(番外編)とある空間で
「ちょっと局長! あのレポートのことなんですけど…」
「魔粒子が人体に置ける影響についてのアレか?」
「それですぅ。
あ、今日は大判焼きは無いんです?」
「オヤツを奪いに来る奴が多くてな…金庫に保管してある。
一日に三度も来るのはお前ぐらいだが」
「ケチはモテませんよ。
で…例の魔粒子は子孫を残そうとする精神状態に移行させる可能性が高いと結論付けられました」
「ホルモンバランスに変化を与えるのだろうな。
それなら汚染地区に不妊に悩むカップルの移住を進める方策を出させてみるか。
少子高齢化対策は何処の世界でも必要だからな」
「そうなると、エルフ族の遺伝子伝達構造の再設定は見送りですよね?」
「…エルフはプロトタイプの側面が強いからな。今更再設定しても、旧エルフとの確執を産むだけだろう」
「分かりました~仕事増えなくて良かったです。
あ、ところであの子の遺伝子って魔族にも受け継がれると思います?」
「どうだろうな?
基本的に魔族の遺伝子が上位を行くので、ほとんど影響は受けないと思う。無事に出産出来る可能性も半分を切るしな…で、お前は何をやっている?」
「勿論金庫の解錠です…おけ、開いた」




