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この星の前提

「な、なんで…なんでみんな無表情なの?」


「そういえば最初に来た時もそう言っていたね。そんなに人間からしたら不思議?」


「… 人間からしたらって…カイも人間でしょう?」


「………違う。私たちは機械だ。」


「え?」


美幸は言っている意味が分からないとフリーズする。しかし、カリュードは淡々と説明をした。


「私を含めてこの星にいるのは、ロボット…つまり機械だけだ。感情も何も無い、ただこの星を発展させるためだけのどうぐ。勿論私も。」


「だけど、カイは笑ったりしてるし…!」


「そうだね。だけど、それは美幸の側にいたから芽生えたものなんだ。本来ならないはずなのに、なぜか私は人間に近いものを持った。」


美幸は何も言えなかった。普通ではありえない世界に。そして話している相手が作られたものだということに。


「…じゃあ、此処にいる人たちは…」


「うん。みんな機械。だから私たちは感情が分からない。計算不可のものであるから。ある程度なら理解が出来るんだけど。…だからあの時も美幸を怒らせちゃったみたいだね。」


ごめんというカリュードに、美幸は人生で初めてキレた時を思い出す。

あの時はただ馬鹿にしているのかと思っていたのだが、そもそも感情がないと誰かを大切に思うことなんて無いのだろう。


「…そっか。だからあの時私の家族をどうでも良いって言ったんだ。」


「……もし良ければ、どうして怒ったのか説明してくれない?」


「………うん。上手くできるか分からないけど。」


美幸は眉を下げて笑い、どもりながらも理由を言いだした。


***


家族ってさ、一番近くにいる存在で、愛をくれてあげる関係にあるんだよね。だから大切な存在になっていく。私もそう思った。


だけど十年前の事故で私だけを残して皆んな逝っちゃった。記憶も定かではない時に。だから殆ど顔なんて覚えてないんだよ。

ううん。覚えてなくて当然なの。あの日の事故のショックで私は記憶を失ったから。


友達だった子も、どうやって生活していたのかも。全てを忘れた。話すことも出来なかった。

そのあとは親戚に引き取られた。最初何も言わない私に会う人全員が驚いてたよ。可哀想って言っていた人も居たかな。


私は家族が居なくなった事実に、枯れるんじゃないかって程泣いたよ。泣いて泣いて…そして落ち着いた。お母さんたちの分まで生きようって少しずつ前を向けるようになった。

これが今まで。だけどあの日、カイはそんな大事な存在をどうでも良いって言った。その先に未来があって、大切な人たちを。


***


「だから私は怒ったの。…分かる、かな?」


美幸は機械だと分かったので当たり前の感情さえも無いんじゃないかと危惧した。しかし、カイはバツの悪そうな表情を浮かべていた。


「そうだったんだ。それは怒って当然だったね。ごめん。」


「…分かってくれたなら良かった。」


ホッと息を吐く。すると、カイが美幸の頰をつかんだ。


「ひゃひゃいすひゅひょ!?」


「何言ってるか分からないけど、次は私の話を聞いて。話を聞いて思い出すかは分からないけど。」


「だ、だひゃはひゃひ!?」


美幸の言葉になっていない叫びを合図に、カリュードは昔話を始めた。

取り敢えず完結だけさせようかなと。文は脆いですね(白目)

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