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魔法植物④

 アメリカの格闘ロボットやイギリスの艦船だけではない。ドイツは戦車を作るし、他の国も色々と動いている。

 “新しい時代の主流”を作り上げる国を決める勝負。

 どこが勝つかはわからないけどね、日本にも頑張ってもらいたいよ。





 それとは別に、こっちがやっていた事にも変化があった。


「頼んでいた、レベルアップしたヨモギの繁殖が終わったようだよ。一度確認しに行こうじゃないかね!」

「レベルアップの効果がどうなったのか、楽しみですね」

「うむ! 単体繁殖に加え、レベルアップしたもの同士をかけ合わせたものもレベルアップが維持されるとしたら、どのような事になるか。期待が膨らむね!!」


 タイタンの中でレベルアップさせた植物を殖やしたという報告が来た。

 アロエ、リンゴはまだまだ時間がかかるけど、早く殖えるヨモギは結果が出たようだ。

 繁殖力の強いヨモギは株分け、種まきのどちらでも殖やせるので、どちらも試してみたらしい。


「ヨモギって、春に種をつくるんですか?」

「いいや。室温40℃でしばらく育ててから外に出したのだよ。そうする事で秋が来たと勘違いさせたわけだね。桜の狂い咲きと同じという訳さ」


 季節が違うんじゃないかと思ったけど、色々と手段はあるようだ。

 細かい事はどうでもいいから、とにかく結果が出たのは良い事だと喜んでおこう。


「アロエはもう少し待ってもらいたいそうだよ。繊細だからね。時間がかかるようだ。リンゴも、焦って余計なことはしたくないそうだね」

「そこはもう、専門家にお任せします」

「うむ! その様に伝えておこう!」


 他はともかく、ヨモギだけでも今後を占ういいサンプルになるだろう。

 どんな結果が出るか、楽しみだ。





「あちゃー」

「駄目かね?」

「駄目ですね」


 そう考えて訪れた薬草園で見た、レベルアップしたヨモギは大幅にレベルダウンしていた。


「魔力のパスが細くなってます。一度レベルアップしたのは間違いないですけど、これじゃ、レベルアップ直後の半分も魔力が通りませんね」


 これ、もう一度レベルアップさせないと駄目だよ。このままじゃ使えない。

 分けつで繁殖されたものは全部そんな感じだ。

 種で殖やしたのは引き継ぎ無しの全滅だ。


 ちょっと大きくなったアロエは、ちょっとレベルダウン。

 あまり大きさが変わっていないリンゴはレベル据え置き。

 どうやら、大きくなるにつれてレベルアップの影響が拡散するらしい。



 現段階での繁殖実験は失敗だな。

 高レベルにしたものを殖やす方法ならアリかもしれないけど、そこまでするメリットは無さそうだ。

 魔法植物は、普通には殖やせないらしい。


 だったら、普通じゃないやり方を試すだけだ。


「第二弾のヨモギには、これらを使ってみましょうか」

「これも試すだけ試してみるべきだね!」


 やるのは、こういう時の定番ネタだ。

 土に魔石を混ぜる、魔石の粉末を混ぜる、ゴブリンメタルの粉末を混ぜる、肥料としてゴブリンポーションを使う。また、これらを組み合わせて行う。


「低レベル化したと言っても、まだレベルアップの影響は残っているので。これらを使って、レベルダウンを緩和できないか試して下さい」

「定番だけに、どうなるのか楽しみだね!」


 モンスターのドロップアイテムを使って、何らかの良い影響が見られないか。ラノベではお約束とも言える栽培方法となる。


 あとはダンジョン内で栽培する事も定番だけど、それはレベルアップ第三段が終わってから考えよう。



「けど、これで魔石がまた減りますね」

「タイタンの稼働に必要な分は購入できているとはいえ、このままでは厳しいのだよ。今後の継続が危ぶまれる、問題だらけと言っても過言ではないな」


 ただ、魔石に関しては補充がちょっと厳しい。

 ドリルの時にストックを使い切る勢いで消費したので、もっと魔石が必要なら、もっと魔石を買わねばならなくなる。


 しかし魔石は奪い合いで、市場に出回る数が少ない。

 企業枠を利用し、冒険者ギルドから少しは確保しているけど、これ以上の購入が難しい。



「仕方がないかな。一時的に、冒険者に復帰する事を考えるか」


 だったら、自分で魔石を集めるのが確実だ。

 売却の義務は無いので、自分で集めて自分で消費するスタイルでいくか。


 問題は、だ。


「光織、六花、晴海。お前らはどうする?」

「そこにダンジョンがあるからだ!」

「往かねばならぬ、時がある」

「イクゾー」

「……参戦、と」


 光織たちである。

 外で、他の連中の前で戦う事になるわけだが。


 何も問題が無いといいな。

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― 新着の感想 ―
[一言] >イクゾー どこでこんな言葉を覚えたのか・・・ コレガワカラナイ
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