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殺めた自称・神様は実年齢○歳でした。

女性のように髪が長くてさらさら、いいにおいのする人に話しかけられた。

お姉さんは、私が男から確実に鼻血を出しているであろう大きな胸を揺らしながら、自称・神様のところに向かった。

「あら、殺人事件かしら???」


いやお姉さん何のんきに言ってんだ!?殺人だぞ?人が1人死んだんだぞ???


「何おどおどしているの?大丈夫よ、お姉さんに任せて★」


そう言ってお姉さんは般若心経らしきものを唱え始めた。そういえば、日本語ペラペラだなあ。


「なんでそんなに日本語がうまいの?」そう私が話しかけると、お姉さんはせき込んだ。

「へ!?嫌だわ、私前世は純日本人よ~。」

外国人だと思ってた。

「この世界の人間って便利なのよ~。姿を自由に変えられるの!髪の色だって自分の体の形だって服装だって。だから私は、今まで憧れてたこの金髪に変えているのよ。」


元々は黒髪よ、とウインクとともに言い残し、また般若心経らしきお経を唱え始めた。


すると、自称・神様がむくっと起き上がった。ん?起き上がっ……


うえええええええええええ起きたああああああああああああ!!!!!!


「うわああ!!!俺のことな、な、殴った怖い女だあああああああ!!!!!」


お互いが逃げ、お互いが戦闘態勢になる。

いや待ってなんで死んだ人間が生き返ってるんだ!?


「私は殺人犯じゃなかったってことか!?」

「ちげーよ!お前はれっきとした殺人者だよ!俺のこと何発殴ったんだよ、痛かったんだぞ!お前のせいで……お前が俺を殺したせいで、現実世界に戻れなくなっちまったじゃねえか!」


現実世界?じゃあ、これは、夢なのか?


「夢じゃなくて、現実。」お姉さんはこう続けた。


「ここには未練たらたらな幽霊たちが集っているの。こいつを除いてはね。まあ今となってはこいつもれっきとした幽霊なんだけど。」

「地縛霊、ってやつか!?あの誰かを呪う……」

「まあ、そんなところかしら。」

「そんな人の集まりなんて怖すぎるぜ。私帰ろうかな。」

「逃がさないわよ❤」とがっちり肩を掴まれてしまった。いや怖すぎるってここ。

「誰かに殺された人たちがここにはいるの。もちろんその人を呪い続けている人だっているし、普通に生活している人だっている。要は自由に暮らしていいってこと。」

「じゃああの自称・神様は。」

「あれが来た理由は話すと長くなるから、割愛するわ。」

「いや俺のかっこいい話なきものにするなよっ!」

「何はともあれ、ようこそ、シェアゴーストハウスへ。歓迎するわよ、新しい仲間だもの。」


お姉さんはそう言い残し、どこかへ消えていった。しばらくしてあの人を殺せるノートのようにどす黒いノートを持ち出してきた。まさかここに私を殺した犯人の名前を書けとか言うんじゃないだろうな。


「一応、ここの規約では自称・神様のこいつを殺めた人は、こいつの求婚者って設定になるんだけど。」

……は?

「いやだからね、ここでは貴重な人間様だったこいつを殺めたわけだから、何かしらの罪を背負ってもらわないといけないわけ。」

「罪とか言うな!」

「それで考えたのが、こいつの求婚者ってことになって、いずれ結婚するっていうものなんだけど。やってくれるわよね?」

「そんな話聞いてないぞ!」

「あんたは黙ってろ。で、優希ちゃんどうする?これやってくれないと、優希ちゃんを地獄に落とさなきゃいけないんだけど。」

「そんな話……」

『俺(私)のほうから願い下げだ!!!!!』


歓迎そして祝福モードだった周囲が一気に静まり返った。


「大体何歳なんですかこいつ。小学生か?」

「小学生で悪かったな!9歳だ!」


思考停止してしまった。私が今年22歳だ。そう、大学卒業の年。待て待て待て犯罪じゃねえか。

「誰が13歳も年下のやつと恋仲になんてなるか!ただのロリコンになるじゃねえか私が!」

「俺だってこんなババアと付き合いたいなんて思わねえよばーかばーか。」


言い合っていた矢先、頭を殴られた。痛い。お姉さんからのげんこつだ。おおお目が怖い。早く求婚者っていう設定を認めんかみたいな目をしてるぜ。怖い怖い。

「わかった、求婚者ってやつになればいいんだろ。こんなガキのなんて信じられねえけどな。」

「俺だってこんな契約がなかったら、お前に求婚されたくもねえよ。」


かくして私は勝手にこの自称・神様、じゃなかった薫≪かおる≫(お姉さんからそう呼べって強要された)の求婚者となったのである。いずれは婚約者にさせる、とまでお姉さんから言われている身だ。はあ、誰か私を救ってくれねえかなぁ。あ、そうだ。玲菜はどうだ。手紙届けようか。いまどきアナログだが、何せここにスマートフォンは存在していないようだからな。


拝啓 宮脇玲菜様


通り魔に殺され、なぜか幽霊となった優希だ。私は今、シェアゴーストハウスとやらに住んでいる。そこで実は通り魔そっくりの顔立ちのガキを殺してしまった。

そしたらこの家の規則か契約かよくわからないが、そのガキの求婚者にさせられたんだよ!

助けてくれ、玲菜。この手紙を読んだらすぐに救いの手を差し伸べてくれないか。


少女漫画だったら求婚者っていうか片思いってのはドキドキするものなんだろうけど、私の場合全くドキドキしない。だって13歳も年下のガキに頑張って言い寄って恋仲になるんだぞ?そんな無茶な話があるかっての!


だからお願いだ玲菜。お前は恋愛マスターだろ?何人もの男と付き合ってきただろ?

だからお願いだ、私を助けてくれ――――――――――――――


って、あぁああああああああああ紙が破かれていくぅううううううううううううううう!


「文・通・禁・止★」


キレイなお姉さんだと思っていた人は、実はドSな悪魔でした。

あぁハイヒールに鞭が似合いそう……ごふっ。蹴られたぞ、古傷がうずくぞ!なんてやつだ!






キレイな巨乳のお姉さん(ドS)、可愛げのあまりない9歳男子。そして22歳の普通の元・女子大生。

他にもこのシェアゴーストハウスに住んでいる訳あり幽霊は何人かいるので、次回以降出していこうと思っています(現段階)。モブになっていたりして!……ありえる。

一応コメディという設定ですが、何か起こっても面白そうだなぁなんて。多分この先起こりますが、あまり詳細は言いません。回を重ねていけばきっとこの意味が分かるかと(笑)。


あ、ぜひとも読む際にはきれいなお姉さんボイスを思い浮かべながら読んでくださいねっ。


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