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4.お菓子の家のお友達

このお話は素敵なデザートが出てきます。

お腹すいてる時に想像しないでください。

ヘクセンハオス家。

私の中等部からの親友の家である。

エアーツェレン家程ではないが強い貴族であり、

その専門は製菓。

子供や女性から絶大な支持を受ける貴族である。


今日は早朝からヘクセンハオス家の所有する

喫茶のひとつにやってきている。


ヘクセンハオス家は家族みんな必ずひとつ以上喫茶を所持しており、ここは同級生の双子が特に力を入れている喫茶である。


平民から貴族まで子供たちに圧倒的に支持されるこの店の名前は「お菓子の家」。

ヘンゼルとグレーテルの店である。


「おはようメリー!朝早くから来てくれてありがとう〜」

そう言って勢いよく店内に滑り込んできたのは双子の弟、グレーテルだ。

「おはようグレーテル。モーニングの時間なんて忙しいんじゃないの?私来て大丈夫?」

「問題ないよ〜!モーニングは基本平民のみんなが多い時間だから、貴族用の個室はあまり使われないしね!」


ヘクセンハオス家の喫茶は利用者の幅が広いため、

両用のオープンスペースと、貴族用の個室の用意がされる。

お菓子の家も例外ではない。


メリー個人的には別にオープンスペースでもいいのだが、

空いているというのなら個室でも問題は無い。


「でもスタッフさんが忙しそうよ?」

「いや、メリーにサービスするのはスタッフのみんなじゃなくてうちのオーナーだから。」

ニコニコするグレーテルの後ろにある扉が開いた。


「そういうこと〜」

ゆるゆると登場したのはグレーテルの姉であり、お菓子の家のオーナーの1人、ヘンゼルであった。


「おはようメリー。新作用意したから感想聞かせて〜」

ゆるゆるのヘンゼルと、元気ハツラツのグレーテル。

2人の最大の共通点は圧倒的センスのあるお菓子作り。

新作を作る度に私に感想を求める。

異世界で生きてきた私の意見は、少し斬新で面白いらしい。


(友達とのカフェ巡りが生きる瞬間……)



「「ていうかただ休暇中に会えなかったから早くメリーに会いたかっただけ」」


2人が声を揃えて言う。

お菓子より甘いふたりが私は大好きなのだ。


「さっ、早く食べて〜」

「今度のヘンゼルの新作凄いんだよ!」


出てきたのは少し奇抜なデザートだった。

白いパンナコッタのようなものにアイスが乗っており、チョコレートが刺さっている。

同じく茶色のソースの海に浸かっている状態だ。


「初めて見る形ね……」

「アイスとパンナコッタ、ソース、出来ればチョコも一緒に食べて〜」


ヘンゼルに言われたように全てをスプーンに乗せて口に運ぶ。

入れた瞬間、自分の目が輝いたのがわかった。

この2人のお菓子が美味しくないわけないのだ。


「これ……ティラミス……!?」

「正解〜」

「チーズベースのパンナコッタに、ミルクジェラート、ソースはコーヒーベースだから、全部合わせるとティラミスと同じ味になるの!」

グレーテルが得意気にいいながら紅茶を用意してくれる。


「すごく美味しいわ!……あっ、これにクランブル(クッキーを砕いたようなもの)をかけてみたら?」

「メリー天才。採用。」


無事にアドバイスを終えた私はティラミス(?)を心ゆくまで楽しみ、同じくアレンジをされたティラミスを食べ終えた2人とともに学院へ向かった。

この話に出てきたティラミスは、私の職場で

出されていたものを元にしています。

めちゃくちゃ美味しかったです。


ちなみにヘクセンハオスは、

ドイツ語でお菓子の家という意味です。

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