第3セット、春大会
第3セット、春大会
4月3週目
部活保護者会
高梨「という事で、バドミントン部の部費は月3千円になります。前年度の予算を見てわかるように、ほとんどがシャトル代となります」
高梨「年間予定としては春、夏、秋の新人戦、冬と、概ねその辺りに大会がございます。あと冬にはオープン戦としてフジ杯というのもございます。こちらは公式戦ではありませんので引率はありません。各自の行動となります」
高梨「何かご質問がありますか?」
一輝「立川オープンは出ないんですか?」
高梨「んー、一時期出ていたんですが…ほとんどが一回戦負けしてしまうので…」
一輝「まあ3部とはいえ年齢制限とか無いですからね」
高梨「他には?」
一輝「あ、土日とかに部活見に行っても良いですか?」
高梨「ええ、河合くんのお父様ですよね?でしたら是非、教えて頂ければ…」
一輝「ほーい」
高梨「それでは部活保護者会を終了とさせていただきます。ラケットやシューズなどは部活で一括注文いたしますので必要な方はご記入して生徒さん経由で渡していただければと思います」
教室、1組
佐々木「ち〜い〜ちゃん」
千明「ん?」
佐々木「俺もバド部にするからよ」
千明「え?ホント?」
佐々木「てゆーか仮入部にいたやつらみんな入るってよ」
千明「え?やったー!」
佐々木「そこまで喜ぶ事かよ」
千明「だって5人いれば団体戦も出られるじゃん!」
牧原「あ、あたしもバドミントン部にしたから。よろしくね、ちーちゃん!」
佐々木「ええ〜お前も入んのかよー。お前は柔道とか格闘技じゃねーのかよ」
牧原「ああ?」
佐々木「うーわこえ」
牧原「佐々木キンモっ」
佐々木「るせーよ!」
千明「よろしく、牧原さん」
………
4月4週目ゴールデンウィーク最初の日曜日
◯◯スポーツセンター
一輝「…えー、引率になりました河合です」
そう、春大会である
一輝(なんでいきなり引率させんだよあの顧問…しかも芋臭え男子の面倒見るとかよぉ…)
一輝「えーと、とりあえず3年生の2人の試合、まあどちらもシングルスだけど、とにかく怪我をしないように。最終目標は夏の大会だから」
河西、山崎「はい!」
一輝「1年生は3年生の応援をぜっっったいにすること。放送をよく聞いて試合だったらコートの横で応援、わかったな」
1年生「はい!」
一輝「あと千明はもし先輩が負けた時の審判はお前がやれ。他の部員は出来ないからな。線審でいいから」
千明「は〜い」
春の大会
シングルス、ダブルス、団体戦があり、個人戦はベスト8までの予選を1日で消化する
競技人口が多いためシングルス、ダブルスでの会場も分かれる
ここでベスト4まで行けば都大会進出となるが、そこまでには5〜6試合の消化が必要になるため大会が終わるのは夜7〜8時になる場合もある
一輝(はーあ、コーチとはいえ申請出してないからコーチ席座れねーし、体育館は相変わらず臭えしテンション上がらねえなぁ)
放送「5中、河西くん、3中、高田くん、第3コートです」
一輝「あ、練習用のシャトル持ってきてる?」
河西「はい、大丈夫っす」
一輝「よし、まあ…頑張れ!」
河西「うっす!」
基礎打ちを始める2人
一輝(んー、身体も出来てるし基礎も何とか。あとはガッツでやるしかないのかな?)
一輝(相手の子は…んー、部活熱心じゃないのかな?基礎も出来てないし…やっと打てるレベルか)
一輝「まあそんなもんでいいんじゃない?」
河西「うっす!」
一輝「ま、相手のレベルはそうでもないし、気楽にね」
河西「うっす」
審判「集まってください」
ネット越しに集まる2人
審判「じゃんけんしてください」
河西パー、高田グー
審判「どうします?」
河西「サーブで」
審判「オンマイライト、河西、オンマイレフト、高田、ラブオールプレー」
河西「しやっす、しやっす」
各審判に頭を下げる河西
ロングサーブの体制に入る河西
河西「はい!」
高田「はい!」
バドミントンは部活レベルの場合、気合いを入れるために声出しをする。それは相手に威圧感を与えたりもするし、自分を鼓舞させるためのものでもある
1年「いっぽーん!」
一輝(んー、ロングサーブかぁ…)
3年生の戦いが始まる
暑い初夏の戦いが
登場人物
河合千明(主人公)、1組
河合一輝(主人公の父親)
佐々木翔平(部員)サウスポー、1組
金子勇人(部員)体力バカ、エロ、2組
田中祐希(部員)チビ、3組
伊藤和馬(部員)パワー系、無言、3組
牧原飛鳥(1年女子)1組
宮田ひなこ(1年女子)2組
岡本萌(1年女子)3組
小野胡桃(2年女子エース)
河西陸(3年生男子)
山崎那月(3年生男子)
中澤麻耶(3年生女子キャプテン)
高梨修一(部活顧問)58歳