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ミルクティーを口にしていると、机の上のスマホから、光が放たれる。付き合って1年ほどになる彼氏からのラインだ。そうだ、今日は、彼氏が来る予定だった。
玄関の扉を開けると、おはよう、と、満面の笑顔で言う彼氏が立っていた。
「外は、気持ちいいよ。すっごく、いい天気。」
「おはよう。サンドウィッチでも作って散歩にでも行こっか。本当にいい天気。」
「そう言うと思って、材料買ってきたんだ。」
近くのスーパーの袋を顔のそばまで持ってきて、にこっと笑う。ありがとう、流石だね、と、私も笑顔になる。
流石でしょ、と言いながら、ふいに、私にキスする。彼の唇は、冷たかった。
「大好き。コーヒー入れるね。寒かったでしょ。」
「ありがとう。」
彼のぬくもりを感じる。だけど、やはり、ジャケットの表面は冷たいままだ。
「ねぇ、幸せ?」
私は、訊ねてみる。
「すっごく幸せ。」
彼の顔は見えていないけれど、幸せに満ちた笑顔が感じられた。