迷惑なのも出てくる。


 悪いことはいけないことと、言っても聞かない聞けない者だって出てくる。


 悪いことだと決めたスレスレを狙い、ギリギリ合法で悪どい真似をする者もいる。


 こんなのから受ける被害は、理不尽そのもの。


 完全に消せる? いえ、無理なのです。


 いくら対策しても、隙間をぬって出てくる。


 だから無理だと知ってる。



 でもこの国は変える事も、考えねばならんほどダメだ。 それだけは完全に同意します。


 アタシはここから離れられないから無理だけど、町や王都へ買い出しする者に集めてもらった噂話だけで、ダメだと確信できる。



 まずアタシの実家。 陛下が戻られてすぐ、爵位を返還して出奔(しゅっぽん)


 家人もろとも王都を去り、実家が取り仕切っていた国の重要部署が完全に麻痺。 今も完全に立ち直れていないらしい。


 ちなみにお父様を筆頭として、アタシにつけてた影の護衛を目印に、全員アタシを追ってここに合流。 なんかもう、国政は色々どうでも良くなったんだって。


 それでふもとの森に隠れ里、山に作業所等を造って、元気に活動中。



 その麻痺が方々で影響して、国政はガタガタ。


 せめて王都内だけでも……と始まったパズリカによる治療魔法での施しは、ひと月しない内に心ばかりのお礼を受け取り、料金発生。 次の年には高額化。


 施しだったのが、いつのまにやら金持ちだけの特権に。


 収益であのバカふたりはワガママ放題して、それでも足りなかったのか、国庫まで食い潰している。


 凄いのよ。 その愚痴を聞いたの、安酒を出す酒場だって。 そこで財務の責任者が酔って荒れてたって。


 それから酔い潰れて高価な身ぐるみ()がされて、路地裏へ放り出されたとか聞いたら、呆れしかないわよ。



 その国庫の補填(ほてん)に税が上がり続け、流通の鈍化。 流通が減れば経済も弱くなる。


 地方領主が国政麻痺に乗じて汚職も多発。 国内総崩れ。 国民ですら生きていけないと、冬の雪にまぎれて国外逃亡続発。


 権力の私物化で貴族をどうにかしようとするも、原因が国の模範(もはん)であるべき王太子なので、王族とて強く出られない。



 実家の影響力が凄い凄い。 実際顔を青くして陛下がお父様を止めたそうだけど「追放された娘を持つ貴族としての責任だ」とか言い捨てて御前(ごぜん)を退出したなんて、とても格好いい!




 はい、そんな訳でガタガタです。


 そんな情報を集めたり、アタシが魔法でやった事を人力のみでやっていた、似た境遇の人達と一緒に山で暮らしていました。


 それと8年間何をしていたかと問われれば、穴堀りと答えます。


 アタシの魔法でトンネルを掘ってました。


 え? 山にトンネルは掘れない? 団体用のはね。


 個人用なら問題無く。 魔力の消費量が違いますので。


 それで王都からの監視を避けるよう、中腹の隠れてひっそりした所に、山を貫通する小さいトンネルを。


 これで王都を逆監視できた。


 更に山中でとてつもなく巨大な貯水池も掘りました。 もちろん貯める水を、魔力で出したのもアタシ。


 これは総仕上げに使うのです。



 その総仕上げはいつするのか? 今ですよ?


「問題はいつ決壊するか、だな」


「ええ」


 川が(あふ)ないよう築く堤防に、小さい穴が空いただけで決壊する。 その話は知っていますので、王都へ流れ込むようあの貯水池に小さい穴をあけて避難。


 それで安全に見下ろせる位置まで来たって訳です。



 今日は寒さ厳しい吉日。


 山自体を防衛設備と見ているこの国は、山側へは外壁・城壁・結界等は申し訳程度しかありません。


 と言うか結界自体張っているのは、南側の街道方面だけと言う情けなさ。


 決壊した貯水池は山の巨石を巻き込んで、土石流となって王都へ襲いかかる。


 流れ込んだら壁や城もろとも壊して一頻(ひとしき)り暴れたのち、水がこの寒気で(こお)り、王都はまともに生きていけない世界へ。


 王都も含めた周辺へ避難を(うなが)す警告は、秋の内に噂と言う形で流しましたので、逃げなかった者は御愁傷様です。


 もう慈悲などくれてやる時間は終わり。




「さあ、崩壊寸前の国へ、最後のひと押しよ!!」


 自分のする事に心が負けぬよう、わざと芝居じみたセリフと大げさな動きでごまかす。


 …………。


 ………。


 ……。


 それから見守っていた、チョロチョロと出ていた水の勢いが、次第に強くなって行く。


「いよいよだな」


 ドウラム様に、後ろから抱きしめられる。


「はい」


 抱きしめてくれるその手に、アタシの手を添える。


 山の、貯水池に近い岩へヒビが入る。


「ここまで苦労したが、ようやく受けた理不尽を返せる」


 ドウラム様の力が強まる。


「はい」


 添える形から、握る形へ。


 この人は純粋すぎる。


 国を壊せば、次に建つ国は善良だと、もっと良くなると信じすぎている。


 壊してしまえば、そこからもっと不幸が溢れるなんて知らない。 考えもつかない。


 白い色そのままに、無垢なのだろう。


 ドウラム様の意気に応じた、他の方々も。


 それらをアタシは全力で守りたい。



 やがてヒビからも水が染みだし、噴き出す水柱は太くなる。


「ムスキア、君を愛している」


 足の方から大きい地響き。


「アタシもです」





 とてつもない水量により起きる轟音を背景として、アタシはドウラム様に(おとがい)を支えられた。

 後の話?


 ムスキアとドウラムは隠れ里で幸せになり、パズリカとシイテルは陛下達と共に土石流で崩れた城のガレキでつぶされ、流れ込んできた水でこおらされ、そのまま凍死。


 中枢が完全破壊された国など国ではなく、隣接した国から好き放題土地を切り取られ略奪され、旧王国の土地が他国から平定されるまで、いましばらく地獄の日々でした。



 ムスキア達は隠れ里でひそみ続け、ばれること無く生涯を終え、世代が進み人数の増えた里は落ち着いた世に散り、溶け込んで行った。


 それくらいですわな。



 余談としてドウラムと言う獣人が、理不尽な目に遭っていますが、それは人種差別ではないと添えます。


 極一部の頭おかしい国家を除き、世界的に差別意識はありません。


 ムスキアがドウラムへ、オンナの顔を見せていたとムスキア周辺が気付いたから。 婚約の話にも絡むし、どこかへ放逐しようとした結果。


 つまりドウラムが理不尽に苦しめられたのは、ムスキアと知り合ったから。



 名前の元ネタが気になる? 気にしたら負けです。


 気にしすぎて王の怒りに触れ、沢山のロボット兵から攻撃されても知りませんからね?

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