表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
352/528

次の目的地③

「次に向かうダンジョンが決まりました。自衛隊の確保している、高難易度ダンジョンです」


 適当なダンジョンで日銭や魔石を稼ぎつつ、待つこと2週間。思ったよりも早く、自衛隊からお誘いが来た。

 自衛隊はお役所仕事であり、軍隊のような大規模集団なので、作戦というか長期の行動計画がきっちりと決まっている印象だったんだけど、かなり融通を利かせてくれたようだ。


「販売しているタイタンの納期短縮、値引きなど、短期間のサービスではありますが、鴻上さんが水面下でかなり交渉をしたようですよ」

「……後でお礼を言いに行きます」


 もちろん、こちらだけでなく相手にとっても利益があるからこその、迅速な対応だ。

 その利益を提供させてしまった会社には悪いことをしたな。埋め合わせに、頑張ってダンジョン攻略しないと。

 せっかくの機会だ。存分に活かしてみせよう。





「ふむ。それで、行先はどのようなダンジョンなのだね?」

「ミミズ、ワーム系モンスターが多数出るところみたいですね。以前、地中の敵を探るためにアースソナーを依頼されました。

 在庫があるので、3つほど用意しておきました」


 今度のダンジョンは、レアな鉱石のドロップが期待できるミミズの出る、荒野風のダンジョンだった。

 遮蔽物は特に無く、地上にコヨーテ、空からハゲワシ、地中から巨大ミミズのワームという、敵モンスターの配置が面倒くさい構成のダンジョンである。

 自衛隊の隊員からも不人気らしく、不満を減らすため、融通を利かせるのにちょうど良かったようだ。



 もちろん、ダンジョンの攻略難易度に関してはかなり高めである。

 敵の主力であるワームは、普段は地中にいるし、体液が強酸性で、生命力が強いため、ボスではなく雑魚とはいえ、ウッドフェンリルと戦うよりも苦戦すると評判である。

 単純な戦闘能力の問題ではなく、他の敵モンスターとの連携や能力の特殊性が原因であるが。


 まぁ、ラスダンでは知恵の回るドラゴンと戦わねばならないので、こういう連携力のある敵と戦うのはいい練習にはなるだろう。



 なお、このダンジョン用の対策装備は万全である。

 自衛隊にロボットを卸している関係上、自衛隊が行くダンジョンに関しては専用装備作製の相談を受けており、オプションとしてあらかた開発済みだからだ。

 そしてこちらとしても、いつか情報が足りない新規ダンジョンに挑む時の対策として使えるので、いくつか自分たち用に確保している。


 悪臭煙幕弾(コヨーテ対策)対空迎撃の短槍(ハゲワシ対策)、そしてアースソナー(ミミズ対策)は必携である。

 他にも、ロボ用の耐酸性コーティングやその補修材、自分用の対酸中和剤とバトルクロスに使う空気洗浄フィルターなどが持ち込まれる。


 装備開発後もブラッシュアップを欠かしていないので、これらの装備は完全に実用に足る性能を持っているよ。機密情報の絡みもあり、ある程度制限付きとはいえ、データの吸い上げもしてあるので、三人娘やタイタンたちなら即時対応も可能だろうね。

 万華鋼装備などは封印するけど、光織たちはそこまで苦戦しないんじゃないかな。


 しかし悲しいことに、序盤はみんなが俺のお守りをすることになると思っている。

 予習はするけど、地中からの敵と戦うのは初めてなので、俺だけは完ぺきにこなせず足を引っ張るだろう。

 やった事がないので、無駄に自信たっぷりに「俺なら大丈夫」などとは考えていない。


 自分の命がかかっているのだ。「仲間にお願いなど格好悪いからしたくない」等と言うような、下手な見栄を張らず、素直に対応するよ。

 それができないなら、何のための仲間だというのか。



 元より、三人娘らには頼る場面が多くあった。

 けど、今回は過去一番の依存をすることになるだろう。


 精々、彼女らに愛想を尽かされぬよう、出来る範囲で無理なく頑張るとしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ