表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
498/528

内モンゴル自治区①

 中国は北京から西に向かうと、大同市を越え、内モンゴル自治区になる。

 今ではその大半をモンゴルがどうにか治めてているが、北京よりのエリアは基本手付かずで、自衛隊がモンスターを押さえ込んでいる。

 近隣のダンジョンは粗方制圧されたものの、それでもスタンピードの影響が抜けきるまでは時間がかかり、モンスターは未だに徘徊していたりする。



 ありがたいことに、この辺りには原発などが無い。

 よって放射能汚染のリスクは考えなくて良い、はず。


 中国は日本同様、沿岸部に原発を作っている。

 その数はおおよそ50で、どれも稼働したままだ。脱原発など話にも出ていないし、なんならあと30は増設する計画であった。

 今はそこまで余裕がないのと、外国の影響が強すぎて増設の計画は白紙に戻されているはずだけどね。


 建材に放射能汚染の酷いものを混ぜていて、各地に被害が出ているという話があったけど、自衛隊が調べた結果、“この辺りは”大丈夫らしい。

 ……他所の地域でアウト判定だったから、ここに決まったらしいよ。



 原発ネタは横に置き、内モンゴル自治区は基本的に平原だ。日本と違い山なんて見当たらず、広大な大地が見渡せる。

 昔の、都心だったエリアはビルが立ち並ぶ立派な都市だったのだろうが、モンスターに飲み込まれた今は、ただの廃墟である。

 原型をとどめているビルもあるが、火事や大型モンスターによって倒壊したビルもあるので、ポストアポカリプスな廃墟としか言えない。


 電気の無い無人の街はホラゲーやゾンビサバイバルの映画で見たよりもリアルで、ずっと恐ろしかった。



「問題のモンスターは、ここから南南西、約200km先に現れます。

 前回の討伐から二週間。二~三日で復活するはずですね」


 で、問題となる巨人は、基地からもう200kmも先に現れる。


 これについては運が良かったと言って良い。

 これ以上近いと、直接吹雪に巻き込まれないが、その影響範囲に入ってしまうからだ。

 ただでさえ緯度が青森並みで寒い場所なのに、モンスターの吹雪の余波で凍える羽目になったら、基地を放棄するしかなかった。



 ただ基地から遠いので、移動が大変になるし、周辺のダンジョンがあまり攻略されていないというデメリットもある。


 面倒くさい話で、元から北国だからか、この辺りには吹雪耐性とかを持ってるようなモンスターが出現しやすい。

 吹雪がモンスターの間引きをしてくれるような幸運は、期待できない。

 巨人の出現までに、多少は自力で間引きしておかないと、面倒な事になるかもしれないな。


 いや、「なるかもしれない」なんて曖昧な話ではなく、「なる」と断言して良いか。

 悪い予想の方がよく当たるからな。

 あの巨人、ラスダンでは明らかに周囲のモンスターに集合の命令を出していたし。警戒するべきだ。





 話が変わるが、自衛隊には、これまでタイタンをかなり納品しているが、それでも高レベルなタイタンはまだ数が少ない。

 ラスダンに連れていけるほどのタイタンは数が少なく、国内に回されている。

 そしてその国内にあった高レベルなタイタンが、先日の一件で倒され、数を減らしてしまった。

 どこぞのアニメの仮面の人たちが、序盤で「ザ○を二機も失った」「リーオ○を失った」と怒られるシーンがあったけど、それと同じことがリアルであったらしいぐらい、大きな損失である。


 残念ながら、ここのタイタンはそのレベルまで鍛えられていない。

 バトルクロスもまだまだ納品数が少なく、メンテの問題もあるし後回しにされている。



 そんな自衛隊がこんな事態に陥ると。


「お久しぶりです、一文字さん」

「淡島一尉、ですか。お久しぶりです」


 巨人との戦闘経験のある人を配属させる。

 不思議でもなんでもない、そんな手を打つのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] うーん、この場合有り難いのか迷惑なのか 遠くから監視されてる可能性も考えるとダンジョン外ではまた制限ありのまま戦うハメになるのか
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ