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(番外編)とあるダンジョンの奥地で

 何処からともなく吹く風が、本来ここに在るはずの無い巨大な空間の最奥に佇む一本の大樹の枝葉を揺らす。


 そのゴツゴツと膨らんだ根の向こうには、天井の光石から放射される太陽の光を受けて水面を燦めかせる小さな池がある。


 その水面にはクルクルと回る一本の銀色の棒のような物がある。


 そしてその棒の隣には、一人分の透明な人影が寄り添っている。


「お主が派遣したチビは面白いことをしよるのぉ。

 クレストの記憶領域へのアクセス権限を与えたのはやり過ぎじゃなかろうかの?」

『・・・』

「相変わらず無口なヤツじゃ。

 しかし困ったな。まさかクレストが自分の意識体をもう一つ持っておったとは。

 クレストの死後、アルジェンがどう動くか分からぬが、あの意識体に遺伝子情報を与えると別のクレストが復活することになるじゃろう」

『・・・』

「そうなる前に…せよと申すのか。

 それが一番良いじゃろう。じゃが儂らはこのダンジョンから出られぬ存在。良い案は無いものかの。

 ノーラクローダのような化け物をぶつければ間違いなく余計な人死にが出る。それは我らも望まぬょ。

 それにしても転生システムとは神共め、厄介な物を作りよったな。輪廻の理を無理に捻じ曲げるなど言語道断だと分からぬのか…」


 その人影が溜息を付いて世界樹に戻る。


 何事も無かったかのように、魔界蟲だった銀色のドリルのような姿のダンジョンコアは、今日もクルクルと回り続ける。

 ダンジョン管理者としての役目が終わるその日まで。

明日から第三部『元魔王は惰眠を貪り、宿主は今日も明日も働きます』をスタートします。



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