小石と仕事と契約者と
石畳の歩道 、ずらっと並ぶ店、時折道の真ん中を通る馬車。
これぞ王道 これぞ異世界。
アニメや漫画でよく見る中世の街と同じ雰囲気を醸し出す。
市場と思わしき場所は賑やかさを俺に示す。
日本とは比べ物にならないほど技術が落ちた布の服を着た人たち、鉄の胸当てや木の杖を持ち冒険者を示すプレートを持った人たち、衛兵と思われるみんな全く同じ鎧を着ている人たち、その全てがここが異世界だと俺に宣言する。
「ただいまー」
「おう ユウト帰ったか。フードの奴はどうした?」
俺を出迎えたのはゲイル長だった。どうやら仕事は終わったらしい。
「なんか途中で消えたよ?」
横を歩いている途中いきなり消えたのだ。そしてフードの男と入れ替わるようにポケットに赤い色の小石が入っていた。それをゲイル長に見せる。
「なんだそりゃ?まぁあいつが渡すもんだから持ってて損はないだろ。それより途中で放るなって言っただろにあいつは。」
「そういえば副ギルド長がいないですな」
さっきから姿が見えない。どこに行ったのだろう。
「ああ あいつは本部に行った。それよりお前の契約相手のとこ行くぞ。仕事は生活補助、冒険のサポートだ。
ちなみに住み込みだからな。」
やっとこの時がきたか、そうヒロイン登場の時だ!
行くぞおおおおお HAHAHAHAHAHAaaaaaaa。
「またそのモードかよ。相変わらず気持ち悪いな。」
20分ほど歩きついたのはギルド専用寮と書かれた2階建のそれなりに大きな建物。
「ここに俺の、、、」
「ああそうだ。ここにお前の契約者がいる。」
さぁここから俺の冒険が始まる!
などとカッコつけて俺はその建物に入るのだった。