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正直かなり堪えてます

何で、何でこんな事に・・・・。


「セラ!ベロニカ!!」


セラ!なんて顔色だ。クソ!!

でも、ちゃんと息はしてるし、怪我もねぇ。

ーーーーベロニカ!ありがとな!


「大丈夫か?ササラとティファは?」


「私はすぐ戻るわ!中にとんでもない奴がいて、ティファでも勝てるかわからない!」


「駄目だベロニカ。君も大分ダメージを受けてる」


ティファ、ササラ・・・・。

最悪だ。今すぐ飛び込んで行きてぇよ。でも・・・。


「ハイト!!デズロ様も駄目だ!中に入るな!」


「煩いよ、何一丁前に脳みそ使ってるの?ギャドは脳筋らしく思うまま行動しなよ?」


「そうだよー?今更団長ぶっても無駄無駄ぁ」


ササラがこんな事してまで足止めしたのに、俺が許したら全てが無駄になっちまう。

どうしたら、どうしたらいい?


「俺だって今すぐ飛び込んで行きてぇのを必死で我慢してんだ!!ふざけんなよ!!」


ピシッ


な!空間が割れた?あれは!!

ティファと・・・・・・ササラ!!


ドサドサッ!


「ティファ!!ササラ様!?」


「げぇ?この傷。コイツらゼラゴラズと遭遇したのかよ」


・・・・・おい。冗談はよせよ。・・・ササラ?

それに、ティファも・・・なんて怪我だ・・・。


「急いで回復魔法を!ササラ様は決して動かすな!!そっちの女性も急げ!!手が空いてる者は全員こちらに手を貸してくれ!!」


「・・・・・・ササラ」


ーーーーーー行かせるべきじゃなかった。


いくら緊急時とはいえティファはもう、一般人なのに。

女にあんな傷負わせるなんてよ。


「ティファ!目を開けて!ティファ!!」


「ハイト、落ち着け」


「この子は大丈夫です。怪我は酷いですが、命に別状は・・・ただ、ササラ様は・・・・」


ササラ、お前。何となく予想がついてたんだな?

多分あの中では、魔法使えなかったんだろ?

じゃなきゃお前が簡単にやられるわけねぇよ。


「何?まさか、助からないとか言わないよね?」


悪い・・・デズロ様。全部俺の所為だ。

俺の想像力が足りなかった。こうなった時真っ先に傷つくのは・・・・この人なのによ。


「ち、血が、流れ過ぎています。傷を塞いでも心臓が保つかわからないのです」


「・・・・・他人の血を与える事は出来ないの?」


「特殊な魔術で移す方法はありますが、私には出来ません。最上位の医療魔術師でないと。デズロ様は回復魔法を使えませんよね?」


「・・・その、魔術の方式は分かるの?今すぐ僕に教えて?回復魔法を使えないなんて僕言った?魔法の構築が面倒だから使わなかっただけだよ。僕の性格に合わないの。治すより壊す方が向いてるから」


いや、この人回復魔法なんてまともに使えないんだ。自分の体質に合わない魔法は使おうとすると負荷がかかる。


「手を離せないので口頭で良ければ。一度で覚えられますか?」


「アハ?僕最強魔術師なんだけど?当たり前でしょ?」


「え?マジで?すげぇじゃんデズロ!ただの変態じゃなかったんだなぁ?」


「手は止めないでよ。君ほどの使い手なら回復魔法を施しながら魔術の公式を口にするなんて容易いでしょ?医療長官殿?」


それでもやる。この人はササラを助ける為なら何だってやるんだ。分かってる。俺も、ササラの側でこの人を見てきたから・・・・・くそ!


「・・・・・プキュ?」


「え?何これ?まさか中の魔物?」


「いや、魔物にしては、可愛くないか?」


「・・・・・その子、命の、恩人ですぅ」


ティファ!!良かった。ティファは何とかなりそうだ。

ハイト・・・・。すまん。


「ティファ!良かった、僕が分かる?」


「はい。ぞくちょう・・・わたし、れいせいに・・・」


「ティファ?」


「強い瘴気に当てられて怪我も酷い。今はあまり話しかけないで下さい」


俺は、どうすりゃいいんだ。

こんな所で突っ立って。俺は一体。


「成る程ね。ギャド!僕の首輪解除して」


「・・・失礼します」


ドゴオオオオオ!!


「うわ!ギャド!?」


なんだよ、その軽い拳。

こんなんじゃなんの罰にもなんねぇぞ。


「今回はコレで許してあげるよ。僕は自分のものを傷付けられるのが死ぬ程我慢ならないんだ。覚えておいて」


「・・・素手で殴るなよ。あんたが怪我する」


「馬鹿だね?魔法で攻撃なんてしたら死んじゃうだろ?ギャド、人の話ちゃんと聞いてた?」


あんたの大切な物の中に俺を入れるんじゃねぇよ!!

俺は、そんな資格なんてねぇんだからな!!


「ササラ。元気になったらお仕置きだからね?」


チキショウ!どチキショウが!!!





「・・・・・ギャド。ティファの怪我は全部塞がったみたい。後は吸い込んだ瘴気が完全に抜けるまで待つしかないってさ」


「・・・・・・そうか」


「・・・・それ。冷やしたら?面白いぐらい腫れてる」


笑うな。笑うなよハイト。お前内心では笑ってねぇだろ。


怪我が塞がったって目が醒めるまで不安でしょうがないだろ?俺の軽率な行動の所為でこんな事になった。


俺が変な意地なんか張らずセラに普通に花でも宝石でも贈ることが出来る人間だったなら。あんな石、セラに渡さなければ・・・・・。


「ギャド、勘違いしてない?ギャドはちゃんとやるべき手順を踏んで行動した。あれは、誰にも想定出来なかった事だよ。君団長でしょ?なら次にやるべき事を考えて」


「・・・ハイト」


「止めてくれて、ありがとうギャド。多分あの時、僕が中に入ったらティファは死んでいたかもしれないから」


お礼なんて言うんじゃねぇよ!

本当に・・・こいつら・・・・。


「とにかく調べるのは他の奴等に任せる。僕はしばらくティファに付いてるよ。だから、ギャドもセラ嬢の側にいるようにね。目が覚めた時必ず側にいてあげて。言ってる意味、分かるよね?」


「・・・・分かったよ。副団長殿」


俺をそうやって、救い上げるんじゃねぇよ。


甘やかすとすくすく育ち過ぎて今以上に大きくなっちまうだろうが。俺は今、半分くらい身長が低くなりたい気分なんだよ。どチキショウが。・・・・・ありがとな!!

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