第四章:恋って?
「ア・イーー!!!」「んー?」「アイ!あのねぇ、さっきね木野がね!『ooだから』って言ったんだよぉ!!」「へー、そーなの?」「それで……。」
“うるせー”って叫びたい……。つーか「木野くん」がかわいそうだろ!!おい!!
声にならない叫びだ。いらつくなぁ……。あの2人の会話は……。そういやアイは初登場だ……。 …あ……。羽衣にお礼、言わなきゃ……。でも……。やめた。どーせあいつの『親友』にひやかされるだけだ。言わないのが身のため……。…うーん、ちょっと罪悪感……。「お?ゆうくんやっほー」羽衣に見つかった。ちいさく手を振る。「らぶらぶぅ」『親友』はくすくすわらう。ほらみろ。男子と女子が話せば、なにかしらひやかされるに決まってる。「お、おーす」手を振られたからにはふりかえさねば……。「あ、次の授業、家庭科だ!!アイ、じゃぁね!!」羽衣は手を振り走ってゆく。
あぁ……。運の悪いことに『親友』は僕の前の席だ……。「よかったね。“ゆうくん”」
///くそーはずかしすぎる。そのまま僕は机につっぷせてしまった。
「オーッス優真ぁ!」「なんだよ」 こいつも初登場。僕の友達『大野新太』よみがなは『おおのあらた』小1の時から数えて5回おなじクラスになったことがある。こいつも同じサッカー部。僕とは違ってすごいサッカー少年。仲はいい方だと思う。
「お前また部活さぼったろ」「ちょっとだるくて」「ウソつけ!しょっちゅうそんなこと言ってさぼるだろ!!」「ばれた」あらま、ばれちゃった。仕方ないか。
?……なんでこそこそしてんだ?なんかイヤな予感……。「さっき夏木に手ぇふってただろーみちゃった〜」「ばっ!!」イヤな予感的中。「らぶらぶぅ」「……。おまえ…。太田垣(アイの苗字)と同じこと言ってる……。」
ピクッ
「なにか?」 漫画なら【ゴゴゴゴゴゴゴッッッ……。】みたいな効果音がつくところだな。「ヒィッ」新太には【ガタガタガタガタ……。】みたいな効果音が……。「何、情けない声出してんの?」新太と太田垣は家となりなんだっけ。「あんたたちねぇ、人のウワサするときはもうちょっとはなれてしなさいっ!!」ドカッ ボカッ 「っっててて……。」「そういえば太田垣って男嫌いらしいけど?」「え?」チーン……。やっぱり。新太は太田垣のこと好きなんだ。モロバレだな。「今度は僕がからかう番だね」くすくす笑いながら言った。新太の顔は真っ赤も真っ赤。目ぇ見ひらいてふるえていた。少しかわいそうになってきた。言わなきゃよかったかも。あんなこと。「……でもさ男嫌いならほかのヤツに取られる心配ないよ?お前が取ればいいんじゃない?」なんのなぐさめにもならない言葉。だけど、不器用な僕にはこれが精一杯。
僕だって恋したことがないわけじゃないんだ。
−つづく−
今回から後ろの方にあとがきを書こうかと思いまして。今回の話の見所や次回予告、幼なじみ三人のゆれ動く心情 などなど。裏話満載で話したいと思います。なによりみなさん、はげましのコメントをお願いします。ホントに一言でもいいので。ダメ出しもOKですので。これからも星明&マジボシをよろしくおねがいします〜