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もぅ実は勝負はついているんです

「あれ?セラ嬢?もう体は大丈夫なのか?」


ギクッ。


な、セラ?何でここに。

釘刺したのに一人で来たのか?


「はい!あの、ギャド様いらっしゃいます?」


「セラ!お前一人で来たのか?大丈夫か?」


「はい。もうスッカリ良くなりました。ティファ様にお礼を伝えたくて、ティファ様お加減いかがです?」


「ああ、ハイトが軟禁してる」


「あーー。そうですのね?」


顔色も良くなってすっかり元気そうでだけどよ。

・・・・一人で出歩かないでくれって言ったはずなんだがな?無視かコラ?


「今、丁度アイラ嬢も見舞いに来てるから会ってこいよ」


「はい!あの、ギャド様は・・・・」


「今日は急ぎの用事はないからな、待ってる」


もしかしてセラ、それが狙いか?

あれ以来会ってねぇもんな。うん・・・・絶対そうだな!

どうするかな?俺。後の事、考えてなかったわ。


あの事件の後、ラットからあの石を持ち込んだ輩がいると分かって、今そいつの出所を調べているんだが。


行商人を名乗っていたらしいからな。身元を突き止めるのに時間がかかる。一応各領土や町にはあの石を見かけたら触らず報せるよう呼びかけてはいるが、相手の目的がはっきりしないからな・・・・。それに、ササラは未だに目覚めていない。


「・・・・・・ハァ」


いや。溜息なんかついてもしょうがねえんだけどよ。

情けねえ。俺、何やってんだよ。


あれからデズロ様はササラの部屋から出てこない。

最初あの部屋に足を踏み入れたのはエルハド様ただ一人。


・・・・・・・おかしい。どう考えても。

何故そんな事を?何か外に知られてはマズイ事があるのか・・・・もしくは敵が宮廷内に、潜んでいる?


「・・・・・プキュ」


「ん?あれ?お前一人か?セラはどうしたんだよ」


この生き物は、話によると竜の子供らしい。

こんなに小さいのにあの空間の中でよく生き残ったもんだな?


「何だよ。膝に乗るか?」


「・・・・・・・キュブシ」


「・・・・・・・」


今コイツ、思いっきりそっぽ向きやがったな?

普段はセラの胸に顔を埋めて幸せそうに顔擦り付けてる癖によ?羨まし・・・・・くねぇぞ!コラ!!


何言わせんだ!!


「お待たせしましたギャド様。ティファ様、元気そうで良かったです」


「そうか。じゃあ送って行く」


「ゴルド様行きましょう」


「キュプ!」


いや、待て。

なんか今イラッときた。俺は許さんぞ?


「ギャド様?」


「偶には俺が連れて行く。セラも病み上がりだからな」


「あ、ありがとうございます。確かにちょっと重たいですものね?」


「きゃぴーーーーん」


なんだよ?不満なのかコラ。俺の筋肉も中々だぞ?

とくと堪能していきやがれ。


「ゴルドって・・・コイツの名前か?」


「あ、はい!ティファ様がつけて下さって。ティファ様にはゴルドが中年紳士に見えているらしいのですが・・・・意味がよくわからなくて・・・・」


俺もわからねぇが、今回ばかりはティファの意見を採用するぞ。お前はエロ紳士に違いない。いや、そうだ。

可愛い獣の面を被ってセラの胸を堪能してんじゃねぇぞコラ。


「ギャド様?どうしました?そんな顔でゴルドを見て」


「いや?紳士なら紳士らしい振る舞いを、と思ってな?ゴルド様?」


「ギャピッ!」


ケッ!って顔したな?絶対そんな態度だったな?

お前はあれだ、紳士ですらねぇよ。ただの中年変態親父確定だ!二度とセラに近づくんじゃねぇぞ。


「ふふ。ギャド様もティファ様と同じ事仰るのですね?おかしいです」


・・・・ハッ!しまった。今思わず笑った顔に見惚れてしまった!だ、駄目だ駄目だ。俺は、セラの気持ちには・・・・・。


「ギャド様。手、繋いでもいいですか?もし、何か言われたら、まだ調子が良くないと言って頂ければ・・・その」


「・・・・婚約者なんだ。別に手ぐらい繋いだっていいだろ?」


可愛いい。

なんなんだこの小動物。

あ、いやゴルドの事じゃねぇよ?

セラがさ、久し振りに会うからか分からんが、もう、愛らし過ぎると思うんだ。俺は、最近ハイトの気持ちが理解出来る様になったぞ。これは、目が離せない。


「・・・・セラ。この前のお詫びに何か買ってやる。何か欲しいものあるか?」


「・・・・・え!!」


あ。駄目だな俺。今セラになら何でも買ってやると思う。


明らかに動揺した後、凄え喜んだよな?

こんな事ならもっと早く何かやれば良かったぜ。


「あ、あの。じゃあ・・・ネックレスを」


へぇ?そういや異空間の中で目印にする為に引きちぎったんだっけか?いいぜ?何でも好きなの買ってやる!


しかし、アクセサリーの店なんて久し振りに来たが、ここ庶民向けの店だぞ?宝石店に行くんじゃねぇのか?


「わぁ!可愛い・・・・」


お前がな!!

そしてゴルド。さっきから物言いたげな目で見てくるんじゃねぇよ!思ってても口には出さねぇからな!


「付けてみろよ。どれがいい?」


「この、お花か月の形どちらかで迷ってます」


ふーん?俺はこういうのは詳しくねぇが。

どっちも似合うと思うぞ?


「じゃあ二つ買ってやるよ」


「いえ。一つで充分です。その方が特別感がでます」


そうなのか?そんなもんか、分かんねえなぁ。


「ギャド様どちらがいいと思いますか?」


「俺か?俺は・・・・」


セラが身につける物・・・か。


「こっちの花のやつだな。これが似合うと思うぞ」


「じゃあこちらにします!」


気付くなよ。

はめられてる石がそれとなく俺の瞳の色と同じだとかは。

ほんのり頬染めてるからバレてる可能性があるけども。


あと、ゴルドその目やめろって言ってんだろ!


「ありがとうございますギャド様。大事に使わせて頂きます」


お願いだからよ、疑問を口にしないで欲しい。セラ。頼む。

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