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第十五章:空を見上げて。

「うーんっ…1年ももう終わりだなー……。」

明日は終業式だ。今は大掃除の真っ最中。新太と僕は背伸びをして、窓から空を見上げた。

「次も同じクラスだといいんだけどなー!!」

新太は僕の方を向いて言った。

「そーだな」

ほんとにそうだ。新太と離れてしまうってことは親しい友達がいないってコト。

大抵の人には親しい友達がいるから、ひとりぼっちになるか、友達のいない子と新しく友達になるかの嫌な選択肢しか出てこない。

「新太は友達いっぱいいるから離れちゃっても大丈夫そうだけどなー」

何気なく言った。自分で「虚しいこと言ったな」と後悔した。

でも、新太は少し黙ってから「だってさ、優真といるの楽しいじゃん♪」と思ってもいないうれしいことを言ってくれた。


「ちょっと!さぼんなって何回言わせんの!!?」

「はいはーい」

大掃除のこと、すっかり忘れてた。太田垣の率いる女子軍団に怒鳴りつけられて新太と僕はさっきまで見上げていた空に別れを告げるように重い足取りで大掃除の手伝いに行った。



大掃除も終わって、あとは終業式だけだ。終業式が終われば春休み。教室の中もなんともいえないゆるい空気。

「春休みどっかいくー?」

「終業式おわったらプリ撮りにいこーよぉっ」

「午前授業だしねーw」

女子は何だかんだ明日を楽しみにしているようだ。

それに比べて僕はと言うと、新太が明日サッカーの試合があって遊べないから一日中ヒマ。

「…退屈……。」

ぼーっとゴミ箱からこぼれた紙くずを眺めながら僕は小さく声に出した。

そろそろ3年生を送る会が始まってしまう。今日の5・6時校目か……。

3年生に友達がいるわけでもないし、お世話になったわけでもないし……。かったるくってしょうがない。

「…う゛ぁ゛…めんどぃ……。」

ちょっとアタマいたくなってきたかも。このまんまさぼったりしちゃだめかなー……。

『こんなやつに送られる3年生もたまったもんじゃないな』ふと、そう思った。

こんなやる気のない後輩を持って、先輩方も運が悪い。

もちろん、僕とは違って、会自体に張り切っているやつや、合唱・合奏にものすごく力を入れている生徒もいる。僕みたいなやつは学年の5分の1にも満たないだろう。

まぁ、たまにはこういうバカがいるということだ。1クラスに4、5人くらいのもの。

そんなにめずらしいというわけではないけど真面目な生徒のほうが多い。

そりゃそうか。不真面目な生徒ばかりじゃ中学なんて無くなってるな。




「あ…通知表……。」

忘れてた……。恐怖の通知表が明日、戻ってきてしまう。

こんなことしてたんじゃまともな点なんて取れるわけない。

「殺されるな…;」

家に帰るや否や、「つ・う・ち・ひょう♪」と、お母さんの殺気にあふれた声が聞こえてくるだろう。

恐ろしや、通知表。


     −つづく−

なんか…最近「優真が真面目になってきた」と問い合わせが殺到しているのですが……。(←友人に

これで「真面目」なら私でも「生真面目」になれちゃいますよ?

帰宅部で、遅刻で居眠りで……。どこが真面目ですかぁ!!

くるってますよ!みなさんっ!!!!

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