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卓球選手育成法

作者: 髙龍

僕は飽き性だった。

何か始めてもすぐにつまらなくなり投げだした。

両親は色々探してきては進めてくれたけれど長続きしなかった。

卓球もそんな中の一つだと思っていた。

他の人はラリーが続いていて楽しそうだけど僕はうまく返せずつまらなくて辞めようとしたら父親からもう少し続けて見ろと言われた。

翌日、自分より小さい子にボロボロに負けたつまらないはずなのになぜか悔しかった。

後で分かったことだけど普通はレベルの組み合わせはしないが父親が知り合いのコーチに無理に頼んだことだったらしい。

コーチに言われた。

「悔しい気持ちがあるなら鍛えてやると」

僕はその言葉に乗りコーチに渡されたラケットを使って練習をはじめた。

さっきまで使っていたラケットと違い当たってもボールが全然飛んでいかなかった。

今までの僕は手打ちと呼ばれるよくないスイングをしていたらしい。

腰を回して振るのがコツらしく中々うまくいかない僕に、引いた時に右足に体重が乗っていて振った時に左足に体重が乗っていれば成功だと教えてくれた。

身体全体を使ってコーチの真似をしてみる。

手取り足取り教えて貰いぎこちないが何とか形になり素振りを繰り返していく。

両親は卓球は続けられそうか聞いてきたがまだわからない

「コーチからはここを乗り越えたら楽しくなると言われた」と答えた。

父は昔話をするように自分も飽き性で色々試したがどれもすぐにうまくなって仲間外れになるかうまくできずに逃げ出して続かなかった。

祖父からは勉強だけはしろと言われ自分はそのおかげで成りあがったがお前には人生を楽しんでほしいと言われた。

僕は両親に向かって

「もう少しだけ頑張ってみる」と言った。

少しずつラリー練習で続けられるようになり楽しくなってきた。

コーチはセンスがいいと褒めてくれたのが嬉しかった。

ラケットを変えてそろそろブロックの練習をはじめようと言われた。

今まで使っていたラケットと違ってよく弾むラケットで台をオーバーしてしまう。

どうやら僕は無意識にラケットを前に押し出す癖があるらしい。

コーチからブロックのうまい子を見てみろと言われ観察をしてみる。

ラケットの角度で調整をしているらしく、コースも振り分けられていて美しいと思った。

足腰を固める為にウォーキングをはじめた。

中々うまくいかない僕にコーチがコツを教えてくれた。

足を速めに動かしてしっかり構える。

フォアもバック側も余裕があれば安定するようになると言われた。

角度はなんとなく調整できるようになってきた。

「君が最初にやっていたのは押しプッシュと言われる技能だ。」

決まれば強いが安定性に欠ける、当たる瞬間に少しラケットを持ち上げて見ろと言われた。

言われた通り持ち上げるように振ってみると綺麗な放物線を描き安定して台に収まるようになった。

「君は意識してなかったと思うがこれでフォアとブロック側でドライブ回転を使えるようになった。これで後はツッツキと言われる技能ができれば試合である程度戦えるようになる」

コーチがお手本を見せてくれ簡単そうに見えるがこれが難しい。

一生懸命前にでるけれどタイミングが中々合わない。

家に帰ってからも前に出るステップの練習を繰り返した。

久しぶりに熱くなっている、本気になれるものに出会えワクワクしている。

学校の授業で卓球があり順調に勝てていたのに変わった打ち方をする卓球部の子にボロボロに負けた。

当ててもネットに引っかかってばかりでボールがうまく飛ばなかった。

コーチに聞くと「こんな打ち方ではなかったか?」

と実演をしてくれてカットマンと呼ばれるタイプの選手だと教えてくれた。

どうしたらいいのか聞いたらまずはツッツキができるようになってからだと言われた。

下手にカット打ちを覚えようとすると今まで固めたフォームが崩れ良くないとのことだった。

返し方としては2種類あるがどちらがいいかは後で考えようと言われた。

授業で彼に敗けたのが悔しくて練習に熱が入っていたし集中して取り組むことができた。

程なくしてツッツキもできるようになり才能はあると言われた。

元々、運動神経はよかったし他のスポーツでの動きが生きているような気がする。

コーチは下回転の切れたボールを見本で軽々返して見せるが僕はうまく撃ち返せなかった。

下から上に持ち上げる感じらしいのだが感覚がうまくつかめない。

チャレンジはしてみるものの相変わらずネットに引っ掛けてばかりだ。

中々うまくいかない僕にコーチはカット打ちにしてみようと提案してくれた。

最初に使っていた弾まないラケットに変えてコーチの真似をしてみるが前にほとんど飛ばない。

右はツッツキの延長で遠くから飛ばすイメージで左はお腹のあたりで溜めて身体全体で飛ばすイメージだと言われた。

イメージをつかめるまでうまくいかなかったが少しずつ前に飛ぶようになった。

家では反復横飛びをしてみるといいと言われ実施しみるとボールへの反応速度が上がり安定して返せるようになった。

カット打ちが安定してきたころラケットを再び変えて練習を繰り返した。

最初は台をオーバーすることも多かったが繰り返している間にうまく調整できるようになってきた。

家では卓球の動画をよく見るようになり、中でもカットマンに憧れ強い選手の動画を中心にチェックするようになった。

卓球場では戦術の幅を広げる為に回り込みの練習をはじめた。

コーチからは基礎としてはこの辺が出来ていれば大丈夫だと太鼓判を押してくれた。

細かい技術は自分なりに習得して試合の中で試してみてほしいと言われた。

基礎を一通り学び終えた後は色々な人との対戦を中心にした練習に切り替わった。

様々な癖や小技を実戦の中で学び真似をして習得できるものもあればできない物もあった。

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