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小さき花と戸惑う男

ゆっくり更新予定


短期連載の予定です。

挿絵(By みてみん)


「ギャド。お前一体何をしたんだ?」


は?俺が聞きてぇよ。

何でこんな事になってしまったのか詳細に教えて貰いたいんだけどな?


「何故マキシミリアン家の婚約の申し出がジェラルドではなくお前に・・・・」


おう!俺はギャド。

ギャド・マッカローニだ。もうすぐ22歳になる。

サウジスカル帝国で騎士団長とかいうのを務めてる。

まぁ一応これでもこの国屈指の騎士団を纏めてるんだぜ?


因みに俺の実家はいわゆる貴族とか呼ばれる奴で分かりやすく言えばまぁ・・・公爵家にあたるんだが、それもまぁ色々あって今や風前の灯ってヤツらしい。


諦めの悪い俺の両親はそれをなんとか阻止したいらしいが、陛下と最強魔術師デズロ様相手じゃ太刀打ち出来ないだろうな?俺も勿論、あんたら妨害するつもりだからな?


「それはこっちのセリフだぜ。当然ちゃんと断ったんだろうな?親父殿」


「馬鹿かお前は!!マキシミリアン家からの縁談話を断れると思ってるのか?それに、これは、またとないチャンスなんだぞ!!」


お前らがな?俺は全くそのつもりはないぞ?

分かってるからそんな顔してんだろうが。


しかし。面倒な事になった。

なんでよりにもよってマキシミリアン・・・・。

確かあそこの娘は17歳くらいだったか?俺とよりジェラルドと婚約した方が年齢的にも丁度いい。だが、宰相のおっちゃんも馬鹿じゃねぇからな。何か考えがあるのか。


とにかく一度真意を確かめる為に会いに行くか。

ただでさえ仕事で忙しいのに、これで益々宿舎に立ち寄れなくなるじゃねぇか。ああーティファのご飯が食べたいぜ。


ん?何だそれ?ああ、俺達騎士団には、首都のサンチコアに宿舎が用意されてんだが、基本騎士はそこで生活する事になっている。

変事でも直ぐに動けるようにする為だ。


その宿舎には住み込みの料理人がいるんだけどな?

その子の作る料理がとんでもなく美味いんだよ。

その子の名前はティファ・マスカーシャ。


一度食べたら他の飯は食べられなくなるくらい、彼女の料理は美味いんだぜ?


しかも美人。正直に白状する。モロ俺のタイプの顔だ。

ただ、その中身は、かなり変わっている。


ティファから女らしさを感じるかと言われれば・・・・ノーコメントで頼む・・・・・。


「良く来てくれた。突然の申し出で悪いな」


「俺は、そんな事より理由を知りたいんだが?」


「それは悪いが本人に聞いてくれ。私からは言えない」


ん?何だそれ。

もしかしておっちゃんが決めたんじゃないのか?


「セラが、お前を婚約者に、と言ったんだ。この婚約は強制じゃない。本人同士でちゃんと話して決めてくれ」


いや、全然意味がわからねえ。

俺、あんたの娘と会った事も話した事もねぇんだけど?

一体どうして俺を指名した?もしかして、そのセラもティファ並みに変わってる人物なのか?


「あそこに居るのが私の娘のセラだ。私は一旦離れるから挨拶を済ませておいてくれないか?」


はぁ?おいおいマジか!本当初対面なんだけどな?

ハァーーー俺、女苦手なんだけどなぁ。


・・・・それにしても近づいて行けば行くほど、とても小さく見えるんだが・・・・え?子供じゃないよな?確か17歳って・・・・。


「・・・・・あ」


ちょっ・・・・と、まて?おい?本当に17歳だよな?嘘ついてねぇよな?今振り向いた女の子・・・何処からどう見ても11・・・いや、12歳くらいにしか見えない。


俺と並んだら大人と子供なのでは?


「今回は突然のお申し出申し訳ありませんでした」


あ、でも話し方は年相応だな、それに、その・・・体は小さいし、顔はかなり幼いが・・・体つきは・・いや、なんでもない。


「サウジスカル騎士長のギャドだ」


「セラです。あの、ギャド様・・・・」


「早速で悪いんだが、俺は誰とも結婚するつもりはないんだ。宰相のおっちゃんに言われて今日は来たが、この婚約が成立する事はないから、安心してくれ」


取り敢えず最初に結論を伝えておかねぇとな?

何でこんな事言い出したのか分からないが、きっとそれなりの事情があるはずだ。それを聞いて・・・・。


「・・・・酷い・・・・どうして、そんな・・・」


・・・・・・・え?ちょっ、ちょっと待て?


「そんなに・・・私の事お嫌いでしたか?会って直ぐ話をお断りになられる程?」


待て待て待て待て!!頼むから泣かないでくれ!


「ヒック・・・わたし・・・ずっと・・おあいできるの・・たのしみにぃ・・・・ふぅ」


ぎゃあああああああああああ!!

俺、本当に女に泣かれるの大の苦手なんだ!!特にセラみたいなか弱そうなちんまい奴にぴーぴー泣かれるのが!!


「わ、悪い・・・・俺、帰るわ」


「え!あ、ギャド様、待って!!」


ガシ!!


うお!こいつ、いきなり背後から飛びかかって来んな!

咄嗟に腕ねじり上げちゃっただろ!わっわっ!!


「あぅ!!」


「い!わ、悪い!!セラ嬢!!大丈夫か?」


バシーン!!

いでえ!なんだ!いきなり人の腕に棒を振り下ろしてきた奴は!!俺じゃなきゃ怪我してるぞ?


「貴様!!私の姉に何をしている!!無礼者!!」


「ん?子供?」


「マルク!!ち、違います!!誤解です!!」


あ、そういえばこの家には息子も居たな。

こいつセラの弟か?


「何を言っているのですか!女性の腕を力任せにねじ上げるなど!!礼儀のなっていない奴め!」


あ、そうだな。それには俺も同意する。

俺はやっぱこういうのは向いてない。


「いいのです!!この方は私の旦那様になるお方なのですよ!失礼な発言はおやめなさい」


「「え!!」」


な、何を勝手に!!

俺はさっき、ちゃんと断っただろうが!!


「え?まさか・・・こいつ・・いや、この人が騎士団長の?」


「そうです。貴方の兄になる方なのですから、仲良くして下さいね?」


だからーーー!!勝手に、話を、進めんなぁーーー!!

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