マルベリー国王
ドレスの試着から数日経った。
アランとマリーは学園を休んでいる。
マリーは王宮にいることが多くなった。
朝はリオネルと共に登城し、帰りも一緒に帰っている。城に留まれば良い。と言う話もあったが頑なにお断りし疲れていても邸へと帰る。
……こんな人の目が多いところに滞在していると心身ともに休めない。
邸も護衛は多いが邸の方が全然楽だ。
邸の警備は頑丈だし王宮からの護衛まで配置されている。
しかし王宮の警備はその数倍の頑丈さを誇る。とにかく警備が有能なのだ。
……息が詰まっちゃうわよ!王族の方は慣れているから気にならないのかしら?
郷に入っては郷に従えよ!慣れるのよ。きっといつか慣れるわ!マリー!
「はぁー」
息を整えて窓の外を覗いてみる。アランの誕生日まであと一週間程になってきた。各国の使者が到着し始めてきている。
使者の方が来たり、外国の王族が来たりと城は物々しい雰囲気に包まれている。
これも相まってマリーは息苦しく感じるのだ。
マルベリーの代表は国王だと教えてもらった。この国王はセシリアに求婚していたが、リオネルが婚約者になった。
当時王子だった国王がたかが一介の貴族に負けたのだ。国王はセシリアのことを愛していたが憎んでもいたと言う。
セシリアにそっくりな娘を見て、国王は何を思うのだろうか?
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ソフィアの王宮の庭にてソフィアとマリーはお茶を飲んでいた
「ソフィア王女失礼します」
礼をするリオネル
「あら?侯爵どうされたのかしら?」
「申し訳ありませんが娘に用事がございまして」
「ここまでやってくるなんて珍しいわね、良いわよマリー」
「なに?お父様」
マリーがリオネルに近寄る
「急用なんだ。身支度を整えなきゃならない。一度邸に帰るぞ」
「えっ急すぎない?」
「夕方までにまた王宮に戻らなくてはならないんだ」
今は昼前これから邸に帰るのか?来たばかりなのに…と思っていたら
「馬車の中で話すよ」と小声で言われた
「ではソフィア王女、誠に急ではありますが失礼致します」
リオネルとマリーは礼をして去っていった
ソフィアはこれは何かあったわね……
まぁ良いわ。後でゆっくりと話を聞かせて貰うとしましょうかね
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急いで馬車を出すリオネル
「お父様どうしたの?さっき来たばかりだと言うのに!」
「夕方にマルベリー王国の国王と会う事になった」
「えっ?急に?」
「あぁ。そう言うこと!面倒だけどしょうがない」
「お父様はマルベリーの国王様とお知り合いなんでしょう?」
「まぁね」
と笑うリオネル
「急にお会いするって心の準備が出来てないんだけど?」
「大丈夫だよ。#あっち__国王__#が会いたいって言ってきたんだよ。あっちの都合に合わせてやるんだから、少しくらいの粗相は許されるさ」
ぽんぽんと頭を撫でられる
「ふーん、お父様楽しそう」
「そういう風に見える?」
「うん」
「本当はね、この前マリーと話ししていたアルベルト王子について調べていて、調べが付いたらマリーとマルベリー王国に行こうとしていたんだよ、あっちから来てくれたから行かなくて済んだけど、マリーと旅行に行けると思っていたのに、残念だよ」
「そうだったの?知らなかった!」
「せっかく一ヶ月も休みを取ったのに、結局無駄になったよ」
「お父様と旅行に行きたかったなー」
「旅行は難しいかも知れないけど、学園の長期休暇の時に領地でのんびりしようか?」
「うん!良いね。約束!」
指切りげんまんをした。
二人で笑っていると緊張も溶けてきた!
「よし!気合を入れて頑張ります」
「そこまでじゃなくとも、肩の力抜いて」
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「「「「お帰りなさいませ」」」」
と邸の使用人たちが出迎える
「お嬢様。湯浴みから始めますよ」
アンがマリーを連れてゆく
「さてと、私も準備をするかな」
「旦那様、楽しそうですね」
「あぁ。マルベリーの国王がマリーを見て何を思うかなと考えるだけで楽しいよ」
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湯浴みをして全身ピカピカに磨き上げられたマリー。
「さぁ、コルセットで締めますよ!」
とアンが笑みを浮かべる
「うぇぇぇー」
「変な声を出さない!行きますよ」
「ぎゃぁーーー!」
「もっと締めますか?」
「お許しください!」
「お嬢様は元々が細くてらっしゃいますから、この程度なんですからね?普通はもっと締め上げる所をこの程度にしているのですよ?」
「地獄だわ……」
文句を言うとチラリと睨まれたので
大人しく従う
「さぁ、ドレスに着替えますよ。」
ドレスを出される。バックリボンのいつもより大人っぽいデザインのドレスに着替える。髪も緩いウェーブに整えられ、首元のネックレスは沢山宝石が付いた、見るからに高級品だ!
白粉を軽く叩かれて、頬は健康そうなピンク色に唇にも色を塗られた。いつもはお化粧はしないのに……と思っていたら、
「完成です!」
アンが満足気に言った。
「姿見でご覧下さい」
姿見の前まで連れて行かれる。
姿見で自分自身の姿を確認しようと鏡を見ると
「えっ?わ、私?」
「そうですよ、お美しいです、お嬢様」
……確かに私は美少女だ!原作からもそれは知っている。しかしそれに増してもこの姿…
「自分に見惚れちゃった……」
ポカンとした顔になる
「あらあら。締まりのないお顔ですこと」
アンに笑われた
「ひどい!」
「ごめんなさい。だってお嬢様ったら」
また笑い出したので、ふんと顔を背ける
コンコンコン
「マリー用意出来た?」
リオネルが迎えにきた
アンが扉を開けると
リオネルは一瞬動きを止めた後
「マリーなんて美しいんだ!これは美の女神も嫉妬しちゃうよ」
まじまじと見てくる
「お父様?言い過ぎではないですか?でもお父様もすっごく素敵!かっこいい」
二人で褒め合う
「マリーのエスコートなんてパパ嬉しくて、お嫁に出したくなくなってきたよ」
「それじゃ、領地に引っ込んで二人で暮らしましょうか?」
「それも悪くないな」
話をしながらエントランスまで向かうと、見送りに出てきた、ユーリウスとフランソワが待ちかねていた。
「マリーなんて美しいんだ!」
「姉様凄く綺麗だ」
二人に褒められた。
「えへへ。いつもより綺麗でしょ?アンの技術の凄さったらないわね!」
と言ったら「「「はぁー」」」と三人にため息を吐かれた。
「あれ?どうしたの?」
「ううん。なんでもない姉様気をつけて」
軽くハグされ頬にキスを落とされた。
「フランからのキスなんて久しぶりだわ」
「そう?いってらっしゃい」
「今日のマリーは特に美しい、気をつけて」
ユーリウスも軽くハグをし頬にキスを落としてきた
「うん。お兄様ありがとう行ってきます」
挨拶し、リオネルにエスコートされ馬車に乗る。
王宮までの道のりで、うとうとしていたら
「マリー!着いたよ。まったく緊張感がないな」と呆れた声でリオネルが起こしてきた
「はっ。つい寝ちゃった」
「……肩の力が抜けてちょうどいいよ」
リオネルにエスコートされ王宮内に入る
「マルベリー国王と謁見する。その時にちょっとこみ合った話しもするけど、マリーも一緒に聞いて欲しい」
「はい。分かりました」
「ではレディ、行くぞ!」
「はい!」




