デッキの調整
「ああは言ったけどどうすっかな...流石に墓地ソースだけだと心元ないんだよな...」
俺は自室でデッキを見直していた。
余分なカードが手元にないので何もできないのが歯がゆい。
「新弾に入っていた魔界貴族・ヴェーラってカード試したかったんだよな」
俺はデッキの羅列を見ながら、家に置いてきた剥いていないボックスの事を思い出した。
「まあ今ないもんはしょうがないけど、それでもやっぱり調整したいよな〜」
色々考えていた構築が頭の中を巡り回っていると、ふとあることに気がついた。
「なんだこれ?」
自分の目線の下の方に+アイコンがあることに。
昨日こんなのあったっけ?と思いつつも押してみると、ウィンドウの様な物が開かれた。
「なんだ?」
俺が驚いていると、デッキ調整の文字が浮かび上がってきたのでそれを押す。
すると、過去に俺が使ってきたデッキ達の名称が並び立つ。
俺が墓地ソースのカードと違うカードを選択すると、現実にあるカードが交換された。
原理はわからないが、一応自分が持っていたカードとはいつでも交換が可能らしい。
新弾のカードはまだ剥いていない分は記録されていない様だ。
少し残念だが、これで持っているカードについては自由に調整ができる。
違うデッキタイプも持てるのでこれで当面の心配はいらないが、やはり新弾のカードも使って見たい俺はウルスの元へやってきていた。
「カードの入手の仕方?」
「そうだ、俺はこっちでのカードの手に入れ方を知らないんだ」
彼女はプッと笑い出す。
「なんか俺変なこと言ったか?」
「いや、まさかそんなに強力な使い魔を使役している人がカードの手に入れ方を知らないなんて思わなかったから」
彼女は笑いながらもカードの手に入れ方を教えてくれた。
こっちの世界ではカードとは使役している使い魔のことを指す。
そして使い魔というのは、元はMWの世界に存在した者たちであり、今でも存在している可能性はある。
そんな者たちを使い魔にする方法は単純明快で、デュエルで勝つもしくは自分に敬服させる事らしい。
もちろん自分はデッキに入れられるが、その場合はデッキを操作しながら自分が場に出て戦う必要が出てくるらしい。
まあ、怖いので俺は自分を場に出すつもりはないけどね。
「ありがとう、なんとなくわかった」
「そう、貴方の場合、もう私に勝ってるから、私のカードを持っているはずよ」
俺はカードの項目を見ていると、たしかに“ロイヤルナイツの団長ウルス”というカードは俺の手元に存在している。
俺がそのカードを取り出すと、急に慌て始める彼女がいた。
「絶対に変な命令をしないでよね!」
「へ?どういうことだ?」
「いや、手に入れたカードはデュエルで使い魔として呼び出すことにも使えるんだけど、それ以外で使うと本人を呼び出すことになるの、その場合は私が召喚されて貴方の使い魔の様になっちゃうから、絶ぇぇぇっ対にデュエル以外で私を呼んじゃダメだからね!」
俺はそれを聞くとなんとなく悪戯心が出てしまい、彼女本人を使い魔として呼び出した。
「ちょっと!」
「はははw」
本人の目の前で本人を呼び出すと、彼女はこちらにワープした様に現れる。
「ほら急に呼ばれてびっくりするから!、絶対に呼んじゃダメ!」
「ははは、悪かったって、ちょっと試したくなっただけだよ」
俺は笑いながらそう言った。
「もう...、早く解いてよね」
「悪かったって、ほれ」
俺が送還と命じると、彼女は元いた場所に戻っていた。
なんとなく使い方はわかったので、何かそのお礼をしようと思った。
「そうだ、迷惑料として俺がウルスのデッキを見てやるよ」
少し時間を開けてから答えを出してきた。
「そうね、貴方にデッキを見直して貰うのは良いかもしれないわね」
そう言いながらデッキを渡してきたので、俺はデッキの内容を見て驚愕していた。




