アルベルトと言う男
馬車から降りるとエントランスに、リオネル・ユーリウス・フランソワ・アランが勢揃いしていた。
怖い怖いとぶつぶつ呟くマリーの肩を抱き寄せてアルベルトは四人の元へ進む。
「「「「マリー!」」」」
「はいっ!」
ブルブル震えるマリー
リオネルが前に出て
「アルベルト王子殿下がなぜ娘を送ってくださるのかをご説明願いたい」
「あぁ。説明するよ」
「マリーこっちへこい」
と怒り浸透のアランが近づく
「マリーが怖がってるじゃないですか、アラン王子」
とアルベルトが言う
「マリーだと?」
「同じクラスの生徒ですからねぇ」
くっくっくっと笑うアルベルト
「その手を離せアルベルト!私の婚約者だ、無闇に触れるな」
「はいはい」
とマリーを解放する
応接室へ移動する
マリーの肩を抱くアランが
「おい、アルベルトを殺すか?」
とそれはそれは良い笑顔で微笑む。
イケメンの無表情な笑顔ほど怖いものは無い。
「やめてよぉ……」
と泣きそうな顔でアランを見る
「話しを聞いた後で決める」
ギュッとアランにしがみついた
リオネル・ユーリウスが並んで座り
アラン・ローズマリアが並んで座り
アルベルト・フランソワは一人掛けソファに座る
「さてアルベルト殿下お話しを伺ってもよろしいですか?」とリオネル
「あぁ。先ずはヘルマン・オルフィーノと言う名前を聞いた事がありますか?」
「確か美食家の?」
「こちらの国での表の顔ですね、しかしわが国でのヘルマンは裏の顔があります。
人身売買・違法薬物など良い噂は聞かない。我々は秘密裏に捜査をしていました。最近になって学園に忍び込み何かを探していると言う情報が上がったので、調べていました」
「アルベルトも自ら捜査をしていたのか?」
とアラン
「えぇ。わが国で人身売買グループが摘発されましてそのうちの一人が、ヘルマンに恨みがあるらしく情報をくれました。ヘルマンの人身売買のグループも一斉に摘発、そこでアジトが分かったので、捕らえに行ったところにマリーがいました」
「ではアルベルト殿下は娘を救ってくれたと言う事ですか?」
「偶然そうなっただけです。ヘルマンは美食家と言う事で、新しいレシピを開発するマリーに目をつけたと言う事ですよ。もう少し遅かったら国外に連れて行かれていた可能性もある。」
「マリーが作ったと解らない様にしていたつもりでしたが、執念深い男ですね。レシピを公開しただけじゃ収まらなかったか…アルベルト殿下この度は娘を救って頂き、ありがとうございました。どうお礼をしていいやら」
とリオネルが頭を下げる
「いや!侯爵頭を上げてください。偶然こうなっただけです、マリーを怒らないでやってくれるか?」
「マリーに聞きたいんだか、なぜ一人になった?あれだけ注意しろと言ったよな?」
とアランが言う。一斉にマリーを見る
「だって、忘れ物したから教室に取りに行っただけでこんな事になるなんて思わなかったもん」
とハラハラ泣き出した
「だからバカって言ってるだろう!」
とフランソワ
「同感だな…」
とユーリウス
「だって…」
「しばらくは外出禁止!学園も行くな!」
とリオネル
「ひどい……」
「どれだけ心配したと思っている?お前がいなくなったと言われて心臓が止まるかと思ったぞ」
「それはごめんなさい」
うっうっ…と泣くマリー
「侯爵、マリーは悪くない、学園に危険が潜んでいるなんて誰も思わないだろう?ましてやアラン王子の婚約者を拐うなど、誰が想像する?」
「しかしですね」
「今回のことは秘密裏に動いていたわが国にも責任がある」
「こいつが、拐われたと公になったらどうしてくれるんだよ!不名誉な噂でも流れたらこいつに傷が付く!マルベリー王国に抗議しておこう」
アランが冷たい声を出す
「不名誉な噂が流れたら、私がマリーを娶るから大丈夫だよ。一緒に国に帰れば問題ない!」
「ほう?わが国に喧嘩を売っているんだな!」
アランの怒りが爆発寸前だ。
「二人ともおよし下さい。娘が不憫でなりません!」
リオネルが止める
「取り敢えず、騒動が落ち着くまで娘を学園にやりません、いいな?マリー」
「はい。おっしゃる通りにします」
泣き疲れたマリーはぐったりだ。アランに身を任せる形で胸に抱きつく
「またヘルマンの事は報告しよう、マリーを休ませてやってくれ。私は帰るよ」
見送りに出る。
アランに腰を抱かれ支えられるマリー
「じゃあね、マリー今日はゴメンね、また学園で」
マリーは挨拶をしようとアルベルトの方を見る
するとアルベルトが近づきマリーの頬にちゅっとキスを落とした。
ワナワナと震えるアラン。
「見送りはここまでで結構」
アルベルトは城へと戻った
「兄妹揃って手が早いな。ねぇマリーまた浮気?あいつ殺す?」
「浮気じゃないもん、アルベルト様が勝手にしたんだもん」
「ほーアルベルト様とはな!」
「もう!レオ様の時みたいに言わないでよ!」
「痴話喧嘩はその辺でやめてもらえますか?
マリーなぜ一人になるなと言う約束が守れなかった?」
とユーリウス
「ごめんなさい」
「謝れば済む問題じゃない!フランソワお前もなぜついていなかった!」
「すみません、」
「言い訳は聞きたくない!父上が言った通り、騒動が落ち着くまで家から出るな!わかったな!守れなかったら殿下と会うことも許さん、学園も辞めろ」
ユーリウスの怒声が邸に響き渡る。
普段大人しい男が怒るとこうなるのか…と邸中の者が思った
「ユーリウスの言う通りだな、学園が終わったら会いにくる、大人しくしていろ」
「マリー今日はもう疲れたろ?部屋に戻ってゆっくりしなさい、詳しい話は明日聞くから、いいね?」
「はいお父様」
「アン頼んだぞ」
「かしこまりました」
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リオネル・ユーリウス・フランソワ・アラン応接室にて
「困った事になったな」
とリオネル
「拐われた事を公にならないよう圧をかける」
とアラン
「またレオナルド王子のような人が出てきましたね」
とユーリウス
「被害者がまた一人…」
とフランソワ
「「「「はぁー」」」」
と男達は肩の力を落としながら
「早くマリーを嫁にしたい」
ボソっとつぶやくアラン
「ちゃんと捕まえおけよ、王子様」
リオネルが笑いながら言う
「しかしユーリウス、私はびっくりしたよ。マリーに怒っている姿を初めて見たけど、怒れるんだね?」
リオネルが感心した顔をする
「あぁ、すみませんでした。マリーの行動に腹が立ってしまって。バカな妹を持つと苦労しますね。怒りを抑えたつもりでしたが……」
ユーリウスがはぁっーぁとため息を吐く…
「やっぱり親子だな。怒り方が似ていたぞ」
アランが、笑う
「父上にですか?まだまだですよ…」
「ねぇ。また家の中険悪になるんじゃないの?」
フランが言うが
「それならそれで私は構わない。マリーが反省するまで先程の言葉は撤回しない。殿下もいいですね?」とユーリウス
「俺?とばっちりかよ!」
ため息を吐くアラン
「お前、成長したな。見直したぞ!優しいだけじゃ侯爵なんて務まらないからな!」
と、嬉しそうにリオネルは言った。
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もう!お兄様に怒られるなんて!初めてでショックだったわよ。
よし!明日に備えて寝ましょう……
とマリーは相変わらずだった




