表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
339/528

想定された強敵②

 攻撃反射能力。


 自身に向けられた攻撃を、攻撃してきた相手に押し付ける能力だ。

 ダメージは攻撃した側が全負担という頭がおかしくなりそうな能力ため、痛み分けなどの対策もできない。


 更には「攻撃によるダメージは、反射する側(ティターン)の防御力ではなく攻撃した側()の防御力」のため、下手を打てばただの自殺になりかねない。


 ラノベのチート主人公かと言いたくなるような強い能力なんだけど、残念ながら無敵でもなんでもないし、攻略方法はいくつもあるのだ。





 俺は魔剣から魔法剣に装備を交換。この敵が出てきたときにはこうすると、予め決めておいた手順で動く。


「『落とし穴』に落ちろ!」


 反射無効攻撃、その1。落とし穴。

 直接攻撃したらアウトなら、間接的に攻撃すればいいのである。


 落とし穴の落下ダメージは、高いところからの飛び降りに失敗したようなもので、“俺が直接攻撃したわけではない”。

 中には因果律とか敵意をベースに反射してくる猛者もいるかもしれないが、今回はそれに当てはまらなかった。

 深さ10mの細い穴に落ちたティターンは、その最中に穴の壁を壊してしまい、そのまま生き埋めになった。


「残念。溶岩を流し込んでやりたかったんだけどな」


 追撃に、穴に溶岩でも流し込んでやろうかと思っていたが、穴は塞がってしまったので、それはしばらく諦める。

 俺はティターンが出にくくなるようにと、溶岩ではなく『泥沼』の魔法で周囲を柔らかくする。

 トン単位の重量のティターン相手なら、下手に地面を固くするより、こうやって泥にしたほうが出にくくなる。まぁ、表面は蓋として広めに固めておくけどね。





「じゃ、腕は任せる」

「「まっ!」」


 次の対策は、上手くいくかどうかは五分五分である。

 俺は片腕を外したタイタンたちにティターンを任せることにした。


 攻撃反射能力だけど、これは腕を攻撃したら腕に、胴体を攻撃したら胴体にと、同じ場所に攻撃を反射する。

 そこで思い付いたのは、攻撃する予定の腕を外してから攻撃させるというもの。反射する対象が無ければ反射されないかと考えたのだ。


 これに関しては実験も何もできないので、ただの推測推論である。

 俺が所持している攻撃反射の装備は『壁』であり、壁のどこを攻撃したら腕判定になるのかなど分かりはしない。

 それに腕以外にダメージが通る可能性もゼロではないので、本気の一撃は行わず、当てることを重視した軽めの攻撃で試すようにも言い含めておく。


 もちろんその間に、三人娘と腕を外さないタイタンたちで、残りのティターンを片付けておいたよ。



 そうやって準備をしていると、泥沼の端のほうから蓋をガンガンと殴る音が聞こえてきた。

 蓋は土を固めただけなので、攻撃されるたびに割れているが、割れる端から固め直しているのだ。ついでに泥沼も広げてやり、準備が終わるまでの時間を稼ぐ。魔力消費がキツいけど、多少の無理はするよ。


「右手!」

「まっ!」


 そうして準備が整えば、ティターンの脱出を見逃して、攻撃を行わせる。


 右腕を外したタイタンが左腕で槍を振るい、ティターンに神速の一撃を加える。

 速さ重視でジャブのように軽めの一撃ではあったが、槍は確かにティターンを捉えた。


 が、攻撃は反射されなかった。

 外した腕にも影響はなく、ノーダメージ。そして、ティターンの装甲に僅かな傷が付いた。

 こいつの攻撃反射は、相手が同部位を持たなければ効果を発揮しないようだ。


 ……これ、同じ能力を持たせたタイタンがドラゴンを相手にした場合、攻撃は反射できるのか?

 なんか、出来なさそうな気がしてきた。



 余計な事を思い付き思考が逸れたが、軌道修正しよう。


 まずは両腕を破壊し、攻撃能力を削ぐ所までは安全にできそうだ。

 ただ、その後が難しい。


 準備さえすれば、腕に続き足も破壊できるだろう。

 しかし、さすがに胴体を外すなんて出来ないので、そこまでである。

 落とし穴で完全破壊を目論むのも、まぁ無理だろう。


 最後の一手をどうするか。

 いくつか手段は考えてあるので、そのどれにするかを考えないといけない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ