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第一話

「やっと終わったか……」


帰りのSHRが終わって放課後だ。特に最後の授業の現国は眠くてやってられなかった。

でも次は部活がある。正直、授業よりも疲れるから行きたくない。早く家に帰って可愛い妹とのんびりしていたい。

そこで教室のドアを開けて入ってきた女子が俺に話かけてきた。


「兄さん、会いにきましたよ」


この見るからに天使のような可愛い存在は俺の妹、黒崎朝陽だ。俺が四月生まれで妹の朝陽は三月生まれなので兄妹だが同じ学年だ。別のクラスになった時は学校に文句を言ったが聞き入れてもらえなかった。

急に凄い勢いでこっちに近付いてくる気配を感じた。


「ヤッホー、朝陽ちゃん。私に会いに来てくれたの? 嬉しいね。このまま部活なんかサボって二人で――」


「やめろ、変態」


俺は朝陽に抱き付こうとした変態を殴った。こいつはクラスメイトの渋谷泉。男みたいな名前だが女だ。

そして同性が好きな変態野郎だ。事あるごとに俺の可愛い妹にセクハラしてくるので手を焼いている。


「何するんですか、お義兄さん」


「誰がお義兄さんだ!お前みたいな変態にお義兄さんと呼ばれる筋合いはない!」


「そろそろ妹離れした方が良いですよ、お義兄さん」


俺が妹離れするわけないだろ。こんな可愛い妹から離れるなんて考えられない。


「朝陽ちゃんも高校二年になってまで兄にべったりされていたらめんどくさいよね?」


「いえ、別に。私も兄さんのことが好きですから」


やっぱり俺と朝陽の心は通じあっている。


「ああ、そう言えば深夜くんもシスコンだけど朝陽ちゃんの方もブラコンだったね。せっかく可愛いのに残念だね」


確かに朝陽は可愛い。学年で一番モテる。だが、最近は朝陽に告白する野郎はいない。何故ならヤバい兄がいると噂になっているからだ。別にそんな大したことはしてないんだけどな。昔、朝陽に暴力しようとした輩を病院送りにしたぐらいだ。


「いや、何が残念なものか! そこが可愛いんだろうが!」


「そんな兄さん。人前で堂々と言われると恥ずかしいです……」


顔を赤くして照れている朝陽も可愛いな。写真に撮って永久保存したいくらいだ。


「……前から言ってるけど、してないよね? 近親相姦」


「何回も言ってるだろ?してねぇよ」


「そうです。まだしていませんよ」


まだ? もしかして将来的にそういうことを考えたりしているのだろうか? 自分としては嬉しい限りだが。


「……何かそろそろヤバそうだから私が朝陽ちゃんを正常な道に戻してあげないと」


「お前の道の方が異常だろ!」


兄妹の方が異性な分、マシなはずだ。


「ところで、そろそろ部室に行きませんか? 迅さんと花菜ちゃんを待たせるのも悪いですし」


「別に行かなくていいだろ。どうせ迅は来てないだろうし、水瀬は放っておけばいい」


部活のメンバーは妹の朝陽を除いて全員が俺の天敵だ。それに部活としてもほとんど機能していない。家に帰って朝陽とのんびり過ごしている方が何倍も有益だ。


「じゃあ、深夜くんは無視して私と二人で行きましょうか、朝陽ちゃん」


そう言うと泉の奴が朝陽を引っ張っていく。


「おい、待ちやがれ!」


俺も着いていこうとしたところでクラスメイトの雑談が聞こえてきた。


「ねぇ、知ってる? 最近、夜中に生物室の人体模型が動き出す、って話」


「ああ、私も友達から聞いた。学校にノートを忘れたから取りに来て、変な音が聞こえたから見てみたらそこに生物室にあるはずの人体模型が廊下にあった、って」


何とも迅が好きそうな話だな。

第一話どうでしたでしょうか?感想を書いてくれると嬉しいです。

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