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夢見転生〜勇魔王よ、永久なれ〜  作者: 黄昏
勇者編ー第二章、成長編ー
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第14話『冒険者になる必要性』

タイトルと作者名を変更しました。

「ふあ……あ……」

「……しっかりしなさい」

「ああ……頭痛い……」


 俺が一つ大きな欠伸(あくび)をすると、隣からミルが鋭く叱る。

 ああ、それにしても……頭が痛い、ヤバい……。

 夢見の能力の欠点は、本来の力を一日出しているためにおよそ10時間の睡眠を必要とすることだ。


 睡眠時間がそれ以下になると、パラレルワールドとの繋がりが途切れやすくなり、一つの脳では処理しきれない記憶の量によって今回のように激しい頭痛が能力所持者を襲う。


 最悪の場合、脳が動かなくなって廃人になると伝記で読んだ。

 今になって考えると、よくそんな実験をしたよなって思うが、意外と初代の予想も入っているのかもしれない。

 いや、今はそんなコトどうだっていいんだ。

 前々回を読んで、多くの読者様(メタいな)が思ったハズだ。


『なんで勇者なのにわざわざ冒険者ギルドに立ち寄るの?』


 まあ、理由(言い訳)を聞いてくれ。

 冒険者ギルドは、強い人があからさまにわかるんだ。

 そして、魂輪の破定をなんとかする為に、強い人が必要不可欠。

 とある世界の記憶を見たところ、トンデモないことがわかった。

 竜だけじゃ、魂輪の破定をなんとかできないんだ。


 いや、まあ、なんとかは、なる。なるが、被害が尋常じゃ無くなる。

 魂輪の破定は竜の血をある程度引いてれば耐えることができる。

 そもそも、魂輪の破定の被害っていうのは二種類に分かれる。

 一つは、暴走した魂の憑依による魔物の活性化。


 そしてもう一つは、魂輪の破定によって引き寄せられた、宇宙生物による被害。

 特に、後者の実力はトンデモない。

 現在10柱いる神龍のうち、5柱で一体を倒せればいい方だ。


 つまり、この世界で最強と言われる龍や神は、宇宙生物の討伐でかかりきりになって、魂が憑依した魔物による被害をなんとかできないんだ。

 活性化した魔物をなんとかする為にも、実力者はなるべく多くに協力して欲しい。

 まあ、冒険者ギルドに出される依頼を解決して実力アップを図りたいってのもあるけどな。


 そんなこんなで、冒険者ギルドに立ち寄ることにしたんだ。

 だが、冒険者ギルドというのは本来の名称ではない。


『総括連合勤務庁第二運営支部不定特別課』


 これがこの世界における本来の冒険者ギルドの名前。

 冒険者ギルドは独立した組織ではなく、魔大陸を除いた世界単位での仕事の管理を行う、世界政府の総括連合勤務庁が運営する、不定職者の為の仕事斡旋業者、と考えた方が良い。


 まあ、討伐依頼なんかもなんでも斡旋してくれるわけで、それを円滑に解決する為にも冒険者ギルドでは登録を行う必要がある。


 冒険者ギルドでは、不定職者が主な対象なため、住所が無い人の為のホテルサービスや食事サービスも充実している。


 ちなみにサービスが必要ないであろう王子とは、城で別れた。


「がはははははは!!」「うわっマジかよ!」「おぃ調子乗ってんじゃねェぞおるぁ!!」


 扉を開けた瞬間、騒がしい音や声が俺たちの耳に入ってくる。

 まるで、ここが政府の行政機関だとは思えない喧騒っぷりだ。


 冒険者ギルド中央の特設リングでは、武闘家2人が殴り合いをし、それを何人かの男たちがメモを取りながら話し合っている。


「この騒がしい感じ……久しぶりだな」

「おーい……ヴォールさん、返事してくださーい」


 ヴォールさんが想い出に浸るように目を細め、俺はヴォールさんに呼びかけるが、反応は薄い。


「おぅおぅにーちゃん、可愛い娘連れてんじゃねーの?」

「舐めとっと怪我させっぞ我ェ!!!」


 2人のチンピラが俺に近寄り、1人のチンピラがカトラス(片身の剣)で俺に斬りつけるのを、俺はしゃがんで避ける。


 もう片方が片足を上げて俺を蹴りつけようとするが、俺はそのまま宙返りから、両足で蹴りを決める。


「ウゴッ」


 そのままカトラスを持ったチンピラの斬りつけを上体をずらすことで回避し、そのまま逆立ち勢いで蹴りを決める。


「ウガッ」

「掃除終わり!」


 俺はシーンとなった冒険者ギルドで少しオドオドしながら、受付を目指す。

 その一秒後。


「すげーな兄ちゃん!」

「かっこよかったぜ!」

「期待の新星現る!」


 様々な所から、ピーピー! っと囃し立てる声が聞こえる。

 俺は若干照れながら、受付嬢(巨乳)に話しかける。


「えっと……登録お願いします」

「かしこまりまし……あら?」

「どうしました?」

「ちょ、ちょっと待ってくださいね」


 受付嬢はそういうと、パタパタと走って奥の偉そうな老人に話しかける。

 っていうか乳! 揺れてる! あざといよ!

 受付嬢が老人を案内するように歩き、2人は俺の目の前で深々と頭を下げる。


「えっ、ちょっ、えっと……」


 俺が動揺していると、不意にヴォールさんが口を開いた。


「顔を上げてくれ、フール」

「恐縮でございます。Sランク冒険者、『剛壁のヴォール』さん……いや、ヴォール先輩」


 あ、老人は俺じゃなくて俺の後ろの人に頭を下げたのね!?

 自過剰でゴメンなさい


「今回は、どういったご用件で?」

「いや、俺は付き添いでな。こいつの冒険者ギルドへの登録を見届けたら、そこで俺の役目は終了だ」


 え、初耳なんですけど! そもそもヴォールさん、俺が自立するまでの護衛の役割を持ってたんだっけ?

 そんなことを考えていると、ヴォールさんは俺に話しかけてきた。


「じゃあな、お前ら。俺は一足先に、ダリィの親父の所で待ってる」


 ヴォールさんはそう言って、冒険者ギルドの大きな扉を開いた。

 俺は呆気ない別れに驚きつつ、受付嬢が渡してきた書類に色々書き込んで行く。

 ちなみに頭の悪いココの分は、ミルが代筆してくれている。


 書くのは名前、連絡先、適合魔力属性の三つの事項だ。

 俺は名前と連絡先を書いた所で、少し戸惑った。


「適合属性……」


 なんて書けば良いだろうか?

 流石に全部書くのは腰が引ける。

 特に、竜属性と創造属性。

 この二つはこの世界の中でも特に強力な魔法だ。


 ああ、この際だから、現在のステータスをお見せしよう。


◇◆◇◆◆


名前  ダリア・ロズワルド

Lv  250

職業  真勇者

適性  竜、創造、全基本、雷

HP  253000

MP  20000

SP  30000

筋力  50000

瞬発力 56000

魔力  62000

防御力 32000

思考力 100(MAX)

OT  100(MAX)

運   1


技術

召竜喚士〈神〉、剣術〈神〉、武闘術〈神〉、状況把握、波動術、夢見


所得魔法

召喚〈神〉、全基本魔法(下→神)、雷魔法


戦歴(最初の物10件を表示)


鋼鉄龍、魂食龍を討伐→レベルが1→250にアップ!

追憶の終わり→夢見の戦闘能力を維持、レベル初期化

真勇者覚醒→職業真勇者、経験値効率上昇


◇◆◇◆◇


 これが俺の、今のステータスだ。

 まあ、竜と創造、雷以外の全基本属性を登録しておこう。

 っていうか、ステータスを見るたびに思うんだが、運が1って相当だよな。

 運ってのは、世界が紡ぎ続けた結果その物だ。

 

 例えば、「あいつと戦うのか、運が悪いな」と言われる。

 この時、『あいつ』は強すぎるか、荒いのか、どっちかだろう。

 そして、あいつが強かった時の場合、あいつには、強くなるきっかけがあるんだ。

 要は、全てが世界のめぐり合わせであるから、酷い運命を持っている、ということになる。


 まあ、運1ってのはそのうちどうにかなるらしい。

 インドラが爆笑しながら教えてくれた。


 俺がココとミルの方を見ると、2人も大体終わったみたいだった。

 パーティのリーダーは俺だって最初から決めていたので、パーティ結成届けを登録用紙と一緒に受付嬢に渡す。


「ありがとうございます、記入お疲れ様でした。それでは、10分後にお越しください」


 俺たちはそう言われ、とりあえず今回の宿を決めるべく、冒険者ギルドに隣接する建物に向かった。

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