表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃避行  作者: あの山田
6/8

第6話

 陽炎が揺れる中、私は走る。服は重く、汗で目が痛む。道中自販機でペットボトルの水を1本、駅で1本買うが、毎日240円ほどの出費は意外と重い。

 シャワーを浴び、髪を乾かしながらネットニュースを見る。吉報と凶報の見出しが同時に目に入るのは現代らしくて嫌いではない。しかし、ニュースの話題は諸刃の剣だ。私は日に8時間から15時間配信活動をしている。言い換えれば仕事だ、ニュースを見ることは当然出来はするが大抵は話題に出せない。視聴者はゲームに熱中している私を求めている。だからゲームしている姿を提供して、対価として時間を貰うのだ。政治やスポーツ、経済、芸能人のスキャンダル。話題にしてリスクが殆ど無いのはスポーツと芸能人の結婚報告ぐらいだろう、ほかは大抵地雷原でダンスをするようなものだ。活動者として生き永らえたいならするべきではない。

 キャラクター性というのは狡い。上手ければ尊敬され、下手なら笑われる。どちらでも“役”が立つ。だが中途半端は存在しない。私はその中間だ。上位8%、だが突出はしていない。極端にバカでも極端に天才でもない。だから、私というキャラクターは空気に近い。

ただ人より画面に向かって話せる虚しさに耐えられるだけだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ