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未来は。  作者: s
6/6

自分の名前

彼の名前は、優人ユウトと言った。


「僕ね、自分の名前が嫌いなんだ」

食事が終わり、夜の海をベンチに座り眺めている時、

前を向きながら彼はそう言った。


ハッとして彼の顔をみると、なぜか彼は微笑んでいた。


「優人って、優しく生きなさいって言われているように思えない?」


なぜ、笑えるの?

嫌いなんでしょう?自分の名前が。

絶望を感じているんでしょう?


そんなことを考えながら、海へと視線を戻した。

彼は、無表情の私に向かって、もう一度口を開いた。


「有希ちゃんは、自分の名前、好き?

あぁ、いや、ごめん。なんだか同じ匂いがして」


少しだけ、ほんの少しだけ。

自分の想いを話してみようと思った。



「...嫌いです。希望を持てと言われているようで」

彼の声を聞くと、なんだか泣きそうになるから。

すごく暖かい気持ちになるから。

私は、彼の目を見ずに答えた。


「ははっ、僕と一緒だね」

彼の視線を感じた。

優しい匂いと優しい声。


なぜだか分からないけど、涙が溢れた。

きっと、父と母によく似ていたから。


ダメだ、泣いちゃダメだ。

涙を抑えるためにふと空を見上げると、星が見えた。


真っ暗の私の世界では、星なんて見えなかったのに。



「有希ちゃん、今日は自分の気持ちを受け入れて少しだけ泣いても良いんじゃない?

今、君を見てるのはあの星だけだよ」


彼の方に目をやると、

私の方に向いていた目線は、同じ空に向けられていた。





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