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0-1話 始まりの前夜
大陸の中部に位置する国
ローレンス王国
海にこそ面してはいないが国の中央部には国土の三割近くを占める広大な湖を有しており、その湖と連なる川を利用しての交易で近隣諸国との関係を保ち続けてきた歴史ある国だ。
決して大きいとは呼べない国だが、近年生活の根幹を支える鉱石の巨大な鉱脈が発見された事から経済的に潤い国民は豊かな生活を送っている。
軍事力もさほど大きくはないが、賢王と呼ばれるローレンス・ヴァン・スコフォード国王の優れた政治術と鉱石を主とした交易により、強い発言力を持つ。
―――ローレンス王国王宮(玉座の間)―――
国王スコフォードはこの日、人生において一大決心を決めていた
「息子をここへ」
その決心を告げるため家臣にそう告げた。




