第四話
久し振りの投稿です。
「じゃあ、そろそろ七不思議の話をするぞ」
とりあえず落ち着いて、やっと本題を開始する。
そして迅が俺達を脅すように溜めながら語り出した。
「……一つ目、動く人体模型。二つ目、真夜中に聞こえる音楽室のピアノ。三つ目、髪が生える校長の石像。四つ目、運命の人が分かる鏡。五つ目、人を食らう扉。六つ目、血塗れの女生徒。これが北神高校の七不思議だ」
なるほど、それが七不思議か。全然、聞いたことないな。だが、どこでもあるような普通の七不思議だな。
て言うか、おかしくないか。
「おい、七つ目はどうした?」
「不明だ。俺も調べてみたが分からなかった」
迅が調べて分からなかったということは誰も知らないんじゃないか。確かに迅はふざけた奴だが、能力は確かだからな。
「無いのが不思議ってオチじゃない?」
「いやいや、さすがにそれはないだろ、泉」
いくら何でもそれは酷すぎる。
「私としては四つ目が気になります。これだけ何かロマンチックです」
四つ目っていうと、確か運命の人が分かる鏡だったな。俺はあまり興味ないな。運命の人が誰かなんて分かりきっている。
「私も気になります。深夜先輩の運命の人は風間先輩だということを証明したいですから」
「確かに俺もそれが違うことを証明したいな」
仮に俺の運命の人が迅だったら自殺したくなるな。朝陽の運命の人が俺以外だったとしても死にたくなるが。
「だったら今夜にでも確認しに行くか?」
迅が提案する。最初からそのつもりだっただろ。
「ナイスアイデア、迅くん! よし、行こう! 朝陽ちゃんの運命の人が私だとお義兄さんに認めてもらうチャンス!」
泉が勢いよく立ち上がって頭のおかしいことを言う。
「ふざけるな!朝陽の運命の人は俺に決まってるだろ!」
俺も立ち上がって泉に反論する。この間違いだけは何があっても訂正しないといけない。
「そんな堂々と言われると恥ずかしいです……」
顔を赤くして照れる朝陽。この世のものとは思えないほど可愛い。やっぱり俺の運命の人は朝陽しかいない。
「何を言ってるんですか! 深夜先輩の運命の人は風間先輩に決まっています!」
読書をやめて水瀬まで話し合いに参加してきた。今まで何回、この不毛な争いをしてきたことか。大体、この部活の人間は我が強い上に、人間関係がややこし過ぎる。何で部活が成り立っているのか不思議だ。
そして言い争いが続くこと三十分。ずっと楽しそうに傍観していた迅がついに口を開いた。
「ここで言い争うよりも直接、鏡を見た方が分かりやすいと思うぞ」
「確かにそうだな! こうなったら今夜いくぞ!」
水瀬と泉を黙らせるには俺と朝陽の繋がりを証明するしかない。
「そうですね。深夜先輩と風間先輩の運命を証明するにはそれしかないです!」
「そうね。朝陽ちゃんの運命を人は深夜くんじゃなくて私に決まっているけどね」
こうして真夜中の学校探険をすることが決まった。
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