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鷲獅子、山嶺に立ちはだかって

————————————


PN:ジンム Lv:17

所持金:18473ガル

PP:1

ジョブ:武者(盾使い)

サブジョブ:格闘士(蹴脚使い)

セカンダリージョブ:放浪者


HP:96  MP:27

ATK:184  DEF:179

SATK:13  SDEF:65

SPD:99  TEC:62

STR:111  VIT:26

INT:13  RES:27

AGI:84  DEX:47

LUK:25

アーツスキル

・盾震烈衝Lv3 ・守砕剛破Lv3 ・シールドスローLv2 ・三浪連刃Lv2 ・ホライズフラッシュLv6 ・ラウンドシュートLv5 ・槍牙閃翔Lv1 ・落花瞬衛Lv2 ・パリングガードLv2 ・リフレックスステップLv7 ・憤怒の投錨者Lv3 ・フィルスビーターLv3 ・パシュートヒッターLv3 ・スプリングブーストLv2 ・ラフファイトLv3 ・ドッジカウンターLv3 ・コンボリワードLv2 ・呪獣転侵Lv3


装備

武器1:雷牙の盾

武器2:雷牙の剣

頭:雷豹の兜

胴:雷豹の戦衣

腕:雷豹の手甲

腰:雷豹の穿物

脚:雷豹の半長靴

アクセサリー:-

アクセサリー:-

シリーズボーナス:ATK、SPD、TEC+15、雷属性強化(中)、雷属性耐性(中)


————————————




 アドヴェンジ山脈嶺付近——ボスフロア。

 現在、俺らは鷲の翼と上半身に獅子の下半身を併せ持つボスエネミー——レッサーグリフォンと対峙していた。


「——後ろ、来るぞ!!」


 叫ぶと同時に、上空に飛んだレッサーグリフォンがフロア全体を縦横無尽に駆け回る竜巻を発生させる。

 憤怒の投錨者でヘイトが向いている俺を狙っての攻撃ではあったが、後衛が流れ弾で巻き込まれる可能性の高い厄介な攻撃だ。


 リフレックスステップで回避した後、すぐに背後を振り向く。

 軌道が不規則に変わるせいで危うくシラユキが被弾しそうになるが、直前にチョコがシラユキの腕を引っ張ることでどうにか難を逃れた。


「シラユキさん、大丈夫ですか?」

「う、うん! ありがとう、チョコちゃん」

「いえいえ、これくらいお安い御用です。えへん」


 ……ほんとマイペースというか泰然自若というか、戦闘中でもゆったりとした喋り方は変わんねえな。


 なのに戦闘中の動きは超絶機敏だから、ギャップでつい調子が狂いそうになる。

 けど、チョコがシラユキを護衛してくれるからこそ、俺はレッサーグリフォンを倒すことに集中することができる。


「にしても……チッ、さっきから空に飛ばれてめんどくせえな」


 最初にスキルぶっぱでサンドバッグレベルで殴りまくったのがいけなかったか。

 それ以降、ずっと上空に飛ばれたまま攻撃してきてウザいことこの上ない。


「——つっても、こうなることは織り込み済みだけどなあ!!」


 左手の装備を聖黒銀の槍に変更。

 上空にいるレッサーグリフォンに向けて聖黒銀の槍を力一杯にぶん投げる。


 ストレートジャベリンの派生強化系——槍牙閃翔(そうがせんしょう)

 クレオーノを出発する前に術技設計屋アーツデザインスタジオに立ち寄って、フライングキックと組み替えておいた。


 ボスが空を飛ぶということは、前もってひだりから聞いてある。

 加えてパーティーにモナカも朧もいないとなれば、対空中用に投擲系のアーツを用意するのは当然のことだ。


 前にドン・ヴァルチャーと戦った時みたいに、攻撃の殆どをシラユキに任せっぱなしにするわけにもいかねえしな。


 投げ放った槍がレッサーグリフォンの翼に深々と突き刺さり、貫通する。


「キエェェェーーーッ!!」


「まだこれで終わりじゃねえぞ!」


 絶叫するレッサーグリフォンに向けて、続け様にシールドスローで思いっきり盾を投げつける。

 放たれた雷牙の盾はレッサーグリフォンの眉間辺りに命中し、叫び声が半ば強制的に止まった。


 ……が、まだ地面に墜落する気配はない。

 スタンになるほど攻撃を与えられてねえってことか。


「だったら……おまけにこれもくれてやるよオラァ!!」


 左手装備を雷牙の剣に戻し、そいつもレッサーグリフォン目掛けてぶん投げる。

 投擲スキルも何もないSTRに任せたただのぶん投げだ。


 ——でもそれがどうした?


 攻撃の隙があるんだから使える物は全部使う方が良いに決まっている。

 それに届きもしねえ剣を大事に抱えたままじゃ勿体無いだろ。


 一直線に飛んだ剣がレッサーグリフォンの右翼を豪快に切り裂く。

 聖黒銀の槍が突き刺さっているのが左の翼だから、これで両方の翼を傷つけることに成功する。

 なのに、それでもまだレッサーグリフォンは空中に留まり続けていた。


 アイツの飛行能力は翼ありきではないってことか……?


「ま、今更どうこう考えても仕方ねえか」


 レッサーグリフォンの動きは止めた。

 後はシラユキに任せるだけだ。


 戻ってきた雷牙の盾をキャッチし、落ちた雷牙の剣を回収しに走り出した時だ。


「……聖蕾(せいらい)光牢(こうろう)


 シラユキが術名を唱えた瞬間、レッサーグリフォンの周囲が蕾のような形状をした半透明の光の壁に覆われる。

 今発動したのは、敵を閉じ込め動きを鈍らせ、その間ダメージを与え続ける結界術の一つ……らしい。


 方陣術同様、これも巫覡特有の術系アーツスキルだ。

 一括り結界術と言っても攻撃系だったり支援系だったりと色々種類があるとのことだが、この術式の特徴はなんと言っても長い拘束時間にある。


 敵エネミーが内側から破壊しない限り、長時間に渡って敵を拘束し続ける。

 まあ光の壁の強度はそんなに高くないから、通常時のボスに使おう物なら数秒も保たない代物だが、今みたいに弱った状態であれば長い時間その場に押し留めることができるはずだ。


 更に言うと副次効果として、結界内に閉じ込められた敵は術系の攻撃に対する耐久が下がるデバフもある。


 行動不能に陥った敵。

 低下した魔力耐久。


 この二つが揃ったのなら、次に発動する術式は決まっている。

 シラユキは武器を長杖から魔導書に持ち替え、術式の発動準備に入る。


 念の為、いつでも剣と盾をぶん投げられる態勢を整えつつ、レッサーグリフォンの動きを観察しているうちにシラユキが術式の名を叫ぶ。


「——リリジャス・レイ!」


 放たれるのは、荒ぶる光の奔流。

 クラスアップしたことでINTが上がり、悪樓戦の時より更に威力を増した光線がレッサーグリフォンを光の結界ごと呑み込んだ。


「どうなる……」


 光が消えると、遂にレッサーグリフォンが真っ逆さまになって地面へと吸い込まれていくのが見えた。


「——チョコ!!」


 呼び掛けると同時、各種バフスキル一斉発動——レッサーグリフォンの落下地点へと強く地面を蹴る。

 俺に追従する形でチョコも走り出している。


 地上に落下してしまえば後はこっちのもんだ。

 袋叩きにして一気にケリを付けさせてもらう!


 レッサーグリフォンが地面に激突するタイミングに合わせて、リフレックスステップを起動——より加速の勢いつけてから俺は盾震烈衝をレッサーグリフォンの頭部に叩き込んだ。

レッサーグリフォン

 アドヴェンジ山地の嶺付近を住処とする成長途中のグリフォン。成長するまではこのエリアで過ごし、成体になると霊峰や別地方へと旅立つ。好戦的な性格で探索者つまりはプレイヤーや格上のエネミーにも見境なく襲いかかる為、成体になる個体はあまり多くない。

 戦闘方法は接近して戦うことが多いが、上空に飛んで竜巻を飛ばしたり、風の弾を放つことも可能。怒り状態になると全身に暴風を纏い、飛び道具を寄せ付けなくしてくるので、怒りが収まるまで耐え凌ぐか、スタンや麻痺などで強制的に怒り状態を解除する必要がある。

 近縁種にヒポグリフもいるが、こちらは滅多に人前に姿を見せることはない。ヒポグリフの性格は人懐っこく温厚な為、魔物使い系統のプレイヤーはテイムしようと躍起になって日々探している模様。尚、成体グリフォンも実はレアエネミーだったりする。

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