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第十七章:空高く飛んでゆけ。

二駅で遊園地駅についた。新太は足早にチケットを買いに並んでいる。

僕はそこらへんの自動販売機でジュースを買って、それから新太のところへ話し相手にでもとかけよった。

新太は8人分のチケットを買うとみんなのところへ急いで戻っていった。僕も追いかけるように走った。

やっとみんなにチケットがわたって、最初の乗り物に乗ろうとしていた。

ジェットコースターだ。最初からこんな過激な物に乗るのか……。ちょっとだけ不安がよぎる。この先絶叫マシーン続きなのは確実。酔い止めでも持ってくれば良かった。

2人1組で乗り込む。新太が羽衣と乗れるように話を進めてくれた。もちろん新太は太田垣のとなりへ行った。太田垣はものすごい不機嫌そうだけど……。羽衣と一緒が良かったのに新太に「男女ペア」と言って引き離されてしまったからだろう。

僕はジェットコースターのせいではなく、となりでニコニコしている女の子のせいで心臓が飛び出しそうだ。これはうかつに格好の悪いことはできないな。

「たのしみだねぇ!!」

「あ、ああうん!!」

とは言ったものの……。冷や汗だらだら。

ジリリリリリ……。

発車のベルがなる。僕らの乗った車はゆっくりと坂を上っていって…落ちた!!

(うわわわぁぁ!!!!!!)声にならない叫び声をあげて猛スピードで坂を下る僕。となりはと言うと「きゃははっ」なんて楽しそうに笑っている。(バケモンだこいつ……。)内心そう思いながらそのバケモンを好きになったことに恥を覚える。

『ぐわん』と一回転してやっと止まった。僕は目が回ってしばらく立てなかった。となりはずっと笑っていた。

前に座っていた太田垣は羽衣に向かって、「お前は化け物か」と僕と同じことをなげいていた。

どうやら太田垣も酔ったらしく、しばらくベンチでじっとしている。

羽衣は降りると同時に「楽しかったね!!」などと僕に言うのであった。

僕が返事をする前に新太が飛んできて耳元でなにか言っている。

「優真!どうだった!!?」

「何が?酔ったけど?」

「ちげぇだろ!夏木だよ!!なんかあったか!?抱きつかれたりとか!!!??」

「いや、あいつバケモンだわ。あのぐゎんぐゎんまわる乗り物のって、『楽しかったね』だと」

「なんだよお前、なんもしなかったわけ?」

「じゃあお前はなんかしたのか?太田垣マジ酔いだったじゃんか」

「まぁ俺もなんもしなかったけどな!!」

「だったら偉そうなこと言うな。自慢話のひとつもないのかお前は」

「べ、別に良いだろ!お前だってなんもできなかったんだから!!」

「はいはい」


「ちょっとー!あんた達なにやってんのー!!」

「次の乗り物いこーよぉー」

「「はーい」」

僕らは声を揃えて返事をすると輪の中へ戻って行った。


ちなみに次の乗り物はバイキングだそうだ。この先どうなることやら……。



バイキングとは:船の形をした絶叫系の乗り物。

        作者は好きなようだが、酔いやすい人は乗らない方が良い。

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