表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
482/528

総力戦⑥

 戦いはすでに終盤。

 お互いかなり消耗しているが、巨人たちは残り三体しかおらず、盤面はこちらが有利。

 最後の悪あがきにのみ注意して、この三体をできるだけ同時に倒したいと考えている。


 俺たちは巨人の足を殺すべく、足の防具を破壊する。

 敵にそれを防ぐまともな手段がないため、時間さえかければ確実にいける。


 そう。

 そこまでは上手くいったんだ。

 相手の最後の手段、それを防げなかったというだけで。





 それは巨人の足防具を三体とも破壊して、そろそろ足を斬り、止めというタイミングだった。


「オオォォォォォーーッ!」


 巨人がまた叫んだかと思うと、こいつらはここまで一度も使っていなかった、あの幻覚攻撃を受けた。

 今度のターゲットは俺ではなく三人娘。

 三人それぞれが、死のイメージを叩きつけられたのだ。


 それで行動不能になるほどの影響はない。

 しかしさすがに複数回の幻覚攻撃は効いたようで、数秒だけ動きが止められてしまった。

 情報量が多かったため、今回は情報の整理にさっきよりも時間がかかったようである。


 相手にとってはその数秒だけあればよかった。

 その隙をついて、光織に二体の、晴海に一体の巨人が攻撃を仕掛ける。

 巨人のハンマーが振り下ろされた。



 晴海は何とかなる。

 盾で攻撃を反射するのが間に合いそうだ。


 しかし光織はどうにもならない。

 全く反応できないわけではないが、それで回避できるのは一体分だけ。もう一体のハンマーまでは躱しきれない。

 六花もこれはフォローしきれない。


「穴!」


 光織が自力で躱せないなら、躱せる状況を俺が作るしかない。

 俺は光織の足元すぐ近くに魔法で穴を掘り、そこに逃げ込めば回避できるという環境を作る。


 あとは巨人どもに追撃をさせないための手を打たなきゃな。

 穴に逃げ込むのは緊急回避としては便利だけど、その後の逃げ場がないので、次の攻撃を回避できなくない。

 俺の指示で光織をやらせるわけにはいかないんだ。


 だからすぐにでも巨人の足を斬り落とす。

 そうすれば敵はもう攻撃できなくなる。


「六花、晴海!!」


 もちろん俺一人で巨人三体の足を斬るなんてできないので、二人の力も借りる。

 一人一体。それで十分。


 足を斬れずとも、そうすることでこちらに意識を向け、光織を守る。

 それでいけると思ったのだが。巨人の方も覚悟を決めていた。


「グルァアァッ!」


 防御を一切考えない巨人のハンマーが再び光織を襲う。

 勝つためではない。俺たちに、一つでも大きな傷を与えるためだけに。


 光織も何もしなかったわけではない。

 穴から出てすぐに攻撃が来る可能性を考えていなかったわけではない。

 ただ、巨大質量であるハンマーに対抗するパワーが足りていないというだけで。

 回避行動をとるには場所が悪いというだけで。



 そうして。

 巨大なハンマーが。

 光織の頭上に振り下ろされ、光織は大ダメージを負った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ