【鳥籠~落ちた影に光照らさず~】
更新滞っていましたか、再開いたします!!
――――――
今まで阿羅 修羅の住んでいた家には
阿羅の他には誰一人としていない
「―――…」
いつも修羅が眠り起き、こちらに向ける笑顔はここには無い
家の中には暗闇が影が落ちている
あれから、修羅はこの家には戻ってきていない
そして、数日するとこの家に付いていた者たちは少しずつ出て行った
それが上の命令かは分からないが
そんなもの今の阿羅にはどうでもいいことだ
あれからというもの
阿羅には休む時間は無い
朝起きればすぐに自家用ジェットで裏の仕事を朝から晩まで休み無しで働かされ
家に帰れば眠りに付くだけ
しかし、睡眠といえど阿羅にとっては夢の中でさえ悪夢で埋め尽くされていた
いつだって、汗を流しうなされ起きる
目元には涙を溜め
最近は学校さえ行っていない
行く義務さえ元々無かったのだから特に問題は無かったが
修羅の願いだった普通に学校へ行き勉強する
勉強は嫌いだから嫌だというと
笑いながらしかる
普通の人間として過ごす
そんな毎日を描いていたのだろう
今となっては修羅のいない毎日は苦痛でしかない
修羅がいなければ学校へ行く理由なんて阿羅には無かった
修羅が嬉しそうに笑ってくれるから…
行かなくても天童家は何も言わない寧ろ阿羅の自由の時間を少しとも与えなかった
―――――…
「 っ、しゅら… ただいま」
いつだって仕事から帰れば
修羅の部屋へ向かう
いつもは修羅が眠っているベッド
今は誰もいないそこに横になり眠りに付く
少しだって修羅を感じていたいと…
いつだって…
阿羅の心には影を落とす
その影を少しだって無くし去りたいと…
涙を流しまた今日も眠りに付く
いつものように精神的にも体力的にもボロボロな体をベッドにうずめながら…。