8.生徒会のメンバー
生徒会の役割を説明しよう。
生徒会長は言わずもがな、シュトゥルムである。
代々、学院の生徒会長は王族がいる場合はそれが務める習わしとなっている。
人の上に立つものとしての練習であろう。
副会長は3年のかぐやではなく、2年のトラム。
彼のサポート力はすごく、副会長としてとても優秀なのだ。
今いれてくれている紅茶もすごくいい匂いがする。楽しみ。
綺麗好きで知られるアッシュは美化委員、
かぐやは風紀委員、
デルフィは美声を活かして放送委員をしている。
最後に私は書記だ。
生徒会長が王族と決まっているように、
ほかの役員も決まりがある。
王族のもの。
月光教のもの。
他国からの留学生。
そして三大貴族である、エアーツェレン家、ハイルング家、グラース家。
高等部に居る限り、このメンバーが選ばれるのが決まりである。
もちろん、居ないことの方が多いため、どの生徒も生徒会役員になることが出来る方が多い。
ここまで全員揃うのは珍しいとよく言われたものだ。
「お茶が入りましたよ。」
と、トラムの声がかかった。
その声を合図にデルフィがヘンゼルのくれた籠の蓋を開ける。
中身はジャムクッキーであった。
美味しそうなクッキーの真ん中に、宝石のように様々な色のジャムが輝いている。
全員でひとつずつ持ち、同時に口に運ぶ。
と、途端に綻ぶような笑顔が溢れた。
ヘクセンハオス家のお菓子は人を笑顔にする。
そう確信する味である。
これがまたトラムの紅茶と合うこと。
「完全なる癒し空間の完成ですね……」
うっとりしながら言うと、恥ずかしそうに笑ったトラムが
「恐縮です。」
と言った。
「うっ、うまふぎる……」
なんでこの隣の金髪男は泣いているのだろうか。
後でヘンゼルに伝えておこう。
ある程度クッキーと紅茶を楽しみ、のんびりしていると、シュトゥルムが立ち上がった。
「では、いつものやっておくか!」