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ある意味ではソロ挑戦①

 教授二人の力も借りて、行動計画書を提出。

 計画書に合わせた準備をして、ダンジョンにやって来た。





「まずはロボットだけでダンジョン入りした場合。

 ……セーフ、と」


 一番大事なこととして、最初に「ロボットは人数に入りますか?」という確認。

 この認識のされ方が分からないことには、国に報告する今後の情報があやふやになってしまう。

 前提条件の確認は必須なのだ。


 さすがに人格無しのロボットがカウントされるとは思わなかったので、比較的「若い」タイタンを生け贄(水増し要員)に、ロボだけで21人送り込む。


 すると、ダンジョン内部はいつも通りという報告が返ってきた。

 出てくるモンスターは変わらず、リザードマンとかだけだった。

 ドラゴンと戦うのは難しいメンバーだったので、入ったメンバーはレドームによる敵の確認だけして、一度も交戦せずに帰還してきた。



 今回の実験は、及川教授から「少人数でダンジョンに挑む時の絶対条件」として突きつけられた試験となる。

 「これをやらないなら会社としてラスダン攻略の許可は出せない」とまで言われ、やっている。

 これは企業イメージとかそういう話ではなく、本人の信条による発言である。


 及川教授は、元々被災地などで、人が入り込めない場所にいる要救助者を助けるためにロボットを開発していた人だ。

 そんな及川教授にしてみれば、ロボの助けを得ようとせず命のリスクを背負うなど認められないというのは理解できる。

 俺としても、不要にリスクを背負う気はないので、忠言に従った形だ。



 なお、実験の中には俺が却下してものもある。

 水増しを、人間で行う方法だ。


 人間だけがカウントされる場合、入り口近くでキャンプする人間を20人集め、通常の状態を維持しつつダンジョンに挑むことすら会社から提案されていたが、さすがにそれは無理があるだろう。

 護衛のタイタンを置いていくとしても、何が有るか分からないのがダンジョンだからだ。

 これで入り口近くの待機要員に被害が出ようものなら、俺とかが社会的に腹を切って詫びねばならないほどの騒動が予想される。


 そんなリスクを背負うぐらいなら、俺がソロで挑んだ方がマシというものだ。

 少なくとも、その方が勝算が高いし、自分の実力次第なので気が楽である。





 次は「人間は俺一人、他はロボだけ」でのダンジョン攻略を始める。


 と言うのも、さっきの実験が本当に正しいのか、ハッキリしない部分があるからだ。

 現在「21人以上で攻略すれば安全」というのと「8人以下で挑戦すると誰も帰ってこれない」のが分かっているが、この「8人以下」の部分が「1~8人」ではないという保証が無いからである。

 もしかするとロボットが0人としてカウントされ、特殊条件が発動しなかったケースが考えられるのである。


 もしかすると「2~8人」かもしれないし、そうでないかもしれない。

 単純にロボットがちゃんと人員としてカウントされた可能性もある。

 それは、結果を見て判断するしかないだろう。



 この手の実験は、やらないことには結果が分からない。

 俺たちが居なくなったら、帰ってこれなかったら、大きな騒動になると思うけど。それでも、どこかで誰かがやるべき事で、挑戦できる位置に俺がいる。

 未知へ挑むという行為に、ワクワクしている自分がいた。


 「好奇心、猫を殺す」と言うものの、俺はそれでも、ラストダンジョンに足を踏み入れた。

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