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面倒くさいなぁ

「「「ギャドが騎士を辞めたぁぁ!!!」」」


「え?ちょっと何それ意味分かんない」


「やりやがった!アイツ遂にあのブラックな宮廷相手に強硬手段に出やがった」


いや、皆気付いて。


どう考えてもこのタイミングでギャドが騎士を辞めるなんておかしいよ。ハイトだってまだ戻って来てないんだ。


余程の理由あるんだろうな。


「・・・・それで、しばらくはギャドの代わりを立てようという話になっています。それで・・・・」


おーと。見事に皆目を逸らしました。

まぁ勿論俺も?団長なんて死んでも御免被る!!


「と、思いまして有難くも次の団長が決まるまでの間、代理で業務を行って下さる方が見えております。どうぞ」


え?そんな優秀な人間この国にいましたっけ?

まぁ?一時的だからいいかぁ・・・。


「皆息災か?今日から騎士団長代理を務めるエルハドだ!皆よろしくな!」


よくなぃいいいいいい!!ぜんっぜん良くない!一体どこの世界に騎士団長の代わりに元皇帝陛下を連れて来る奴がいる!!あんたか?あんたなのか?ササラ様!!


「・・・・つまり。それ程の緊急事態なんですね?」


「そうだな?大義上ギャドを見つけ次第殺さなくてはならなくなった」


「「「な!!!」」」


それは、例えエルハド様でも聞き捨てなりませんね?

一体どうして、そんな状況になるんですかね?


「詳しい話はしない。これは、皇族内での揉め事だ。お前達に話すことは無い。ギャドに、その事を問いただす事も許さん」


「それは、勝手な言い分ですねぇ?事情も分からないのに我々がギャドを殺す命令を聞くと?」


この宿舎の騎士達って、ある意味皇族にとっては危険な存在だよな。だってさ、誰一人内心では皇族には仕えて無いんだ。エルハド様は分かってると思うんだけどな。


「それでも。黙って動け。誰にも真実を知られず、お前達は余計な詮索をぜず、私のいう通りに動け」


それは、黙ってギャドを殺せ・・・と、言う事ですかね?


はは。


それは無理な相談だ。


いくらエルハド様の命令でも、それは聞けないですね?

貴方、自分の強さ過信してませんか?

いくら貴方でも、俺達全員が本気で殺す気になれば、やれない事もないと思いますよ?試してみます?


「途中で何か気付いても、決して詮索するな。私がギャドを殺すと、周囲に思い込ませろ」


「・・・・・・・・・・・・は?」


「これを機にいい加減、鬱陶しいハエどもを一掃する。全く・・・人が折角揉め事が大きくならないようにと場を整えていたというのに、奴等はどうあってもレインハート家を引きずり降ろしたいらしい。この先こんな事にギャドを利用されては困る」


・・・・皆、目で合図してますね。これは、そうですか。


「いやー!俺達もさぁ?ギャドには散々仕事押し付けられて本当にうんざりしてたんだよなぁ?」


「そうそう。あの無茶振りで何度死にかけたか。あ、思い出したらムクムクと殺意が?」


「あ!ギャド見かけたら俺特攻していいっすか?」


おい。エルハド様、騙せって言ってたんですが?

お前らなんだその分かりやすい豹変ぶり。


「あと、ギャドはセラと逃げている」


・・・・・・ギャド。



お前、どんだけ追い詰められてんの?


あのギャドがそんな事するなんて天変地異の前触れじゃないでしょうかね?事の重大さがやっと実感出来ました。


「この中から数名、今すぐギャド達を追ってもらう。すでにギャドを手に入れたい奴等が追っ手を差し向けているが、あちらにはセラがいる。あの子はノゼスの才能を継いだ優秀な子だ。馬鹿どもには捕まえられない。あの二人はまだこの国から出ていない。その前に連れ戻す」


「・・・・それ以上は、聞くなと?」


・・・・・ギャド。お前は何を考えて逃げ出したんだ?

こんな事をしでかして、セラ嬢まで巻き込んで・・こんなの・・・・まさか・・・。


「俺が行きます」


「マッジン?」


「心当たりがいくつか・・・行ってみなければ分かりませんが」


面倒くさいなぁ。本当に面倒くさい。


早馬で駆けて行っても間に合うかなんて、わかんないじゃないですか。まぁ行きますけど。


「必ず生きたまま連れ戻して来ます。二人共」


無理心中とか・・・・・笑えねぇよ。ギャド。







「マッジン・・・な、んで。お前」


「あ!やっと来た。遅いからここじゃないのかと思った」


本当に良かったよ。先に着いて。

俺の馬頑張ったよね。褒めてあげて。俺、超褒め讃えた上、山程人参与えちゃいましたよ?たまにはいいでしょ?

そのお陰でめっちゃご機嫌俺の馬!


「なんだギャド。変な顔して。お前の婚約者を紹介しに来てくれたんだろう?」


「・・・・ペシュメル・・団長・・・」


「さぁ、こちらへ来いギャド!そちらの可愛いお嬢さんも・・・夕飯の支度が出来ている。皆んなで食べよう」


うん。


聞かない。何も聞かないですよ、エルハド様。


なんて顔してるのギャド。俺、お前のそんな顔初めてみたよ。なんで、俺の顔を見てそんな顔、するんだよ。俺はあれか?生き別れたお前の兄弟か何かだったっけ?


「何?俺、休暇貰ったから久し振りに来たんだけど?ギャドもそうなんじゃないの?」


「あ、ああ」


セラ嬢から離れようとしないね?

そっか。本当に余程の事が君の身に降りかかってるんだね?どうしようかなぁ。エルハド様は連れて帰って来いって言ってましたが。もう、国外に出しちゃおうかなぁ。


コツコツコツ。


「ギャド。俺にちゃんと顔を見せてくれ・・・全く、また何かやらかしたんだろう?」


あ、外いい景色ですね。

もう俺ここで暮らそうかなぁ。


そうしたら、のんびり暮らせそうですねぇ。


「ペシュ・・・・メル・・様・・」


「お帰りギャド。私の、息子よ」


俺達って、本当に強運の星の住人じゃないですかねぇ?

だってこの世界に生まれてペシュメル様に出会える確率って、どのくらいあるんですかねぇ?

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