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シークレットトラック  作者: 豊岡和人
A beautiful day / 凡人たちのセッション
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A beautiful day(6)

 翌日からすぐに作戦は決行された。作戦名は『M2S』。メンバーを、二人、探す、の頭文字を取っている。稚拙極まりない命名はもちろん石川が行った。


 僕と彼女が現時点で扱っている楽器は共にギターである。つまり、あと最低限必要な楽器はベースとドラムだ。この二つ無くしてバンドサウンドは成り立たない。


 練習のしやすさやコミュニケーションの取りやすさを考慮し、自分たちと同校の生徒から優先的に探していくことにした。しかし大半が部活動に加入しているため、放課後になるとすぐに校舎から人が散けてしまう。効率を考え、昼休みを利用して勧誘を進めていく運びとなった。


 僕たちが通っている高校は一学年で六つのクラスがあり、一クラスにつき四〇人の生徒がいる。マンモス校と呼ぶにはほど遠いが、絶対数は十分だ。


 自身のクラスである二年一組から勧誘は始まった。面識があろうと無かろうと見境無く、できる限り一人ひとりに誘いの声をかけていく。


 正直僕は、うちのクラスだけで事が済むのではないだろうかと思っていた。『高校生になったら一度は何かしらの楽器を始めようとするものだよね』という極度の偏見を持っていたゆえである。


 一人、二人といわず数人の経験者が現れ、大編成のビッグバンドと化す可能性もあるのでは、などと高を括っていた。


 しかし、僕たちはその認識の甘さを痛感させられる一週間を過ごすこととなる。

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