表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

母国からの追放者

初投稿です。拙いですが宜しくお願いします。

「あぁ?」

 家の玄関を出た先にあったのは、いつもの通学路と真向かいに在る幼馴染みの家でなかった。

 そこにあったのは、日の光が届かないような生い茂った森であった。

 もう一度辺りを見回しても森と自宅しかなかった。

 俺は混乱した。学を積んでなかった分、余計にだ。

「何がどうなってやがる」と言い、自宅に入って親の姿を確認する。

 トイレ、居間、風呂場、果てはクローゼットの中まで探した。しかし、そこは誰もいなかった。二階建てである自宅はすぐ散策し終わった。

 辺りが森だったせいかすぐ日が陰ってきた。電気をつけようとしたが、電気が点かなかった。

 辺りが完全に暗くなる前に懐中電灯を探し、カーテンを開けて外の光が入ってこられるようにする。

 朝食を取り終えたばかりで腹はすいておらず、自室の布団に寝転がる。何が起きたか考えようとしたが止めた。どうせ考えたって状況が理解できるとは思えないからだ。それより今すべきことは…

「まあ、悪かねぇわな。こういうのもよ。」

 自室の窓から差し込む月を見て、楽しむことだった。


 起きたら、辺りが明るくなっていた。昼寝のつもりで寝たはずだったが、ずいぶん眠りこけてしまったらしい。

 布団から出て、キッチンへと向かう。そこで昨日は確認しなかった冷蔵庫を開けてみる。食べ物と飲み物がきちんと入っていたが、冷蔵庫内の電気は点いていなかった。すぐに、チーズとハムとレタスを取りだしパンに挟んで食べる。腐ってるかどうか確かめないと、と思ったが食べなければどっちみち死ぬしかないのでそのまま食べ続けた。食べ終えた後、玄関から外に出てみる。やはり昨日と同じ森が広がっているだけであった。

 「………。」 

 自宅に戻り通学用のリュックサックを取って、中身をすべて出した。すっかり軽くなったそれを背負い、使えるものを探した。冷蔵庫からペットボトルに入ったお茶を三本取り出し、まだ余っていた食材で朝に食べた物と同じサンドイッチを二つ作りラップで中身が崩れないように丁寧に巻いてリュックに積む。

 その後、刃物の詮索に勤しんだ。彼はキッチンにあった包丁を二つ取り出し、新聞紙にくるんでリュックに積んだ。工具用の鋸を取り出し、同じように新聞紙にくるんで積んだ。

 リュックを玄関に置き、二階のベランダから外に出て屋根に上った。回りを見ても森しかないと思ったが、煙が上ってる場所があった。その場所の方角を覚えて、屋根を降り二階のベランダまで戻った。

 その後、詰め襟の制服のままであったので、動きやすい服に着替えた。色は黒色で統一した。家の中の全ての窓とカーテンを閉めて、リュックを背負い靴を履いて玄関を出て鍵を閉めた。そうすることで誰かが入ってくるのを防ごうという魂胆であったが、窓ガラスをぶち抜かれたら意味がないのは彼でもわかっていた。ただ自宅を汚されたくないという彼なりの気分のためであった。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ