それは本当にスマホですか?
何で、こんなことになってしまったのだろう。
共通性をもたせる。
それは、いいことだ。
バラバラだと、上手くまとまらず、進んでいかないから。
ただ、統一しすぎるのも、どうかと思う。
このカタチの、電化製品的なものを全て、同じカタチにしてしまうなんて。
紛らわしくて、やってられない。
スマホは、まあ最初から、このカタチが主流だったからいい。
でも、なんで温度計まで、このカタチにするかな。
なんで、統一しようとするかな。
せめて、全く同じ見た目に、しないで欲しかった。
色んな家電のリモコンも、そうだ。
みんな、スマホと同じフォルムになっている。
ついに、時計までスマホ型になってしまった。
友達の家に来た。
テーブルの上を見て、目を見開いた。
これは、ヤバすぎる。
同じカタチのものが7個ほど、きちんと並んでいる。
典型的な失敗例だ。
しかも、名前シールも何も貼っていない。
電話が鳴った。
友達はいなかった。
すぐに友達が来たので、電話があったことを伝えた。
だが、光ってなければ、全て同じ箱。
全て、普段は真っ黒で、ボタンを押すと光って、表示される仕組みになっている。
見つけるのにも、一苦労だ。
そんなとき友達は、用事を思い出したようだった。
友達は、その同じフォルムの箱を、ランダムに3、4個掴んで、カバンに入れて出掛けていった。
それは本当に、スマホなのだろうか。
出掛けてすぐに、電話が鳴った。
テーブルの上で、美しくスマホが光り続けていた。