7.生徒会役員共
7限目の終わりチャイムが鳴り響く。
学院も前世の学校と同じく、放課後は寄り道や部活、委員会に費やされる。
ヘンゼルとグレーテルはすぐに我が校の調理室兼研究室に行き、喫茶のための研究や視察をする毎日である。意識高い。
私はと言うと、先の話でも出てきている生徒会の役員なので、同じく役員のアッシュとデルフィと4階にある生徒会室に向かう毎日だ。
今日はヘンゼルからの差し入れもあるため少し浮き足立っている。
隣にいる男達なんか浮きすぎて飛んでいくのではないだろうか。
かえってこい。
「失礼します。メリー、アッシュ、デルフィ入ります。」
ノックをして、挨拶をしながら生徒会室に入る。
部屋には既に3人の男が入っていた。
「待っていたぞ3人とも!」
勢いよく迎えてくれたのは生徒会長のシュトゥルム・S・アプフェル。
色白美肌に黒髪が艷めくイケメンである。
アッシュ同様、動物と話せるメルヘン男であり、
林檎に目がない。
いつも近くにお付の人が7人いるこの国の王太子様である。
彼の父である国王は、この国では珍しい魔法使いとして有名だ。
私の(メリー)も可愛がってもらっている。
後日みなさんには紹介しよう。
「あら、素敵な籠を持っていますねぇ。」
メリーが持っているお菓子入りの籠を見てそういったのは、これまた黒髪の男であった。目まで黒い。
かぐや・月宮である。
この国唯一の宗教である月光教の教皇の息子だ。
骨董や珍しいものが大好きで、彼のファンクラブの会員は常にそういうものを探しているらしい。
そんな彼は月と交信が出来るらしく、占いが大得意。
ただとてつもなく不思議ちゃんのため、一線惹かれやすい人である。
「ヘンゼル様のお菓子でしょうか。お茶を入れますね。」
そして最後にこの人、トラム・B・ハイルング。
この人も黒髪だ。前髪の黒から覗く金の眼が美しい男である。
娯楽や癒しを生業とするハイルング家の子息であり、彼の雰囲気や行動は癒されることが多い。
先程中庭で寝ていたのはトラムである。
彼自体も癒しグッズが大好きでよく使いながら寝ているところを目撃される。
シュトゥルムとかぐやは3年生、トラムは2年生である。
この生徒会は、2年と3年のみで構成されているのだ。