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追放されなかった男~二度目の人生は土下座から始まりました~  作者: あらまき
二度目の元勇者、三度目の元魔王

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星の名を持つ少女


 暖かかった。


 伝わって来るその心が暖かすぎて――その気持ちに抱かれ、このまま溶け消えてしまいたいと願う程に。

 これだけ想われていたなんて考えた事さえなかった。

 だからこそ、ステラは何か起きたのかを理解出来ていた。

 今この身がどうして輝いるか。

 それは、クロスが明確に勘違いをしているからだと。


「ダイザン、少し任せて良い?」

 ステラの言葉にダイザンは頷いた。

「うん。それどうにかしないといけないよね」

 全身が発光するステラにそう思うのはしょうがないだろう。


「違うよ。信じてるって伝える為に行くんだ」

「だったら、この場は任せて」

「うん。お願いね」

 そう言葉にし、ステラはクロスの元に向かって――いや、帰っていった。


 ステラは彼の傍に辿り着き、そしてその名を呼んだ。

「クロス」

「すまんステラ! 何かとんでもない事してしまった!」

 ぺかーと輝くステラを見ると、クロスにはもうそうとしか言えなかった。

 ちなみに、とんでもなく明るいのに何故か全く眩しいとか目が痛いとかそんな風にはなっていなかった。

「ううん。それは良いよ。でもとりあえず一回解こうか」

「……わからぬ。どうしてそうなったかも……解き方も……わからぬ……」

 しょんぼりしながらクロスは呟いた。

 クロスには、何がどうなっているのか何一人理解出来ていなかった。

「そか」

 そう言って微笑んだ後、ステラは当たり前の様に、自分の光を消してみせた。


「……ステラ、そう言う魔法的な事出来るんだな」

「ううん。私は出来ないよ。ただ、わかるんだ。何が起きて、どうなったか、それを知った私には……」

 ステラはクロスの側面に移動し、その腕を抱きしめながら上を指差した。


「クロス。いつもみたいにお話しよう。星の話を」

「ステラ。今はそんな時じゃ……」

「ううん。今じゃないと駄目なの。クロス。空を見て。そして何が見える?」

 クロスはステラに付き合い、空を見る。

 空には相変わらず、星と星が繋がり祈りを捧げる女神の星座が映っていた。


「クロノス座が見えるな。前ステラと話してた、俺オリジナルの星座が何故か」

「うん。私にも見えるよ。だけどねクロス。もっと良く見て。空を。……()を……」

「ステラ?」

「きっとわかる――ううん、本当はちゃんと気づいてるのに、わからなくなってるだけ。だから……もっと……」

 そう囁くステラは頬を上気させ、どこか高揚している様だった。

 嬉しくて嬉しくてたまらない、己の感情に耐えきれず身もだえする……そんな雰囲気。


 もしも自分達だけだったら、思わず抱きしめてしまっていただろう。

 そうな、背筋が震える様な艶めいた表情をステラはしていた。


 クロスはステラから目を反らす為に、空を見る。


 空には相変わらず、女神の星座があって……そしてその傍に……。


「ああ――そうか。だからか……」

 ステラ程直接理解した訳ではない。

 未だにわからない事の方が多い。

 だけれども……クロスは自分の勘違いに気がついた。


 クロスはクロノス神の星座から力を借り魔法を発動したつもりになっていた。

 いや、それ自体は間違いない。

 だが、そこにもう一プロセス挟まっていた。

 そしてそれを知覚していなかったからこそ、ただステラが光るだけという良くわからない状態になった。


「クロスにとってさ、クロノス神って、星と呼ぶよりも太陽なんだよね。全ての源であり、生き方の道しるべ。だからさ、クロスにとって本当の星は……」

 何故ステラがこれだけ上機嫌なのか。

 何故ステラが全てを理解出来たのか。


 話の基本は、そう難しくない。

 要するに、クロスがどの位大切に想っているかと言う事。

 本当に、ただそれだけ

 即ち、クロスにとって星とは……。


「……そうだな。うん。今なら見えるよ。クロノスの星座の傍に、誰よりも強く輝く勇気の星。そう、俺にとって星と言えば……そうだよな」

 そうして、クロスは空に手を伸ばし、星を掴む様に握る。

 ずっとずっと追い続けて……それでも追いつけなかった、その星を。


 星座にではない。

 力を借りるのは、ただの一番星。

 この夜空で最も美しく輝くそれは――。


星光(ステラ)


 邪道である天体魔導から更に外れ、邪道を極めたその力。

 人に生まれ、勇者と共に旅をし、人に殺され魔物へと転生し、魔王と共に生き、そして再度魔物に生まれ直すなんてあり得ない程数奇な道を辿って来たからクロスにとって、その邪道こそが王道となる。

 その辿って来た道こそが、クロスという男を示しているのだから。


 魔法という既存のルールを無視し、あらゆる特異状況、能力、重たすぎる感情が絡み合い生み出された、魔法とも技術とも奇跡とか言えるそれ。

 それこそが、クロスの魔導となる。


「それは希望の星、憧れの星。常に我が前を輝く美しい光。俺を照らし俺に世界を伝えてくれた。その背中が俺を導いてくれた。彼女こそが、俺にとっての星だった――」

 自然と言葉が、いや想いが紡がれる。

 胸の内から溢れ出る憧れが星へと昇華される。


 それは、クロスの為だけの魔導。

 故にその名前は……。


『クロス・ブラッド』

 呪文が発動し、星の力が宿る。

 空に最も美しく輝く、クロスの一番星。

 その力はクロスにではなく、ステラが選ばれる。


 勇気の星という言葉が相応しい存在。

 そう、クロスが心から信じるからこそ、力はステラに降り注いだ。




 嬉しかった。

 ただただ嬉しかった。

 星空が大好きなクロスが自分を星と例え、そしてずっと見てくれていたとわかったのだから。

 誰よりも勇者として相応しいと信じてくれていたのだから。

 例え、力を失い女となっても。

 そして、この力が発動したという事はそれが嘘偽りなき真心であるという事を意味していた。


 それは、どんな愛の言葉よりもステラの心を溶かした。


 クロスにとって自分は憧れの星だった。

 誰よりも強く、誰よりも優しく、そして誰よりも正しい。

 憧れの力はここに生み出され、憧れが具現する。

 その名前こそが『勇者クロード』。


 それは今でも、クロスの目標そのものだった。

 クロスの求める力は、クロードの力そのものと言っても良い。


 だからこそ、その力は強大な物となる。

 クロスの願いと、ステラの希望。

 双方向の感情の一致による、共有の想い。


 クロスは、最も偉大なる存在であるとして一番星とした。

 ステラの希望は……『男として、女として、友として恋人として、クロスの希望全ての姿で傍に居続けたい』

 だからこそ、本来ありえない奇跡が形となる。


『ステラを一時的にクロードに戻す』

 最高最強の勇者を全盛期で呼び起こす。

 ステラに与えられた力は、そういう奇跡であった。


 だが――。


「そうじゃない。それじゃあ駄目なんだ」

 直感と、気持ちと、そして与えられた愛情から、ステラはそれを否定する。

 男に戻る事が嫌な訳ではない。

 クロードとなる事は、ステラである事と同じ位に大切な事でもある。

 男として、女として、両方の一番を独占したいと願う位に、ステラは強欲だった。


 故に、嫌だから否定する訳では、決してない。

 自分が男なのか女なのか、気持ち悪がられていないかなんて悩みは、別に今に始まった事ではない。

 悩まなかった日は、今日まで一日たりともなかった。

 そう、感情が理由ではない。


 心から嬉しい勇者クロード(クロスの憧れ)を、クロスの為にステラは拒絶した。


 そう……そうじゃないんだ。

 クロスから与えられる物を受け取り喜ぶだけじゃあ、もうダメなんだ。


 そんな一方的な関係だったから、あの時クロスを助ける事が出来なかった。

 四人共クロスさえいれば良いと願ったから、その他大勢の雑種にクロスは殺された。


 だからこそ、ステラは共に生きる為、更にその先を目指す。

 クロスの憧れという虚栄の勇者ではなく、本当の意味でクロスの為に生きる覚悟。


 あるがまま、この愛すべきステラという名前と共に、クロスの為になる事は何か……。

 一方通行の感情を愛と呼べない物だとすれば、この時ステラは初めて、本当の愛をその身に宿した。




 空が、輝いた。

 一番星の傍に、もう一つ小さな星が。

 そしてその星は徐々に落ちてきて……そして……。


「クロス。受け止めてあげて」

 そう、ステラは微笑み呟く。

 その直後彼女が現れ、クロスは慌て落ちて来た少女を抱き止めた。


 その……ステラと同じ顔をする、彼女を。


「……え?」

 抱きしめられ、御姫様抱っこされながらニコニコする彼女。

 ステラと同じ顔、同じ髪。

 強いて違う所と言えば、服装位。

 もう独りのステラはメイド服を着ていた。

 あの時と同じ様に……。


「さっきぶりで、久しぶり」

 少女は、見慣れた笑顔でそう口にした。

「……君は……一体……」

「ステラであり、ステラでない何か。あの時いたもう一人の私であり、そして今この時生み出された新しい何か。本物でもあり、偽物でもある。命はあるけど、生きてはいない。でも……一つだけ確かな事はあるよ」

 そう言って、少女は微笑んだ。

「ただいま。寂しがってるクロスの元に帰ってきちゃった」

 状況が理解出来ない。

 だが……流石に二度目であれば、クロスも何をすれば良いか、何と答えれば良いか、女心がわからなくても理解出来た。


「おかえり。会いたかったよ」

「知ってるよ。見てたから」

 そう言って、ステラはクロスの胸に顔を埋めた。


「嫉妬はしないけど、ちょっと寂しいかな」

 元々のステラは苦笑いを浮かべそう呟いた。


「別に良いじゃない。私は貴女なんだから」

「そうだね。だけど、それはこの時まで、でしょ?」

「まね。ねぇクロス。私にも名前を頂戴。ステラみたいな綺麗な名前を」

 そう、抱かれるメイド服のステラが言葉にした。


「名前?」

「うん。私という個体を示す単語。私という機能を表す言葉。もしも(イフ)を実際に起こした本来居てはいけない私がクロスに会う為の、呪文としての名前を頂戴」

 そっと、クロスは少女を見つめる。


 今この時生まれた彼女。

 ステラという存在の一つ。


 それを見た時、クロスの言葉に一つの言葉が宿る。


『クロス・ブラッド:もう一つの星の光(ミーティア)

 星の力を宿した魂。

 いないはずの双子星、奇跡の子。


「……ミーティア。君の事をミーティアと呼んで良いかな?」

 ミーティアは、その名を受け取った。

「うん! みーちゃんでも良いよ」

「そか。じゃ、みーちゃんと呼ぼうか」

 そう言って、クロスはミーティアの頭を撫でた。


 恋人の様にでもあって、宝物の様にでもあって……。

 だけど一番近いのは、きっと娘の様にだろう。

 そんな、甘く優しい撫で方で、ミーティアを撫でた。


「じゃ、改めて自己紹介。ミーティア・()()()()()。クロス以外の皆には()()って呼んで欲しいかな。と言っても、そんな話す事はないと思うけどね」

 そう言って、彼女は笑った。


「じゃ、行こっかオリジナル」

「ん。行こうかイフ」

 その言葉の後、彼女達は並び巨大な敵の元に駆けだした。




 ミーティアはあり得ない奇跡から生まれた存在である。

 だが強さで言えば、実は大した事はない。

 クロードと比べられないのは当然、今のクロスと比べても実力は落ちる。


 とにかく貧弱で筋力がなく、魔力が乏しく、それでいて体力も低い。

 虚弱こそ脱したものの未だ低迷するステラの身体能力と経験をそのまま引き継いでいてるのだから、ミーティアがステラより強い訳がなかった。


 だからミーティアがいた所で戦力的にはステラが増えただけであり、そう大きな事にはならない。

 これは戦闘用に考えた奇跡ではなく、あくまでクロスを愛するステラの想いより生み出された願いなのだから。


 それでも……ただ一点。

 彼女達は、他の誰もが到達出来ない深奥とも言える力を宿している。

 その、二つで一つという特異性故に。


 彼女達はまっすぐ走り、巨大なその体より振り下ろされる腕を避け、その腕の上に乗り走る。

 全く同じ動作で、彼女達は腕を駆けあがり、肩に移動してから左右の肩に別れる。

 そして両肩を同じ動作で、彼女は剣で凪ぐ。

 ミーティアの手にはミストルテインと全く同じ形状の、半透明の剣が握られていた。


 肩に小さな切込みが入るが傷はすぐに塞がる。

 サイズ差もありその攻撃はまるで有効打となり得ない。

 そして巨体はステラ達を潰そうとその手を肩に叩きつけた。

 まるで蚊を潰す様に。 


 ステラ達は無数の押しつぶす平手を軽々と回避し、くるりとターンしながら剣を振る。

 まるで自分がコンパスに成った様に、まるでダンスを踊る様に。


 優雅で、軽々と。


 確かに、彼女達の実力はそう高い物ではない。

 だが、ある一点において彼女達は世界で最も優れていた。


 全く同じ身体能力を持ち、全く同じ思考回路をする。

 つまり、彼女達には連携という言葉さえ足りない程の先の概念に到達していた。

 完璧なる連携の更にその先、それを言葉にするならシンクロとでも呼ぶべきだろう。


「オリジナル」

 ミーティアがステラを呼ぶとステラは頷き、ミーティアの腕を取る。

 そして腕を掴んだままぐるぐると回転し、ステラはミーティアを虚空に投げ飛ばした。

 その方向には……。


「クロス、受け止めて!」

 ニコニコしながら両手を前に出し飛び込んで来るミーティア。

 そのミーティアをクロスは抱きしめ受け止めた。


「な、何事!?」

「魔力補充!」

 そう言ってミーティアはクロスに頬ずりをした。

「……髭、痛くない?」

「ちょっと痛かった」

「ごめん。もっとちゃんと剃っとくよ」

「どっちでも良いよ。無精髭のクロスもワイルドで私的にありだから。じゃ、次オリジナル連れて来るから!」

 そう言ってニコニコした後ぴょんと跳びクロスから離れ、ミーティアは敵の元に戻る。


 そしてまた同じ様に敵の体に駆け上がり、肩に乗っているステラの手を強引に取ってステラをクロスの元に投げ飛ばした。

「ごめんクロス」

 受け止められ、抱きしめられながらステラはそう謝罪をする。

 そんなステラの頭をクロスは撫でた。

「何の謝罪か知らんが気にするな」

「ん。そうする」

 そう言って抱きしめられた後、ステラはクロスに少しだけ恥ずかしそうに微笑みながらそっとクロスから離れ、敵の元に戻って行き、また二身一体のコンビネーションを披露した。


「……微妙に性格違う気がするな」

 そうクロスは呟きステラとミーティアの様子を見る。


 ステラよりもミーティアの方が明るく活発な印象に移る。

 動物に例えるなら、ステラが犬っぽくてミーティアが猫っぽい。

 あくまで、クロスの所感だが。


「まあ、絶対的に違う点が一点ありますからね」

 横からエリーがそう呟いた。

「どこだ?」

「絶対に教えません。どっちにも失礼ですから」

「そか。んじゃ聞かない事にするよ」

「そうしてください」

 そう、それをエリーが口に出す訳にはいかなかった。

 クロードとして生きた末に女性に成ったステラと、ステラという最初から女性として生まれそのまま作り直されたミーティア。

 その性差が、コンプレックスとも言える悩みが顕著に表れているという事。

 それがどれだけ繊細な問題で、どれだけ根深い問題か理解しているエリーは言葉に出来なかった。




「まあそれはそれとしてクロスさん」

「ん?」

「役目なしから魔力タンクになった気持ちはどうです?」

「あー……うん。ちょっと空しい。このまま終わりそうなのもちょっと悲しい」

「良かった。私と同じ気持ちです」

「ところでさエリーさん。今更なんけど良いかな?」

「ん?」

「いや二体の連携見てて思ったんだけど……俺達、もう一つ出来る事あるじゃん」

「何ですか?」

 クロスはエリーの腕に巻かれた金色の腕輪を指差した。


 その、武器に変形する腕輪を。

 それは女性しか使えない特別な腕輪。

 だが、魔力を伴う道具を扱うのが苦手なエリーではほとんど出来る事がない。

 そういう道具なのだが……抜け道はあった。

 苦手部分をクロスが補助するという抜け道が。


「……それを俺が長距離用魔法銃に変形させてさ、エリーが魔力大量にぶち込んで俺が狙いを付けたら少しは役に立てないかな?」

 エリーはクロスを見ながら、微笑を浮かべた。

「……手札が多いと、使わない手忘れていきますよね」

「その気持ちは良くわかる。俺の限界がそこだったからな」


 クロスが器用万能に至れない、一番の理由。

 メリーという偉大なる指導者がいてもクロスの詰め込める量と活用できる量には限界があって、それ故に、クロスは指導半ばで完成してしまった事。

 だからこそ、そのエリーの嘆きがクロスには痛い程理解出来た。


 そして二体は同時に溜息を吐き、思っていた手段を実行する。

 悲しい事に、前衛がしっかり機能しているこの状況ではとても有効な手段だった。




 最も役に立ったのはダイザンだろう。

 盾役でありつつも最も多くのダメージを与え続けた。

 単純な相手に対しての身体能力の暴力は下手な小手先よりも強力だという実例とも言えるだろう。


 続いてステラとミーティア。

 身体上部を中心に細かい傷をつけ翻弄し続けた。

 壁役であるダイザン以上に敵の攻撃を集め、そして敵を何度も転倒させた。

 ダメージこそ少ないが塵積として考えたら相当量稼いでいるはずである。


 そしてクロスとエリーは遠くから大して効かないマジックガンをちまちま撃った。

 ダメージも貢献度も一番低いと言える。

 まあそれでも無駄と言う訳ではなくて……。


 合計戦闘時間、四時間弱。

 全身金属の雄々しき巨体はついに機能停止し、そのまま倒れ大地を揺らした。


 デカブツにとってのちまちました無数の攻撃はダメージになりはせずとも魔力障壁の消耗に繋がり、小傷は再生する度に魔力が減り、動く為に魔力が消費され……。

 つまり……。


「魔力切れ……ですねこれは」

 エリーは倒れる巨体を見てそう呟き、ぺたりと尻もちを付く。

 エリーの後に続く様、残り全員も倒れる様地面に座り込んだ。


 そして丁度そのタイミングで……。


「ねぇクロス。見て見て。日の出だよ!」

 唯一元気なミーティアはそう大声で騒ぎ、光を指差した。

「ああ。朝まで戦ってたのか……そりゃ疲れるわ」

「ふふ。お疲れ様。……じゃ、私はそろそろ消えるね」

「え?」

 一瞬真顔になるクロス。 

 それを見て、ミーティアは日の出の方に歩き、手を広げくるりと周り後ろにいるクロスの方に向きながら微笑んだ。

「今度は大丈夫。呼んでくれたら絶対また会えるから。……だから、会いたくなったらいつでも呼んで。()はいつでも待ってるから」

 そして、クロスがまばたきすると同時にミーティアは朝日に溶け込み姿を消した。


「……大丈夫? クロス」

 そう、心配そうにステラが尋ねる。

 クロスは微笑みステラの頭を乱暴に撫でた。

「大丈夫だよ。今度は寂しくない。また会えるらしいからね」

「なら、良かったよ」

 そう言って、ステラは嬉しそうに微笑んだ。


ありがとうございました。

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