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うさぎ  作者: 椿木るり
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私の家族

私の一番最初の記憶はお母さんのお乳を飲んでいたこと。まだ目も開いていなくてなんにも見えないけどお腹がすいて仕方なくて匂いを頼りにお母さんのお乳を必死で探したのを覚えている。暖かくて甘くて大人になってもたまに思い出しておいしかったな、また飲みたいなぁって思うの。


私には一緒に産まれた兄妹がいてお兄ちゃんと妹がいる。でも妹は生まれてすぐにしんじゃった。お母さんが妹を食べちゃったの。お兄ちゃんとは産まれてから3ヶ月くらい一緒に暮らしてたんだけど、飼い主さんを探すためにペットショップってところに連れてかれちゃった。一緒にに生まれた兄妹なのにどうして一緒にいられないんだろうって言ったらお兄ちゃんは、ぼく達は人間のために生まれてきたんだからしかたないんだよってもうきっと会うことはないけど元気に生きるんだよ って言ってた。

ほんのちょっとの時間先に産まれただけなのにお兄ちゃんはきっともう大人なんだろうなってすごく悲しくなったの。


お兄ちゃんがいなくなってからも私はずっと産まれた家にいてこのままお母さんとずっと一緒にいられるのかなって思ってたら今度はお母さんがいなくなることになっちゃった。その時私はどうしてみんな離れ離れにならないといけないのか本当に分からなくてお母さんに聞きたいこと全部聞いたの。


ねぇおかあさん、どうして家族で暮らすことが出来ないの?

私たちは人間のために産まれてきたからよ

おかあさんは人間のために生きてるの?

そうよ、人間のために産まれてきて、人間のためにお前たちを産んだのよ

じゃあどうして妹を食べちゃったの?


お母さんは最後の質問には答えなかった。ただ、お母さんと離れるその日ばいばいって挨拶したら、人間のためにお前たちを産んだけれども私のかわいい子供たちのこと誰ひとり忘れたことなんてないの、あなたにもきっといつかわかる日がくるわって言ってた。私にもお母さんの気持ちが分かる日が来るのかな。人間ってやつの気持ちがわかる日もいつか来るのかな?



つづきます

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