第6セット、大人気ない大人
ゴールデンウィーク初日の練習を終えた千明たち
最終日ではランキング戦を行う
5月5日、午前9時
高梨先生「はい、号令河西くん」
河西「気をつけ!礼!お願いします!」
部員「お願いします!」
高梨先生「今日は準備運動の後は基礎打ち、その後は試合形式でランキング戦を行います」
基礎打ち…ドライブ、ヘアピン、プッシュ、ドロップ、スマッシュ、クリアーの一通りのショットをやる準備運動
一輝「うり、うり、この速さが限界かぁ?」
ペアで余った千明は一輝と基礎打ちとなる
パーン、トンッ、パーン、トンッ
そしてプッシュで千明を追い詰める一輝であった
千明「ぅリャ!」
一輝「おっと」
ロブを上げる千明、しかし一輝はハイバックからドロップを打ちすぐさま戻る
千明「…ちっ」
一輝「おぢさん中1ごときに負けないもんねー」
千明「クキェー!いつかコテンパンにしてやる」
一輝「ベロベロベー」
…………
高梨先生「はい、それではランキング戦を始めます。1年生はまだ全面では厳しいので半面、横のラインはダブルスのラインで行います。審判と線審は空いている人たちで持ち回るように」
試合形式は11点1セット
3年生男子は2人なのでフルセット、3年生女子は3組リーグ戦からの上位1位3人で順位決め、2年女子小野胡桃は3年生チーム、残りは総当たりリーグ戦、1年生女子も多いのでリーグ戦からの順位決め、男子は総当たりリーグ戦となる
……………
3年生男子
河西11-3山崎
河西11-4山崎
3年生女子
中澤11-9小野
1年生女子
牧原11-7岡本
岡本11-9宮田
…………
そして1年生男子
河西千明-佐々木
一輝「きゃー!千明ちゃん頑張ってー!」
千明「死ね!今すぐ死ね!」
千明からのサーブ
女子もそうだが、1年生のこの時期ではサーブの高さも距離も正確じゃない
故にラリーはそんなに続かない
千明「(…あっ)」
佐々木「うら!」
パンッ!
千明のフォア側にスマッシュが決まる
千明9-11佐々木
………
金子-田中
金子「ぃよし!」
金子11-4田中
………
伊藤-千明
伊藤「ンっ!」
パンッ!
千明「らっ!」
スマッシュをフォアハンドでロブを返す
伊藤のスマッシュは速いといっても、それは中1の中では速いレベル。千明は父親と練習をしているので目は慣れている
千明13-11(デュースのため)
………
佐々木11-4田中
伊藤11-9金子
千明11-3田中
金子11-7佐々木
千明11-8金子
伊藤11-3田中
伊藤11-8佐々木
………
1位、千明3勝
2位、伊藤3勝
3位、金子2勝
4位、佐々木2勝
5位、田中0勝
勝敗数、さらにら直接対決で勝っている方が上位
となった
………
高梨先生「はい、それでは終礼です。今回のランキングで夏の大会に申請しておきます。コーチ何かありますか?」
一輝「そうですね…まあどのレベルでも言えるのは、今日を振り返って良かったところ、悪かったところをよく考えて、どこを補うか、伸ばすかだと思います。1年生は…まだ基礎の段階だからミスの無いショットを心がければと、思います」
高梨先生「はいでは号令、河西」
河西「気をつけ!礼!ありがとうございました!」
部員「ありがとうございました!」
………
河合家
一輝「おい千明、今日から筋トレのメニューにリスト筋力アップのメニューを付ける」
千明「え〜」
一輝「るせーな、必要なメニューだから毎回やれ」
一輝「ラケットを持って腕を水平にして左右に振る。これを1分3セットだ」
ブンブンブン…
一輝「…30秒」
千明「(…段々…キツくなってくる)」
一輝「おい腕を下げるな、スピードも落とすな」
千明「グ…ギ…ギ…」
一輝「3…2…1…終了」
千明「グゥ〜」
一輝「普通はこれをやるんだが…お前はさらにラケットカバーを付けてやる」
千明「はあああ!?」
一輝「………夏の大会の団体戦は2ヶ月後だ。山崎くんは公式戦で1度も勝ってない。おそらく個人戦も厳しい。だがダブルスのパートナー次第ではチャンスがある。…わかるな?」
千明「………」
そう、団体戦では1年生から3人出る
勝ち抜くにはシングルスを河西にしなければならない
1年生メンバー内の競争だけではない。その先を見据えて、その未来との闘いを告げられたのだ
ランキング戦では1位となった千明
その後トレーニングを追加となり、夏の団体戦へ向けて地味なトレーニングばかりとなる。しかしそれは着実に力を付け、試合に挑む事となる
その力は…「音」となる…
次回!酷暑の極み!