使い魔の使役
〜カード紹介〜
ボーンキマイラ
種族・スケルトン
コスト1パワー1
このカードが場に出た時、または墓地に送られた場合、デッキの上から2枚を墓地に置いても良い。
フレーバーテキスト
「こっちのせかいにみんなおいでよ...」
俺は笑いながら彼女の方を見たが、彼女は笑ってなどいなかった。
あんなに楽しいデュエルだったのに何が不満なのかわから無かったので聞いてみる。
「どうしたんだよ、そんな怖い顔して、せっかくの美人が台無しだぜ」
何気ない発言に彼女は口を開いた。
「ありえないのよ...まだドラゴンが存在するなんて...」
「ありえないって...所詮カードだぞ?ドラゴンが存在するのはありえなくても、カードが存在するのは不思議じゃないだろ?」
...、一旦静かになった彼女は、緩急つけてこういった。
「いや...、だから!ドラゴンのカードを持っているだけで凄いってこと!この世界にドラゴンなんて存在もはや存在してないんだから!」
?、言ってる意味がわからない、ドラゴンなんて所詮架空の存在だろ?いやこの世界が異世界なら存在してもおかしくはないが...。
「お前の言ってることがよくわらんけど...こいつのことだよな、暴食龍ラウガウガ...」
俺がデッキからそのカードを引くと、不思議なことが起こった。
事実、そのラウガウガが目の前に現れたのだ。
実際に現物を触るまではすごい玩具の様にも思えたが、この肌触りと言い質感と言い本物であることに間違いはなかった。
「ほら!」
「ははっ...、本当に召喚できるんだなこの世界は...」
俺は驚きながらも巨龍の頭の上からこの世界を目の当たりにした。
豊かな自然に囲まれた平原の先に、人の住んでそうな外壁が見える。
そして、明らかに人間ではない者がうようよしているのが見えたので、やはりここは異世界だと考えるのが自然に思えた。
(...、もしかして俺に与えられた能力って...)
俺はデッキ内のカードを広げて眺め、徐に一枚を手にした。
「...ボーンキマイラ召喚!」
俺がカードを手にそう宣言すると、確かにカード内から見慣れ使い魔が現れたので確信する。
(カード内の使い魔を具現化させる能力なのか!?)
そうと考えるのが妥当な程に、リアリティのある存在が目の前に佇んでいる。
俺は目の前の使い魔に手を伸ばして優しく触れて見た。
こいつにも触れるし実態がちゃんとある。
てっきり映像だけかと思っていたのだが、さっきのデュエルも実際に戦闘が行われていたのだと悟った。
(...、よかった...、俺もう少しで殺人犯すとこだったんじゃねーか?)
あと一歩ドラゴンに攻撃中止の合図が遅れていれば、目の前の少女は死んでいたかもしれない。
そう思うと、背筋が凍る様な寒気がした。
だが、等の本人は殺されかけたことよりも、ラウガウガの存在の方が気になっているようで、さっきからずっと触り続けている。
一通り触り終えて満足した様な表情を浮かべると、俺に近づいてこう言ってきた。
「君が何者なのかはわからないけど、デュエルの腕は確かよね?、私にデュエルの仕方教えてくれない?」
彼女は頭を下げながら俺に言った。
「いいけど...、俺こっちの世界に疎いからな...、どこか住める場所探さないと...」
チラチラと彼女の方をに視線を送ると、彼女はパチンと手を叩き、胸に手を置いてこう答えた。
「だったらあなた、私の団に入らない?、あなたみたいに強い人なら大歓迎なんだけど」
(ロイヤルナイツに俺が...?)
弱った...ロイヤルナイツの内部構成はなんとなくわかっているので、ちょっと返答に困る。
なぜなら、ロイヤルナイツの団員は、ほぼ全員が女の子で占められている。
今回のパックにおいて、一番避難された部分であったのでよく覚えている。
だが、今の俺は選り好みしている余裕なんてなかったのでとりあえず様子見とばかりにこう答えた。
「すまない、とりあえず君の団とやらを見せてもらってからでもいいか?」
「それでもいいわ!ここから見えるあの外壁に向かってゴーよ!」
遠くに見える外壁を指差した彼女は、俺に命令を下す。
「いや、ラウガウガを召喚したまま行ったら町が混乱しないか?、この世界にドラゴンはいないんだろ?」
俺に注意された彼女はハッとしたように手を口に当てた。
やれやれ、この子は先のことを考えているのか考えていないのか分からんな...。
俺は少し薄ら笑いを浮かべ、ボーンキマイラの背に乗っかり彼女を運ぶことにした。
〜カード紹介〜
ロイヤルナイツの先兵カスミ
種族・ヒューマン・ロイヤルナイツ
コスト2パワー2
このカードが場に存在する限り、あなたがロイヤルナイツと種族についた使い魔を召喚するコストは1下がる(ただし1以下にはならない)
フレーバーテキスト
「とりあえず様子見だよ!」