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借りてきた王子さま

作者: 木之下 朔

王子は借り物

手に入らない


私を好きになって

私のことを愛して


王子は手に入らない


私と手を繋いで

私を抱きしめて


王子は借り物

国へ帰りたい


私とつき合いましょう

私の想い


王子は国に帰りたい


私を恋人に

私の相手に


王子は借り物

国民が待っている


私と

私の


王子は国民を待たせている


私が好きでしょ?

私だけ愛して?


王子は借り物

王子はいない


何故、好きになってはくれないの?

どうして、ずっと居てくれないの?

どうやって、国へ帰るの?


王子はいない

本物の王子さまではないから

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