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この人私の事好きじゃないです?

私とした事が。

こんな所で捕まってしまうなんて。


「セラ様。どうか私のこの想いをお許し下さい」


「・・・・そう言われましても、私には立派な婚約者がおりますので、その想いに応える事は出来ません」


知ってますわよね?

もう宮廷中の人間が把握している事です。

それなのに、こんな所に引っ張り込んでこの男・・・後でお父様に言いつけてやりましょう。


「あのような野蛮な男との婚約など、すぐに解消出来るはず。セラ様程の方ならば・・・」


「ハッキリ口にしないと分からないのですか?私が求めているのは貴方ではないと言っているのです。これ以上お話する事はございません」


「・・・セラ様はああいう野蛮な男が好みなんですね?貴方がお望みなら私も貴方の好みに合わせて差し上げましょうか?」


「痛!!な、何を!」


触らないで腹の立つ!

ギャド様以外に触られたくありません!!汚らわしい!!


「何をなさっているのです?こんな所で」


「え?あ、いえ、これは・・・・」


ハッ!あの凛としたお姿は!!

ア、アイラ様ぁああ!素晴らしいタイミングですわ!

本当に素敵!そして相変わらず可愛らしいです!!


「セラ様は婚約者の居る身。軽々しく婚約者以外の方と二人っきりになるなど関心致しませんわね?以後お気を付け下さい」


「失礼致しました。では、私はこれで・・・」


二度と私の前に現れないで下さいませ!

アイラ様〜!


「・・・アイラ様、助けて頂きありがとうございます」


「手首、大丈夫ですの?大変、赤くなってますわ。医務室に行きましょう」


「い、いえ。そんな大袈裟な・・・」


「私も付き添いますわ。手当したら、もう今日はお帰り下さいませ」


そうですわね。

少しギャド様のお顔拝見してからと思っていましたが、やめた方が良さそうです。


ガチャン


「お?セラとアイラ嬢じゃねぇか。どうした?怪我か?」


ええええええ?ぎゃ、ギャドさま?な、何故ここに?

あ、お顔見れました。


「ギャド様?何故医務室に?」


「ベロニカを待ってんだよ。今日はフィクス付き添えなかったからな。それで?どっちが怪我したんだ?」


だから執務室にいなかったのですね?

遂にギャド様のスケジュールを私が把握している事がバレて逃げられたかと思いましたが、安心しました。うふふ。

あ、アイラ様行かれるのですね?


「あ、アイラ様!有難うございました!」


「構わなくってよ?ギャド様、宮廷も充分危険ですのでセラ様にも護衛が必要ですわよ?」


「なに?一体何があった?」


「ちょっ!!アイラ様!!」


余計な事言わないで下さいませー!!これがきっかけで来るなとか言われてしまったらどうするのですかー!


「・・・・あ、あの。ギャド様」


「で?誰に絡まれた?」


う、ううう。あまりこういう事は知られたくないのですが、ギャド様もこの前ティファ様の事、正直に話して下さりましたし、ここは正直に。


「お父様の下で働く政務官ですわ。すみません、隙を突かれて死角に連れ込まれてしまいまして。アイラ様に助けて頂いたのです」


「手首、そいつにやられたのか?」


う。そんな怖い顔なさらないで。せっかく会えたのに。


「おい、セ・・・うぃ?」


こう、こうやって口元を上に上げて下さいませ!そう!


「・・・・おい。なんなんだよ一体!」


「せっかく会えたのですから笑って下さいませ!最近は中々お時間作れないんですから、偶に会う時ぐらい楽しそうにして下さい!」


ギャド様?呆れてます?キョトンとしておりますが?


「ぶふ!?」


「え?」


「いや、悪い。お前案外強いよな?肝が座ってるっていうか」


え?どういう事でしょう?褒められてるんでしょうか?


「全然か弱くない」


褒められてません!!これは褒め言葉じゃありません!!


「ギャド様?!何ですそれ!私が女らしくないとでも?」


「違う違う。芯がしっかりしてるって事だよ。褒めてる」


本当でしょうか?疑わしいです。・・・あれ?でも、それってギャド様の好みに少しは近付けたという事でしょうか?それって・・・。


「じゃあ、少しは私の事好きになりましたか?」


ガン!ガラガラガシャン!!


「わっ!と・・いけね、落としちまった・・・」


もう。いい所だったのに。ギャド様結構そそっかしい・・・・。


「・・・・・・・・」


ギャド様、真っ赤なんですが。


・・・・え?なんて顔なさってるんでしょう。

もしかして照れてらっしゃるんですか?

・・・・・・・。


あの。少し前から気になっていたのですけれど、ギャド様実はもう私の事好きになっているのではないでしょうか?


だって。


応接間のキスをきっかけに隙を見て私にその・・ごにょごにょ。それに、手を繋いだり抱き寄せたりプレゼントもくれるようになりましたし、何より。ギャド様の私を見る目が・・・その・・・。


「もしかして、私はお邪魔だったかしら?」


「うえ!!」


「きゃ!べ、ベロニカ様!?」


大変!そういえばギャド様ベロニカ様を待っていたのでしたわ!!って・・・ベロニカ様、顔色がとても悪い。


「処置は終わったのですよね?でも、顔色が・・・」


「・・・・そうね。今日は少し疲れてるみたい。帰って横になるわ」


「・・・・ギャド様・・・」


私、そんな大人気なくないです。

気になさらないでお願いします。


「え?きゃ!!ちょっと!!」


「暴れんな。歩くな。黙って大人しく休んでろ。セラも一緒に帰るぞ。宿舎寄ってくか?」


「はい!ゴルドにも久し振りに会いたいですし」


「そうだな。だけどな、抱っこは許さねえぞ!」


・・・・・・ギャド様。やっぱり私の事好きですよね?

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