第十一章:告白。
じゃ、じゃあ、羽衣に今日の記憶は無いって事?「ほんとに今日、日直だった?」「う、うん」なんでだろう。考え込んでいるうちに羽衣の家の前。僕の家もすぐ近くだ。「まぁいいや。じゃあね」「また明日」ちいさく手を振って別れる。
「おし!明日も学校だ!!」ひとつ背伸びをして速歩きで帰る。…宿題やってないや。「やばっ!急ごっと!!」やっぱり走んなきゃ!宿題!!
「宿題終わってよかった〜」徹夜で終わらせた。
「宿題なんてそんなに出てないでしょ。終わらせようと思えば終わるわよ」あやめが少しにらみながら言う。“羽衣といたら宿題忘れた”なんて言ったらいろいろ文句言われるに決まってる。ここは適当に「はいはい、ゲームしてたら忘れました〜」とでも言っておこうかな。「はぃ……。」言いかけてやめた。あやめは、人差し指を口に当てて「静かに!」とでも言うような仕草をしていた。「何?」小声で聞き返すと少し顔を赤くして「こ、こっち」と手招きをして歩いていった。そっとついていくと薄暗い北校舎まで来た。「何?」「えーと……。」あやめの顔は真っ赤。こんなに緊張しているあやめははじめてみた。「ぁあ…の……。えっと……。あ、綾崎のこと…すっす、好きなんだけど……。綾崎はうちのことどうかなー…って……。」……?え?なにこれ……。こく…はく? コ、ク…ハク……?告白!??うわわわゎゎゎゎゎゎわ!?「え……。好き?」“こくん”とあやめはうなづく。ええぇぇぇえ??好き?心臓がバクバクなる。あやめはかわいいし頭もいい。もてるし、このまま付き合っちゃえば?…でも……。僕にも好きな人がいる気がする。好きなの?僕は……。
僕は気づいた。自分の気持ちに。
−つづく−
ふー……。やっとおまちかねのあやめちゃん編です。コクっちゃいましたねー♪(作者的には嬉しい展開)あんなやつのどこがいいんだか。(自分でつくったくせに)優真くんの好きな人とは誰でしょう?もう皆さんおわかりの通りです。そういえば「アイ」とえ…と「新太」だっけ?(忘れてた)もまた登場させたい。