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結果的に助かってます

なんで、こんな事になってるんだ。


「・・・と、言うわけで定期的にギャド様のお仕事の補佐に入ります。セラです」


っつーか最近気が付いたんだがこの子、グイグイ来るな!


よく注意して見てみたら毎日俺の周りにいるんだぜ?

俺、だんだん怖くなって来た・・・・。


そして遂に今日、俺の執務室まで乗り込んで来やがった。

コイツ、どうやって陛下を動かしたんだ?

明らかに謎の力が働いている・・・。


「手始めに期限が迫っている案件をこちらに分けておきました。こちらはそちらの書類が終わりましたら取り掛かる書類。こちらは、来月でも間に合います」


「あ、あの、なあ」


「とりあえず今日は、こちらを終わらせてしまいましょう。手分けして取り掛かります」


「・・・・あ、はい」


あ、いや。だってよ?

メガネをかけた先のセラの目つきがさ・・・仕事モードというか。つまり拒否を許さない雰囲気なんだよ。


と、とりあえず仕事を片付けちまって、さっさとお帰り願おう!と、俺は思ってた訳なんだが・・・・。


「ギャド様、ここの記入が間違っております。訂正して下さい」


「え?あ、悪ぃ。貸してくれ」


「あ、ここは私が記入しておきます。見積もりの計算ですよね?得意なので」


アレェ?セラとても優秀だぞ。寧ろ俺がショボすぎる。

仕事できない奴だって絶対思われてるぞコレ。


流石宰相の娘というか・・・・。頭がいいんだな。


「ふぅ。半分くらい終わりましたね。これならなんとか間に合いそうです。この辺りで今日は終わりましょう」


「え?でもまだ残ってるぞ?」


「こちらは明日でも間に合いますから。ギャド様ずっと執務を行うと仕事の効率が悪くなりますから、どうぞ他のお仕事に行って来て下さい」


なんだろう。確かにそうなんだが、なんだか違和感があるぞ?これは何だ?背筋がゾクゾクするような・・・・。




「マキシミリアン家のご令嬢が?それは狡いなギャド。あの子確か学院生の時かなり優秀だったみたいだよ?ギャドより仕事できるんじゃないか?」


出来る。もう半分以上の仕事がセラのお陰で終わっている。だが、俺は素直に喜べないんだ・・・だってよ?


すげぇ恥ずかしくないか?自分の仕事もまともにこなせないと思われてんだ絶対!!そりゃ体動かす方が性に合ってるけどよ!!


「なんだよ?不服そうだな?じゃあ僕に回してよ。助っ人なんて、そうそうつけて貰えないんだよ?ここケチなんだから」


そうなんだよ。ハッキリキッパリ断りたいのに勿体無くて断れないんだ!だって仕事出来ないのに、そんな偉そうな事言えるかぁ?セラ何故か、俺の得意不得意を把握してんだよ。それで、それに合わせて仕事を振り分けてくれるからすげぇ仕事しやすいんだ!セラが女じゃなくて男なら良かったのによぉ!口が裂けても、そんな事言えねぇけどな。


「ギャド様どうかされました?疲れましたか?」


「・・・え?わ!!」


近!!近いんだよ!その顔こっちに向けないでくれ!

心臓に悪い・・・・。


「もう終わりも近いです。無理せずに明日に回しましょうか?」


「・・・・セラ。ちゃんと話をしたいんだが?」


これは、駄目な気がするぞ。

このままズルズル付き合わせてたら彼女にも悪い。

俺は誰かと結婚するつもりは、ないんだ。


「はい。何でしょう?」


「あのな?正直セラがいると、とても助かるだけどな、俺はお前に返してやれるものがないんだよ」


きっとセラが俺と婚約したいのには訳があるはずだ。

それを聞き出さないことには、どうにもならないな。


「ギャド様は、何故私と婚約したくないのですか?」


・・・・・え?何故?それは俺が結婚する気がないからで。


「私が納得する理由を述べて下さいね?でなければ絶対に引き下がりません」


怖え。この子こんな小さいのに妙に迫力がないか?

眼鏡をかけてるから余計そう見える。えーと、えーと。


「つ、付き合ってる奴がいるんだ。最近、付き合い始めた奴が・・・・」


「・・・・本当ですか?それは」


「ほ、本当だ。だから、俺との婚約は諦めて欲しい」


嘘をつくのは気が引けるが、しょうがねぇ。

これ以上はお互い時間の無駄だからな!


「わかりました」


「ホッ。分かってくれたか?」


「はい。では、その方に会わせて下さい。会わせてくれたら私、ギャド様の事信じます」


なにぃ〜!!お、おまっ!マジか!そこまでするか?普通。


「まさかギャド様。口から出まかせを言った訳ではないですわよね?」


「ま、まさか!!嘘じゃねぇよ!」


嘘です!!うわぁやっちまった!どうする俺?

俺に協力してくれる女の知り合いなんていねぇぞ?

ん?いや、待てよ?いるじゃん!一人だけ!!


「会って納得したら諦めてくれるのか?」


「その話が本当に嘘で無ければ、考えます」


よぉっしゃあああああ!!!

やっと希望の光が見えてきたぜ!!


最近ずっとセラが側にいる生活で本当落ち着かなかったんだ!しまいには夢にまで出て来る始末でよ?これもうノイローゼ寸前だと思うんだわ!


「・・でも、もし、嘘だったら。ギャド様には嫌でも私の婚約者になってもらいます。相手を騙すのですから当然ですわよね」


「う、嘘じゃねぇから大丈夫だ。約束する」


ん?なんだ?なんで笑ってる?


「約束・・・・ですか。ギャド様の約束は当てになりませんから。心配です」


セラ結構失礼な奴だな?

俺は約束は守るぞ?・・・・・だが、偉いことになった。


とりあえずティファに土下座してでも彼女の振りをしてもらわねぇと・・・。絶対にバレる訳にはいかねぇ。


・・・・なんだか俺自分で自分の首締めてねぇか?


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